閉経後女性における腟症状の有病率と影響 (原題:Prevalence and Impact of Vaginal Symptoms Among Postmenopausal Women)
ナネット・サントロ医学博士、ヤンネ・コミ医学博士
Journal of Sexual Medicine誌、第6巻、第8号、2009年8月、2133-2142ページ、
https://doi.org/10.1111/j.1743-6109.2009.01335.x
発行:2009年8月1日
はじめに
外陰萎縮(VVA)は閉経後女性の4分の1から2分の1が報告されている。
目的
更年期ホルモン療法(MHT)を現在受けている女性、過去に受けたことがある女性、受けたことがない女性において、VVA症状に対するホルモン使用の有病率、不便さ、問題点を、性行為とVVA症状との関係とともに評価した。
調査方法
Knowledge Networks社が管理する米国成人約43,000人のパネルに参加している45歳以上の女性3,471人にオンライン調査を行った。回答者は、MHTの使用(現在、過去、未経験)と性行為(性行為あり、性行為なし)で層別化した。最終的な回答者データは、層別化後のプロセスと、性行為別のホルモン使用とVVAに関するカイ二乗分析を受けた。
主要評価項目
全回答者と層別回答者について、各調査質問に対する全回答者に対する回答の比率として算出した割合。
結果
回答者の45%(1,038/2,290人)が閉経後で、現在または過去にVVAを経験していた(年齢範囲45-89歳、平均60.7歳)。過去にMHTを使用したことがある、または使用したことがない人の約60%が腟症状を報告し、90%以上が煩わしいと感じていた。一方、現在MHTを使用している人の82%が、使用前にVVAの症状を訴えていた。回答者全体の85%が、MHTに関連する安全性の問題を認識していた。VVA症状の有病率および自覚される重症度は、性行為のない女性ではかなり高かったが、頻度は低かった。過去または現在使用しているホルモン剤別にMHTの使用状況を分析したところ、経口投与からパッチまたは腟内投与に移行する傾向がみられた。
結論
閉経後女性は高率にVVA症状を有する。MHTを使用する理由は、ほてり、VVA、骨保護、性交困難など複数あり、MHTの使用期間の大半が5年以上であったにもかかわらず、そのほとんどが長期的な安全性に懸念を抱いていた。安全性への懸念と医師からの勧めがないことが、MHTを使用しない、あるいは中止する主な理由であった。