脱出手術が腟の感覚に与える影響

脱出手術が腟の感覚に与える影響

投稿日：2025年7月21日

脱出手術が腟の感覚に与える影響（原題：The Effect of Prolapse Surgery on Vaginal Sensibility）
マリエル・ME・レイクマン医学博士、 C. フーブ・ファン・デル・ファールト博士エレン・ラーン博士ジャン・ポール・WR・ルーバーズ博士
性医学ジャーナル、第8巻第4号、2011年4月、1239～1245ページ、https://doi.org/10.1111/j.1743-6109.2010.02175.x
公開日: 2011年4月1日
https://academic.oup.com/jsm/article-abstract/8/4/1239/6844454?redirectedFrom=fulltext

Contents

1 導入
2 目的
3 方法
4 主要評価項目
5 結果
6 結論

導入

脱出手術は性機能に大きな影響を与えることが示されています。脱出手術は心理的要因だけでなく、腟の神経支配などの生理学的条件にも影響を及ぼす可能性があるため、脱出手術が性機能に与える影響をより深く理解するためには、客観的な結果測定が必要です。

目的

腹圧性尿失禁手術の有無にかかわらず脱出手術が腟の知覚に及ぼす影響を評価し、腟壁の知覚と性的幸福感の関係を評価すること。

方法

この研究は、子宮脱ステージ 2 以上の女性を対象に、腟脱および腹部脱手術と失禁手術の有無を比較するランダム化比較試験と並行して実施されました。

主要評価項目

腟壁知覚は、術前および術後6ヶ月に測定した、標準化された4箇所の腟壁電気刺激に対する平均感覚閾値と定義しました。術前と比較して術後の感覚閾値が高い場合、腟壁知覚が低下していることを示します。性機能は、同じ時点で質問票を用いて評価しました。

結果

65人の患者から腟壁の知覚に関するデータを得た。腟手術後、腟壁遠位後壁（P = 0.02）および遠位前壁（P = 0.10）の知覚は、腹腔手術後と比較して低下した。失禁手術を伴う腹部脱手術では、腹部脱手術単独（P = 0.01）と比較して、前腟壁遠位部の知覚が有意に低下した。手術前には、腟の乾燥または無オルガスムスを訴えた女性の腟壁の知覚が低かった。性器痛の存在は、腟壁の知覚の上昇と関連していた。術後の腟壁の知覚は、性的問題のある女性とない女性で同様であった。