Astrid Vollebregt医学博士、Kathelijn Fischer医学博士、Dirk Gietelink医学博士、C. Huub van der Vaart医学博士
性医学ジャーナル、第9巻、第4号、2012年4月、1200-1211ページ、
https://doi.org/10.1111/j.1743-6109.2011.02647.x
発行:2012年4月1日
はじめに
骨盤臓器脱(POP)修復術において、合成メッシュの使用は増加しているだけでなく、議論の対象にもなっている。その焦点は解剖学的転帰から機能的転帰へと移り、性機能は重要なパラメータである。POP手術におけるメッシュの使用に関する懸念の1つは、性機能への悪影響の可能性である。
目的
トロッカーガイデッド経尿道的メッシュを使用した、または使用しなかった一次性膀胱瘤修復術後の女性および男性における性機能を比較評価すること。
方法
症候性膀胱瘤ステージ≧IIの女性125人をこの多施設ランダム化比較試験に組み入れ、ベースライン時と6ヵ月後の追跡時に評価した。
主要評価項目
女性の性機能はFSFI(Female Sexual Function Index)により、男性の性機能はMale Sexual Health Questionnaireにより測定した。参加パートナーがいる女性のサブグループ解析を行った。
結果
メッシュ群では54/59人の女性が参加したのに対し、前方結腸切除術群では53/62人が参加した。男性では29人対30人が参加した。術後、FSFIスコアは両群で同等であった。しかし、群内分析では、疼痛(効果量=0.5)、潤滑感(効果量=0.4)、総合満足度(効果量=0.5)の各領域において、結腸切除術群で有意な改善がみられた。この改善はメッシュ群では観察されなかった。パートナーのいる女性のサブグループでは、他の女性と比較してベースラインの領域得点が有意に高く、治療割り付けにかかわらず性機能の有意な改善は報告されなかった。ベースラインの性機能の悪化は、前方結腸切除術群では18%であったのに対し、メッシュ群では43%の女性が報告した(P = 0.05)。男性の性機能はいずれの群でも変化しなかった。
結論
前方結腸切除術を受けた女性は、臨床的に意義のある有意な性機能の改善を報告しているのに対し、メッシュ法を受けた女性ではそうではなかった。