高強度集束超音波と超音波ガイド下吸引掻爬術を併用した帝王切開瘢痕妊娠の治療:異なるHIFU照射戦略の比較(原題:High intensity focused ultrasound combined with ultrasound-guided suction curettage treatment for cesarean scar pregnancy: a comparison of different HIFU sonication strategies)
Yan Yin 1、Feibao Pan 2、Min He 3 4、Cai Zhang 3 4、Yang Liu 1
所属機関
PMID: 35196957 DOI: 10.1080/02656736.2022.2044078
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35196957/
目的
帝王切開瘢痕妊娠(CSP)に対する新しい高強度集束超音波(HIFU)治療戦略を模索し、この新しいHIFU治療戦略の臨床的有効性と安全性を、従来のHIFU治療戦略に続いて超音波ガイド下子宮内容除去術(USg-D&C)を行うCSPの治療と比較する。
材料および方法
2017年1月から2019年12月の間に、中国・徳陽市立病院でHIFUと超音波ガイド下子宮内容除去術(USg-D&C)による治療を受けた子宮筋腫患者91人を対象に、本研究ではレトロスペクティブに検討を行った。HIFUの超音波照射戦略に基づき、患者は2つのグループに分けられた。44人の患者は、妊娠嚢の着床部位の周囲に「C字型」の超音波を層ごとに照射した(対照群)。一方、残りの47人の患者は、妊娠嚢の着床部位の膀胱に近い深部のみに「I字型」の超音波を層ごとに照射した(実験群)。2つのグループ間の臨床効果の差異が分析された。ベースライン特性、HIFU治療の技術パラメータ、USg-D&Cデータが記録された。有害事象も記録された。
結果
年齢、BMI(ボディマス指数)、閉経時期、妊娠嚢の最大径、治療前のβ-hCG血清値、妊娠嚢の厚さ、子宮筋層への埋め込み、過去の帝王切開の有無、前回の帝王切開からの期間(CS)などのベースライン特性において、2つのグループ間に統計的に有意な差は認められなかった。 実験グループの平均治療強度は、対照グループよりも有意に低かった(p < .05)。実験群の超音波照射時間、HIFU による切除に使用された総エネルギー、およびエネルギー効率因子(EEF)は、対照群よりも有意に低かった(p < .05)。 治療出力および治療時間については、両群間に統計的に有意な差は認められなかった(p > .05)。 対照群の坐骨/臀部痛および術後下腹部痛は、実験群よりも有意に強かった(p < .05)。HIFU 後の腟からの出血および排出、尿路刺激、USg-D&C の手術時間、USg-D&C 時の腟からの出血量、および血清 β-hCG が正常値に戻るまでの時間については、両群間に統計的に有意な差は認められなかった(p > .05)。
結論
HIFUによる前立腺癌治療の「I字型」戦略は、超音波照射時間が短く、投入エネルギーが少なく、術後の下腹部や坐骨神経/臀部における超音波照射に関連する痛みの発生率が低いことから、効果的かつ安全である。