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公開日:2021/01/14
最終更新日:2021/02/18

マイコプラズマとウレアプラズマについて

投稿日:2021年1月14日 更新日:

マイコプラズマとウレアプラズマについて

マイコプラズマ、ウレアプラズマなぜ注目されているのか。

マイコプラズマ、ウレアプラズマ

マイコプラズマ・ウレアプラズマ性感染症は、性器や喉にマイコプラズマやウレアプラズマが感染して起きる性感染症で、国内では2012年にこの検査が行われました。

近年、認知されるようになった性感染症なのです。

非クラミジア性非淋菌性尿道炎』は、クラミジアにも淋菌にも該当しない感染症の可能性が高いと、以前より言われ続けていたものです。

起炎菌には次の4種類があります。
・Mycoplasma genitalium
・Mycoplasma hominis
・Ureaplasma parvum
・Ureaplasma urealyticum
男性の場合、クラミジア尿道炎の症状と似た症状を発症します。主な症状としては尿道炎が挙げられますが、無症状で感染している方もいます。女性の場合では、クラミジア感染症と同様の症状が起きます。
男性は自覚症状が軽く、女性は自覚症状を見つけることが難しく、感染している状態が確認されないのが現状です。今までは、検査してもクラミジア・淋菌が検出されないため、原因不明の尿道炎だと考えられていたのです。
また、淋病やクラミジアと同時感染している可能性も考えられます。しかしそれぞれ治療法が異なり、治療しても症状が無くならず、近年、ようやく検査法が確立され、ウレアプラズマ・マイコプラズマが注目がされることとなりました。
感染した状態を放置してしまうと、不妊の原因になります。そのため、クラミジアや淋菌の感染症ではPCR検査で確実な診断を行ってから治療をすることが望ましいと考えられてきました。

治療できるクリニックが少ない?

治療できるクリニックが少ない

そもそも治らないのか。
この4種類の菌においては、それぞれの種類で治療法が違います。また薬剤耐性も違いがあり、不明な部分もある感染症です。そのため、検査や治療薬の選択が難しいのです

症状に乏しく、診断がつきにくいほか、最近注目されてきた感染症であるため、医師の中でも性感染症の原因菌として認知度が低いです。
クラミジアや淋病では、適切な検査法や治療法が決まっていて、患者・医師共に認知度が高い感染症です。しかしマイコプラズマ・ウレアプラズマ感染症に関しては認知度が低く、検査が少ないのが現状です。

気付かないうちにマイコプラズマ・ウレアプラズマに感染していることも報告されています。

クラミジアが検出されないから安全というわけではりません。

不妊症や早産・子宮外妊娠のリスクを回避するためには、マイコプラズマ・ウレアプラズマの検査も同時に受けて治療する必要がります。
しかし、厄介なのはクラミジア感染症と違って、マイコプラズマやウレアプラズマは菌の種類の中には、薬剤耐性が進んでいる者がある可能性があるのです。
このため、治療効果のある抗生剤が限られ、効果がある薬剤を使用する量や使用法や期間が特殊なので難治の場合も発生してきます。

現時点では検出も治癒も他の性感染症と比べると困難なことから、確実な検査と治療を行っていくことが必要不可欠となってきます。
男女とも不妊症になるリスクがあり、女性では早産や子宮外妊娠のリスクが上がる危険性があります。

複数の菌の感染が治療をさらに難治にしていることだけではなく、保険適応外の検査なのも治療できるクリニックが増えない原因として挙げられます。

クラミジアや淋菌とは何が違うのか

マイコプラズマ、ウエアプラズマの症状は、クラミジア性尿道炎に類似しています。

しかし、検査法、抗生剤の耐性、有効性が違います。
マイコプラズマ・ウレアプラズマ感染症の治療は、4種類ある起因菌を選択して治療薬を投与します。
複数の菌が重複して感染している可能性を考慮すると、治療期間が長期間になることや治療薬の数が増えます。
起因菌に合った抗生剤で適切な治療をしたら、効果としてはおよそ80~90%になります。クラミジア感染症と比べると、効果のある治療薬の選択肢が限られているため、薬剤への耐性化や治療薬の適切な容量と期間を選び、抗生剤の服用を必要とする治療を行います。
クラミジアと同様の症状でも、抗生剤の効果が悪く治療期間が長くなったり難治になる可能性があります。
比較的新しい起因菌ですが、薬剤の耐性化が問題となっているのです。
クラミジアならアジスロマイシンの大量単回投与であったり、淋菌ならセフトリアキソンの点滴投与など、他の症状と比較すると確実に有効な特効薬といわれる抗生剤が現時点では確定されていません。

各性感染症を治療する治療薬(抗生剤名)は?

性感染症の治療薬

マイコプラズマは細胞壁がなく、β-ラクタム(ペニシリン・セファロスポリン・カラバペネム・モノバクタム)に効果がありません。
M. hominisにはエリスロマイシンとマクロライドに耐性はありますが、クリンダマイシンは感受性が見られます。テトラサイクリンはM. hominisに効果的ですが、ウレアプラズマは約10%程度の耐性が見られることから、これらはエリスロマイシンにも交差耐性が見られます。
キノロン(オフロキサシンとシプロフロキサシン)は、ウレアプラズマ属になり50%以上の耐性が見られます。
M. genitaliumはテトラサイクリンに対して耐性がみられる一方、マクロライドおよびフルオロキノロンの有効性があります。しかし近年、これらの抗生剤の耐性菌の増加がみられます。
M. hominisとUreaplasma は通常テトラサイクリンが効果的ですが、M. genitaliumには効果は期待できません。

M. genitaliumのアジスロマイシンは85〜95%の高い治癒率を出しています。 M.genitalium感染では、第一選択薬はアジスロマイシンを推奨しています。しかし、近年、耐性菌の増加が懸念されています。
治療期間はおよそ7日ですが、広範な感染症の場合は、14日の投与を要します。
妊娠中の女性や幼児の場合、テトラサイクリンの使用は不可です。M. hominisはクリンダマイシン・Ureaplasma はマクロライド(アジスロマイシン)の使用が推奨されます。

M. genitaliumの治療

① アジスロマイシン1000㎎ 単回投与。
・M.hominisの治療
① ミノサイクリン150㎎ 7日間投与。
② 妊娠中などミノサイクリンが服用できない方
ダラシン600㎎ 7日間投与。

Ureaplasma の治療

① ミノサイクリン50mg 7日間投与。
② 妊娠中などミノサイクリンが服用できない方
アジスロマイシン1000㎎ 単回投与。
* さかえクリニックの処方例
ニューキノロンは有効率が高くない傾向で、広い抗菌活性より耐性菌増加につながる恐れがあります。第一選択薬は使用していません。
ミノサイクリンもドキシサイクリンと同じ効果であると考えられます。
1日200mgの投与で、この量ではめまいや腹痛など副作用の危険が生じます。

実際は150mgで十分有効性があります。

記事監修

末武信宏
国立岐阜大学医学部
順天堂大学大学院医学研究科博士課程において学位取得,日本美容外科学会 認定専門医,国際抗老化再生医療学会 認定指導医