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公開日:2025/02/16
最終更新日:2025/02/16

性的興奮時におけるβ-アドレナリン受容体の活性化は、腟上皮のCl-分泌を制御することにより腟潤滑を促進する

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性的興奮時におけるβ-アドレナリン受容体の活性化は、腟上皮のCl-分泌を制御することにより腟潤滑を促進する
性的興奮時におけるβ-アドレナリン受容体の活性化は、腟上皮のCl-分泌を制御することにより腟潤滑を促進する(原題:Activation of β‐Adrenergic Receptors During Sexual Arousal Facilitates Vaginal Lubrication by Regulating Vaginal Epithelial Cl− Secretion)
孫清(理学士)、黄潔紅(理学博士)、楊登亮(理学士)、曹暁年(理学士)、周文良(理学博士)
The Journal of Sexual Medicine, 第11巻, 第8号, 2014年8月, 1936-1948ページ, https://doi.org/10.1111/jsm.12583
発行:2014年8月1日

はじめに

性的興奮と組織の健康の指標である腟潤滑は、性器の性的興奮時に著しく増加する。アドレナリンα受容体(AR)は、血管および非血管平滑筋の収縮を媒介する生殖器の生理学的反応の重要な調節因子であるが、性的興奮におけるβ-ARの役割についてはまだ研究されていない。

目的

本研究の目的は、性的興奮時の腟潤滑の調節におけるβ-ARの機能的役割と、そのメカニズムについて明らかにすることである。

方法

腟上皮のイオン輸送、細胞内の環状アデノシン一リン酸(cAMP)含量([cAMP]i)、および腟潤滑に対するアドレナリンの影響を、それぞれin vitroで培養したラット腟の短絡電流(ISC)、酵素結合免疫吸着法(ELISA)、およびin vivoでの腟潤滑の測定を用いて調べた。腟上皮におけるβ-ARの発現は、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応、ウェスタンブロット、免疫蛍光法により解析した。

主要評価項目

ISC反応の変化;β-ARのmRNA、タンパク質発現および局在;[cAMP]i;腟潤滑。

結果

アドレナリンの血清投与により、ラット腟上皮全体でISCの増加が誘導されたが、これはα-AR拮抗薬であるフェントラミンではなく、β-AR拮抗薬であるプロプラノロールでブロックされた。 β1/2-ARはラットおよびヒトの腟上皮細胞にともに存在した。Cl-を除去するか、嚢胞性線維症膜貫通コンダクタンス制御因子(CFTR)の阻害剤であるCFTR(inh)-172を作用させると、アドレナリンによるISC反応が消失した。アドレナリンによって誘導された[cAMP]iの上昇は、プロプラノロールによる前処理によって阻止された。in vivoで測定した腟潤滑性では、アドレナリンまたは骨盤神経刺激により腟潤滑性が顕著に上昇したが、プロプラノロールまたはCFTR(inh)-172の前処置によりその効果が減少した。

結論

上皮性β-ARの活性化は、cAMP依存性の経路で腟上皮のCl-分泌を刺激することにより、性的興奮時に腟潤滑を促進する。したがって、腟上皮β-ARは、腟の性的興奮反応のもう一つの調節因子である可能性がある。

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