子宮鏡下子宮筋腫核出術:手術手技の包括的レビュー(原題:Hysteroscopic myomectomy: a comprehensive review of surgical techniques)
ヒト生殖アップデート, 第14巻, 第2号, 2008年3月/4月, 101-119ページ,
https://doi.org/10.1093/humupd/dmm041
発行2007年12月06日
要旨
子宮鏡下筋腫核出術は現在、粘膜下筋腫を治療するための標準的な低侵襲手術法であり、子宮異常出血と生殖障害が最も一般的な適応である。子宮鏡下子宮筋腫核出術は、月経障害のコントロールにおいて安全かつ有効であることが示されているが、不妊症への影響は依然として不明である。本総説では、子宮腔内に完全に存在する筋腫(G0)および子宮腔内発育を伴う筋腫(G1およびG2)の治療に用いられるすべての子宮鏡下手術について包括的な調査を行った。MEDLINEおよびEMBASE検索により、1970年以降の発表論文を確認した。術式の選択は子宮筋腫の硬膜内進展、個人の経験、使用可能な機器に依存することがほとんどである。ネオジムイットリウムアルミニウムガーネットレーザーによる筋腫焼灼術、モルセレーション、子宮筋腫核出術など、いくつかの効果的な手技が提案されているにもかかわらず、「切除鏡下スライシング」は、G0筋腫の治療における「ゴールドスタンダード」手技としていまだに知られている。一方、G1およびG2の子宮筋腫の治療において、明確に優れていると証明された唯一の術式はまだ存在しないことが、今回のレビューで明らかになった。ほとんどの術式は、子宮筋層内筋腫を完全に腔内病変に変化させることを目的としているため、子宮筋層への深い切開を避けている。現在のところ、「コールドループ 」法は、周囲の健康な子宮筋層を尊重しながら、このような筋腫を1回の手術で安全かつ完全に除去できるため、最良の選択肢であると思われる。