Contents
- 1 SEXとは？
- 2 【SEX】11の疑問！性交痛治療の名医【丹羽咲江先生】に聞いてみた
- 3 まとめ
SEXとは？
セックスの目的は2つあります。1つは生殖のため。もう一つはコミュニケーションのためです。行動学者のデズモンド・モリスは、男女が親密になってゆくプロセスとして「親密さの12段階」という１２の項目を提唱しました。具体的に説明すると以下の様になっています。
「目から体」→相手が自分の視界に入る
「目から目」→アイコンタクト
「声から声」→会話
「手から手」→手をつなぐ「腕から肩」→方に腕を回す
「腕から腰」→腕を腰に回す
「口から口」→キス
「手から頭」→頭をなでる
「手から体」→前戯が始まる段階であり、性行為の最初の段階
「口から胸」→前戯
「手から性器」→挿入を伴わないセックス、セックスの代替行為
「性交」→セックス
セックスはこのような段階を経て行うものであり、コミュニケーションの最終段階と言えます。
ですからどちらか片方だけが気持ちが良かったり、痛いのを我慢しなくてはいけないものではあってはいけないのです。セックスをする前に十分な会話があったり、体の触れ合いがあること、セックスについてどんな風にしたらお互いが気持ちよくなれるのかが十分話し合えることが大切なのです。
また性感染症にかかってしまったり、予期しない妊娠をどうやって予防するのかも二人で事前に十分に話し合う必要があります。これらができてこそ素晴らしいセックスができると考えます。
【SEX】11の疑問！性交痛治療の名医【丹羽咲江先生】に聞いてみた
Q：潮吹きはオーガズムの証拠？
A：潮吹きはオーガズムの証拠だと捉えて間違いありません。しかし全員が潮を吹くわけではありません。
色も匂いもない水のように透明の液体潮は腟ではなく尿道から出ていると言われています。男性の前立腺に相当するスキーン腺という分泌腺があり、そこで生成されるという研究結果が海外で発表されています。そこでは、スキーン腺にたまった潮が尿道から放出されることがわかりました。
もしセックスの最中に女性が潮を吹いたら、その方はオーガズムに達しています。しかし、潮を吹く女性はごく少数です。多くの女性は潮を吹かずともオーガズムに至っています。
Q：たくさん感じればそのぶん濡れるの？
A：愛液の量は快感よりも体調に左右されます。
体調が悪い、または疲れているなどといった原因で愛液の量が減ることがあります。風邪なども愛液量が減る理由の一つです。すなわち気持ち良さだけではなく、心身のコンディションが良いと愛液の分泌量はより増加します
Q：閉経したら感じなくなる？
A：感度は変わりません。しかし痛みを感じやすくなってセックスが怖くなる人はいます。
私のクリニックには「セックスが痛くて苦痛なのに、妻だから応じなくてはいけない」と泣きながら来院される年配の女性もいます。閉経した女性の腟は萎縮して粘膜が薄くなるので、少しの刺激でも痛みを感じるようになります。
しかし感度が変わるわけではありません。ローションをはじめとした潤滑油を使用したり挿入時の体位を工夫したりすれば痛みを減らせ、さらに膣内に傷が付くことの防止にもつながります。
なお、女性ホルモンを補充する治療をすると、腟や外陰の萎縮が改善され、膣内の潤いが回復します。
Q：クリトリスが大きい人ほど感じやすい？
A：包皮から露出しやすくなるためその傾向はあります。
ペニスの勃起と同じように、女性が興奮するとクリトリスのサイズが大きくなります。包皮から露出する面積が大きくなるため、クリトリスが大きい人のほうが感じやすい傾向はあります。
3mm~7mmまで、通常時のクリトリスサイズには個人差があります。なおクリトリスは非常に敏感な部位です。むやみに触ると痛く感じてしまう人もいらっしゃいますので、愛撫は優しく行ってください。
Q：巨乳の女性は性欲が強い？
A：性欲を増進させるエストロゲンは乳腺を発達させます。
性欲を増進させるエストロゲンには乳房を発達させる働きがあるため、胸が大きい人ほど性欲が強い傾向があります。とはいえ例外の女性もいらっしゃいます。胸が大きい女性は全員性欲が強いという認識は誤りです。
Q：生理前は一番セックスしたくなる時期？
A：性欲が一番高まるのは生理開始から14日後の排卵日です。
本や雑誌の影響でしょう、「女は生理前にセックスをしたくなる」と信じ込んでいる男性は少なくありません。しかし実際のところ生理前は性欲を減退させる黄体ホルモンが分泌されるため性欲も弱いです。
生理が30日周期である人の場合、生理が始まった日から14日目ごろに排卵が起こり、その直前にエストロゲンという性欲を増進するホルモンが多く排出されるため、結果として排卵日の時期には性欲が強くなります。
そもそもセックスは子を成すために行うものであるため、妊娠しやすい時期に性欲が強くなるのは当然の生理現象といえるでしょう。
Q：お風呂に入って腟に水が入ることはある？
A：出産などで骨盤底筋がゆるんでいる人は入りやすいです。
「お風呂あがりにバスタオルで体を拭いているときに腟から水が出た」「パンツを履いた後に水が出てきてビショビショになってしまった」
という経験をしたことがある女性は多くいらっしゃいます。腟は骨盤底筋という筋肉に支えられています。
そのため、この筋肉がゆるむと膣の入り口が開きやすくなります。特に出産すると骨盤底筋が弱くなり水が入りやすくなります。気になる人は骨盤底筋を鍛える「腟トレ」を行うと良いでしょう。
Q：セックスをしすぎると小陰唇が黒くなる？
A：セックスよりも歩くときにこすれることが原因です。
小陰唇はメラニン色素が濃いため黒ずんでおり、刺激を受けるとさらに色素が沈着します。セックスでの刺激は時間も頻度も少ないため影響はあまりありません。
一方、歩くときにこすれることのほうが黒ずみの原因となりがちです。ちなみに陰唇が大きい方は擦れる面積も多くなるため、小さい方より黒くなりやすいです。
Q：「カズノコ天井」や「ミミズ千匹」は存在する？
A：そのような方もいらっしゃいます。しかし出産でなくなることも珍しくありません。
これまでに4万人くらいの患者さんを診察し、その中には俗に「カズノコ天井」「ミミズ千匹」などと呼ばれる、腟壁のヒダが細かくて突起がはっきりしている方も確かにいらっしゃいました。
しかし出産を経験すると腟壁のヒダが伸び、多くの場合はツルンとした状態になってしまいます。しかしまれに「本当に出産したの？」と思うほどにひだを維持している人もいらっしゃいます。
Q：処女膜はセックスするとなくなる？
A：一生残っています。さらに自己再生する人もいらっしゃいます。
処女膜とは腟口の周りにある膜のことです。男性器が貫通するときにこの膜の一部に亀裂が入って出血しますが、決して取れてなくなるわけではなく、一部は膣壁に残り続けます。
中には初体験から数年間セックスをしなかったため、怪我が治るように処女膜の亀裂部分が修復される方もいらっしゃいます。
Q：女子は浮気をすると腟の形の変化で男にばれる？
A：そのようなことはあり得ません。
女性の腟は出産にも耐えられるよう柔軟にできており、胎児が出た後も1ヶ月ほどで元の形に戻ります。男性器が挿入された程度で腟の形が変わってしまうということはあり得ません。
まとめ
「性の誤解」は都市伝説のようさまざまなものが出回っています。間違った情報に振り回されることなく、パートナーとともにセックスを楽しんでください。
