腟のゆるみは、骨盤底筋群という腟や肛門周辺の筋肉が加齢とともに弱まるために起こるお悩みです。
また、女性は妊娠すると出産に備えて子宮口とともに腟も伸びやすく柔らかくなり、出産時には赤ちゃんが腟壁を押し広げて出てくるため、産後腟にゆるみが生じてしまいます。
そこで検討したいのが、PRP療法を用いた腟縮小術です。PRP療法は、もともと人間の体の中にある成長因子というタンパク質の一種を用いて行うため、副作用を起こしたり拒絶反応を起こしたりする可能性は低く、安全性が高いと考えられています。
本記事では、PRP療法を使ったO-ショットについてと、Gスポット強化についてもご紹介します。
PRP療法を使ったO-ショットに興味がある方はぜひ参考になさってください。
Contents
O-ショットとは?
O-ショットは、クリトリス・大陰唇・小陰唇・腟粘膜の前壁にPRP(多血小板血漿)を注入するプロセスです。
性行為の満足度アップや腟潤滑剤の不足、ストレス性尿失禁、過活動膀胱、性欲増強に効果を発揮します。
こんな方にオススメ
O-ショットは以下のような方にオススメの治療法です。- 性行時にオーガズムを感じたことがない
- 性行為で快感を覚えたことがない
- 性交時に身体的な不快感がある
- 性行時に痛みを感じる
- 軽度の尿失禁
- 最近性欲が低下している
O-ショットの施術前の準備
施術にあたっては生理中ではないことが条件です。そして、少なくとも2週間は、『イブプロフェン』や『アスピリン』などの『抗炎症薬』、
施術中や施術後に出血が増える可能性がある『ビタミン剤』や『ハーブ系のサプリメント』の服用を制限していただきます。
普段飲んでいるお薬がある方は、医師とよく相談してくださいね。
施術手順
O-ショットはクリトリス周辺と腟口付近にPRPを注入します。事前に血液を採取し多血小板の分離を行い、PRP(多血小板血漿)を生成しておきます。
以下はO-ショットの施術手順です。
- 局所麻酔を施す(場合によっては鎮静剤を使用)
- PRPを希望部位に注入
術後
施術後12時間を経過してから、衛生面を考慮するために患部を綺麗に拭きます。施術後24時間を経過てからは、性交渉が可能です。
1日経過した後は、仕事復帰してOK。ほぼ普段と同じような動作ができるようになります。
手術の効果は1年以上持続します。
術後の注意点
O-ショットの術後の注意点は以下の通りです。- 排尿後、患部を綺麗に保つ
- 性行為は施術後翌日から
- 翌日までは激しい運動を控え、安静にする
O-ショットのリスクと合併症
以下のようなリスクと合併症は散発的に発生しますので、医師とよくご相談のうえ、施術を行ってください。- あざ
- 血腫
- 腫れ
- 痛み
- 感染症
術後気になる症状が出た場合には、早めに施術を受けたクリニックへ相談するようにしましょう。
改善が期待できる効果
改善が期待できる効果は以下のとおりです。1:ストレスによる尿失禁
2:乾燥による性交痛
3:オーガズム能力の低下
4:尿失禁
5:産後の便失禁
6:出産による外相・慢性疼痛
7:慢性膀胱炎
PRP療法とは
Oショットに使うPRP療法は、血液に含まれている「血小板」を高濃度に濃縮し、患部に注入する方法です。
自身の血液による腟の若返りを図る治療法で、血小板の機能を活用した再生医療です。
自分自身の血液を使って作ったPRPを注入するので、とても安全性が高い治療法です。
PRP療法はダメージを受けている箇所の再生を促す効果があります。
このことから、腟とクリトリスの感度が増しSEXも感じやすくなります。
Gショットと違い、1か所からの注入ではなく広範囲から患部に直接(腟・クリトリス)注入することが可能です。
また、PRPの成分の中には、濃縮した血小板・成長因子(グロースファクター)も含まれており組織を若返らせる効果があります。
女性器だけに限らず目の周り・目の下のたるみ・シワ・くま、ほうれい線・唇・口の周り・首のシワや大きなニキビ痕など身体全体に利用することが可能です。
ダウンタイムも短く、女性器治療の場合当日のセックスも可能。日常生活に支障はほとんど出ません。
他の人に治療をしたと気づかれるリスクも最小限で済みます。
近年、VIO脱毛などを行う女性が増えてきました。デリケートゾーンのケアが普通になってくると同時に女性器のたるみや腟のゆるみ、うるおい不足などに気がついてしまった方や、加齢によって性生活の満足度が低下している方もたくさんおられます。
腟のアンチエイジングにはたくさんの方法がありますが、ここではOショットにも用いるPRP療法について、基本的な情報をご紹介します。
自己多血小板血漿を用いた再生治療
PRP(Platelet Rich Plasma)療法は、多血小板血漿療法とも呼ばれ、その名の通り血小板が豊富に含まれた成分を用いて行う治療法で、患者さん自身の血液から抽出した多血小板血漿(PRP)を実施部位に注射する再生医療です。人間が怪我をしたときなどの創傷治癒過程において、血小板が傷口に集まり、止血すると同時に数々の成長因子の放出が促進される性質を利用し、血小板の濃厚液を患部に注入することで自己再生能力を高めてコラーゲンの増生を促します。
日本国内では、もともと形成外科や歯科口腔領域でよく使用されていた治療法です。近年、整形外科領域においても用いられるようになってきました。
ほかの注入薬に比べ、より自然な効果が生まれるため、理想的な再生医療であると注目を集めています。
メリット
以下はPRP療法による腟縮小のメリットです。- 自身の血液を用いるためより安定した治療効果を得られる
- アレルギー反応や感染症の心配がない
- ダウンタイムが短い
- 入院の必要がない
- メスを使用しないため身体への負担が少ない
効果
PRP療法による腟縮小術には以下のような効果があります。- クリトリスや腟の感度がよくなる
- 性交痛が改善する
- 腟にうるおいが出る
- 腟全体が若返る
- ゆるんだ腟に弾力が出る
- 腟周辺にハリが出る
- 女性器の見た目が綺麗になる
- 軽度の尿漏れにも効果がある
費用相場
PRP療法による腟縮小の費用は、一般的に190,000〜390,000円(税別)程度ですが、費用は使用するPRPの量や治療を行う部位によって異なります。また、患者さんの状態によっても違ってくるため、費用が気になる方はPRP療法による腟縮小術を行っているクリニックでカウンセリングを受けてみましょう。
PRP療法を実施できない方
患者さんの体の状態によっては、治療を受けられない場合があります。以下はPRP療法の適応除外項目です。- がんと診断されたことがある
- 現在抗がん剤や生物学的製剤または免疫抑制剤を使用している
- 患部に細菌感染を起こしている
- 心疾患、肺疾患、肝疾患、腎疾患がある
- 血液疾患、出血傾向、血液感染症がある
- コントロールができていない糖尿病または高血圧症
- 薬剤過敏症の既往歴がある
- 血液検査の結果、血小板数に異常がある
- ステロイド剤を服用している
- 1ヶ月以内にPRP療法を受けた
また、採取した血液の状態によっては、治療に必要な成分を抽出できない可能性があり、その場合は再度採血が必要になる場合もあります。
MAGELLANシステム TruPRPの使い方
PRP療法に使用されるMAGELLANシステム TruPRPは、自己血液を遠心分離し多血小板血漿-PRP(Platelete Rich Plasma)を採取するシステムです。全血液採取後の送血・多血小板血漿の遠心分離・濃縮・抽出・回収を全自動で実施します。
無菌閉鎖回路を使用するため、感染リスクを最大限に低減しています。完全自動操作のクローズドシステムであることから、技師による操作ミスの発生リスクがありません。
内蔵された光学センサにより自動的に閉鎖回路内のインターフェイス(細胞間の境界)が検知され、遠心分離を最適化するため、患者様の目的に合わせた血小板血漿の抽出量・濃縮度を選択するだけで、常に一定の濃度での多血小板血漿を抽出できるのです。
特徴
- 3~10mLの範囲で、1mL単位で抽出量を選択することができる。
- 一つの閉鎖回路を使用して、同一患者の全血を3サイクルまで分離が可能。最大180mLの全血を遠心分離できる。
- 一度の遠心分離で30~60mLの全血を遠心分離可能。使用目的に合わせて抽出量を設定できる。
ステップ①
MAGELLANシステムの電源を入れる。カバーを開け、キットより取り出した閉鎖回路(分離チャンバ)をMAGELLANシステムに取り付ける。専用の60mLシリンジにキットに含まれるACD-Aを規定量注入し、患者様の血液を採取する。
60mLシリンジ、及びPRP回収用の空の10mLをMAGELLANシステムに取り付け、各シリンジのチューブを閉鎖回路のチューブと接続し、すべてのカバーを閉じる。
ステップ②
コントロールパネルを操作し、PRP抽出量を設定する。スタートボタンを押し、分離を開始。60mLシリンジに採取した全血液が自動的に分離チャンバへ送液され、分離・濃縮を開始する。
ステップ③
分離チャンバ内で分離・濃縮されたPRP層が形成された後、自動的に残存血液が60mLシリンジに回収される。残存血液回収が完了すると、ステップ②で設定した抽出量のPRPが回収用の10mLシリンジに自動的に回収される。
Gスポット強化とは
Gスポット強化とは、PRPを腟内の粘膜に注入し、腟前壁にあるGスポットを豊かにすることで、より強烈で深いオーガズムを感じられるようにする治療です。Gスポットは、恥骨の下にある腟壁前方上部の大きさ約2インチ程度の小さな領域です。女性にとっては性的興奮を引き起こしやすい部分で、直接刺激を与えると大きくなるといわれています。
一般的には、腟の入り口から2〜3cmくらい奥にいったところで、お腹側に指を軽く曲げたときに指の腹があたるザラザラした部分です。
Gスポット強化の施術では、もともと柔らかくドーム状に膨らんだGスポットをよりふっくらとさせることで、施術後男性器が挿入された際、施術前よりも強いオーガズムを感じやすくなります。
こんな方にオススメ
Gスポット強化は、以下のような方にオススメの治療法です。- Gスポットをみつけられない
- 深い腟内オーガズムを得たことがない
- 性欲が欠如している
- 性交疼痛症などの性的機能障害を持っている
施術手順
Gスポット強化の施術も、O-ショットと同様に生理中は行えません。また、術前2週間はイブプロフェンやアスピリンなどの抗炎症薬やビタミン剤、ハーブ系サプリメントは服用しないようにしましょう。以下はGスポット強化の施術手順です。
- 局所麻酔を施す(場合によっては鎮静剤を使用)
- PRPを腟内の粘膜に注入
術後の注意点
Gスポット強化の術後の注意点は以下の通りです。- 排尿後は腟周辺を清潔にしておく
- 施術の翌日から通常通りの生活が可能
- 施術後1週間経過したら性行為が可能
PRPをひと月に1度のペースで3回注入したあとは、1年以上効果が持続します。
また、Gスポット強化もO-ショットと同じようにあざや出血、血腫、腫れや痛みなどリスクと合併症の可能性があります。何か気になる症状が現れたときは施術を受けたクリニックに連絡するようにしましょう。