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公開日:2021/01/29
最終更新日:2021/05/26

10人に1人は感染。女性の半数はすでに感染のHPV!子宮頸がんの原因にもなるHPVの撃退法とは。

投稿日:2021年1月29日 更新日:

子宮頸がんってどんな病気?

子宮頸がんってどんな病気?
子宮頸がんは年間約11000人が罹患し、さらに約2800人が亡くなっています。特に若い20代~40代の女性に多い恐ろしい病気です。
子宮頸がんの原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスが主にセックスなどの性行為で感染することによります。
HPVに感染しても90%のウイルスは自然に排出されますが、排出されず細胞内で感染し続けると細胞の形が変化していきます。
初期の子宮頸がんは症状が出にくいため、「子宮頸がん検診」で早期発見をすることができます。
子宮がん検診は痛みもほとんどありませんし、短時間で済みますのでぜひ受けていただきたいです。
ただし、残念ながら日本での子宮がん検診の受診率は世界でも低いと言わざるを得ない状況です。
子宮頸がん検診をきちんと受けて、早期で発見できれば円錐切除という方法で治療を受けることができ、子宮も残すことができます。
がん検診をうけず、不正出血が起こってから診断を受けると進行した子宮頸がんに進行してしまっていることがあります。
その場合は手術は子宮全摘になります。その結果、妊娠ができなくなったり、排尿障害や浮腫・ホルモン欠落症状・下肢のリンパなど、日常生活のクオリティにも影響してきます。
HPVは決して珍しいものではなくごくありふれたウイルスです。
ですから、性交経験のある女性は誰でも子宮頸がんを発症する危険性があるのです。
子宮頸がんを予防できる方法は、セックスをしないことや性行為時にコンドームを着用すること以外にHPVワクチンを事前に接種する方法があります。
発がん性HPVには何種類も方があるのですが、その中でもHPV16型、HPV18型は特にリスクが高いと言われています。しかし、これもHPVワクチンによって防ぐことができます。
これらワクチンはHPVの感染を予防するものであり、HPVに感染した細胞からHPVを排除する効果はありません。
ですから、初めての性交渉を経験する前に接種することが最も効果的です。ちなみにHPVワクチンには2、4,9価の3種類があります。事前に問い合わせをしてください。

検査方法

HPVの検査方法
HPVの検査方法について解説します。

ハイリスクHPV一括検査(インベーダー法)

ハイリスクHPV一括検査は、検査結果は約1週間ほどで、コストがやや安い検査法です。
対象がハイリスクHPVのみとなっており、16・18・31・33・35・39・45・51・52・56・58・59・67・68 型のハイリスク型HPV14種類を検出することができます。
型別判定は不可能です。結果は陽性か陰性のどちらかとなります。偽陰性、疑陽性が少ない検査です。
ヒトパピローマウィルス(HPV)の 存在しない子宮には、子宮頸がんは起こらないと言われています。

HPVタイピング検査(ジェノタイピング)

HPVタイピング検査は、タイプ判定が可能な検査法です。検査結果は2週間程度と長くコストも高いです。
対象はハイリスクのみとなっており、16・18・31・33・35・39・45・51・52・56・58・59・68型のハイリスク型HPV13種類を検出同定可能です。

細胞診検査

細胞診検査は、異型(悪性)の細胞がないかを確認する検査です。
感染が見つかっても、必ず症状を発症するわけではありません。
また、発症したとしても、視診で症状が確認できるまでに3週間~8ヶ月もの長い期間を要するので、感染機会を特定するのは難しくなります。
細胞診とHPV検査を併用すると、病変の発見率がほぼ100%になり、将来子宮頸がんになるリスクが分かります。
HPVは多種類存在しますが、その中で子宮頸がんを惹き起こすのは、ごく一部のタイプのみです。
しかも、その数種類の危険なHPVに感染した場合でも、大半の方は子宮頸がん発症まで行くことはありません。
ごく少数の方が、先ず "異形成" という前がん状態になります。
異形成には、軽度、中等度、高度の3段階があり、この段階で発見し処置してしまえば、子宮頸がんには至らず、簡単に治療可能です。

まとめ

ワクチンによる予防
子宮頸がんの原因であるHPVウィルスを完全に撃退する方法は現在のところありません。
しかし、ワクチンによって予防することもできますし、性行為によって感染することがわかっていますので、不用意なセックスをしない、性行為時には必ずコンドームを着用すること、これらの予防方法に尽きると思います。
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