パイロット試験:単純超音波ガイド下高強度集束超音波による直径10cm以上の子宮平滑筋腫切除の安全性と有効性(原題:Pilot study: safety and effectiveness of simple ultrasound-guided high-intensity focused ultrasound ablating uterine leiomyoma with a diameter greater than 10 cm)
British Journal of Radiology, 91巻, 1082号, 2018年2月1日, 20160950,
https://doi.org/10.1259/bjr.20160950
掲載2017年11月21日
目的
本研究の目的は、直径10cmを超える子宮平滑筋腫を単純超音波ガイド下高強度集束超音波治療(USgHIFU)で1回治療できるかどうかを前向きに検討することである。
方法
単純USgHIFU単独治療を受けた直径10cm以上の症候性子宮平滑筋腫患者36例を分析した。HIFU治療前後に強調MRIを施行し、全例で治療後6ヵ月の経過観察を行った。症状重症度スコア、治療時間、治療速度、切除率、エネルギー効果比、子宮平滑筋腫退縮率、有害事象、肝機能、腎機能、凝固機能、ルーチンの血球数を試験エンドポイントに含めた。
結果
子宮平滑筋腫の平均直径は11.2±1.3cm(10.0-14.3cm)であった。治療時間の中央値は104.0分(90.0-140.0分)、治療速度の中央値は118.8cm3 h-1(86.2-247.1cm3h-1)であった。子宮平滑筋腫の切除率は71.9±20.4%(32.1-100.0%)、治療6ヵ月後の子宮平滑筋腫の退縮率は40.8±7.5%(25.6-59.9%)であった。症状の重症度スコアの平均は約8.6±2.3(5~14)点低下した。投与後にアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、総ビリルビンおよび白血球が一過性に上昇した以外は、患者の血液像および血液化学指数に有意な変化は認められなかった。重篤な副作用は認められなかった。
結論
われわれの予備的結果によると、単純USgHIFUは直径10cm以上の子宮平滑筋腫を治療する安全で効果的な単回治療法であり、ほとんど無害な代替治療戦略である。
知識の進歩
結論は、単純USgHIFUが直径10cm以上の子宮平滑筋腫の1回治療として安全かつ有効であることを示しており、それは有望な治療戦略となりうる。