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公開日:2019/09/04
最終更新日:2023/03/10

「Gスポット」とは?産婦人科専門医の丹羽咲江医師が徹底解説。

執筆者

丹羽咲江
名古屋市立大学医学部
日本産科婦人科学会産婦人科専門医,日本性科学会 幹事,日本性科学会認定セックスセラピスト

投稿日:2019年9月4日 更新日:

女性の腟内にあるとされる「Gスポット」は誰にでも存在するのか
女性がオーガズムを得られるものとして「Gスポット」の存在が知られているが、実際に感覚的なものではなく科学的にGスポットは証明されているのでしょうか。
結論からお伝えすると、女性の性感帯とされる「Gスポット」は、様々な研修者の研究結果により、その存在を明らかにされつつありますが、現時点においては研究者たちの様々な意見は統一されておらず、いまだ明確な答えは見つかっていません。
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Gスポットの場所は?

直径1~2cmで尿道口より3~5cm 奥の腟前壁に位置し、組織学的には多くの神経血管束や神経節が存在すると言われています。


Gスポットはコインほどの大きさの腟内性感帯で、女性の性感帯の中でも特に強い快楽を感じることができるとされています。
またGスポットは、愛撫などの行為で腟分泌液(愛液)を十分に分泌させ、興奮状態になることでより感度を高めることができ、刺激するだけでは本当の快楽を味わうことはできません。
Gスポット

Gスポットの見つけ方

個人差もありますが、Gスポットは尿道口より3~5cm 奥の腟前壁に位置ほどのお腹側(恥骨の裏側の腟壁)にあります。
まずは指で腟壁を優しく刺激しながら探してみましょう。
パートナーに探してもらう場合は、女性が仰向けになり、リラックスして両膝を立てた状態で男性に指を挿入してもらうといいでしょう。
なお、Gスポットとクリトリスは神経が近くクリトリスへの刺激で感度や性的興奮を高めておくと、Gスポット部分が膨らんで探しやすくなります。
またGスポットは尿道の近くにあるため、尿意もGスポットを探すための指標の一つとなります。
刺激したときに尿意を感じるようでしたら、その周辺にGスポットがある可能性が高まります。
さらに、場所だけではGスポットを見つけられない場合は、感触を頼りに探すこともできます。
Gスポットはザラザラした感触で、性的な刺激を与え続けることでぷっくりと膨らんでくるのが特徴です。
ただし、Gスポットの感触にも個人差があるため、ザラザラした感触ではなくつるつるしたGスポットの場合もあるので注意が必要です。
なお、感触で探す場合は腟内が傷つかないよう爪を短く切っておき、指の腹で刺激するようにしましょう。

Gスポットの語源は発見者の名前

Gスポットという名前は、1950年代にはじめてGスポットの存在を提唱した「エルンスト・グレフェンベルク(Ernst Graefenberg)」の頭文字から取られており、このグレフェンベルクは、ドイツの婦人科医で、当時は女性がオーガニズムを得られる場所として、Gスポットの存在を提唱しましたが、その当時は反対意見なども多く、正確な場所が分からないことや、科学的な根拠がないことからGスポットの存在を否定する意見もありました。

女性の遺体からGスポットとされる場所を摘出

Gスポットの存在を初めて提唱したのグレフェンベルクですが、初めて解剖した人体からGスポットの場所を摘出したとされる人物は、アダム・オストルゼンスキ(Adam Ostrzenski)というフロリダ州セントピーターズバーグの婦人科医で、83歳の女性の遺体から腟内でGスポットとみられる場所と摘出したと発表しました。

女性がオーガズムを得る場所としてGスポットの存在を確認!

この、Gスポットとされる場所は、腟内にある腟前壁から独立した「嚢状の組織」を摘出したもので、このことにより、これまで解明されていなかった「女性がオーガニズムを得る場所」というものへの理解が深まるとされ、注目を浴びました。
当時はアメリカの性医学会誌「ジャーナル・オブ・セクシュアル・メディシン(Journal of Sexual Medicine)」において、
Gスポットの存在を始めて解剖して確認したということで大きな話題を呼び、
当時の編集長であったアーウィン・ゴールドスタイン(Irwin Goldstein)氏も、大きな発見として称賛しました。
この、オストルゼンスキ氏の発表には多くの賛否が生まれ、オストルゼンスキ氏の研究結果について、一人の女性の研究結果に過ぎない・女性の性経験についても明らかになっていない・アダルトグッズの販売業者たちが誇張しているといった声があがり、Gスポットの存在について肯定的な意見だけではありませんでした。
特に、性に関する専門的な研究を行っているデビー・ハーベニック(Debby Herbenick)氏は、この発表に対してとても否定的な意見を述べており、オンライン雑誌「デーリー・ビースト(Daily Beast)」など多くのメディアで否定的な意見を述べています。

Gスポットの存在ついて7つの否定的意見

ハーベニックの意見をいつか取り上げてみると、以下の様な否定的な意見を多く発表しています。
・一人の女性の遺体を解剖したひとつの例でしかない
・対象となった女性の性経験については明らかにされていない
・対象となった女性はGスポットによってオーガズムを得られたのかも不明である
・対象となった女性の快楽を得ていた場所がどこなのかが不明
・対象となった女性と同様の腟構造を持つ女性が世界中に何人いるのかが不明である
・摘出された皮膚組織がGスポットから得られる刺激やオーガズムとどのような関係があるのかが不明である
・摘出した皮膚組織はそもそもGスポットとは明確に証明できない
このような反対意見を多く出したハーベニックは、この研究結果をGスポットの解明という部分において真っ向から否定し、解明にはつながらないと意見しています。
女性の腟内にあるとされる「Gスポット」は誰にでも存在するのか

Gスポットは本当に存在するのか?超音波スキャンでGスポットの研究を実施!

Gスポットの存在を明らかにすべく、様々な研究が行われていますが、
その研究の中でも、イタリアのラキラ大学のEmmanuele Jannini教授による研究方法として注目を集めたのが「超音波スキャン」によるGスポットの研究です。
この研究では、腟でオーガニズムを得られるという女性と、得られないという女性を研究対象としたもので、対象者に対して超音波スキャンを利用してGスポットの存在について研究しており、
研究の結果、Gスポットは解剖学的特徴を備えた場所の存在は肯定しつつも、全ての女性においてGスポットがあるわけではないという結果を報告しています。

全ての女性にGスポットがあるわけではない!という研究結果

これにはオーガニズムが得られる女性9名と、そうではない女性11名を対象にして研究しており、
それぞれの女性の腟内を超音波スキャンによって先述の結果を発表しています。
この研究の内容としては、腟内オーガズムを感じたことがあると答えた9人に対して、
感じたことがないと答えた11人とを比較した場合に、感じたことがあると回答した9人の方が、
Gスポットがあるとされている部分の組織の厚みが厚いことがわかったというものです。
この研究結果から、腟内にGスポットと呼ばれる場所が無い女性が存在し、
その女性は腟内におけるオーガニズムは得られないということを証明したというものです。

2008年にジャーナル・オブ・セクシュアル・メディシン誌がGスポットについて研究内容を掲載

研究内容についても一部の専門家から、超音波スキャンによって発見された場所が、これまで発表されていなかった新たな発見となるのか、それともこれまでにも研究されてきていたクリトリスの発展した部分なのかについて疑問が残ると否定的な意見が出されています。
そして、このGスポットにおいては、人それぞれ感じ方が異なり、
ただ単にその感度が異なるだけではないのかという意見も出ています。
ただ、この研究の中で、Gスポットの存在だけではなく、女性がオーガズムを得られる場所は
Gスポット以外にクリトリスによっても得られるという発表をしており、
Gスポットが無い女性においてもオーガズムを得られることは可能だと発表しています。
また、英科学誌ニュー・サイエンティスト(New Scientist)にもこの内容は掲載されています。

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