セックスセラピーには、申込からインテイク(受付申込)を行い、診療から性的訓練に進んで終結といった流れになります。ここでは、申込からインテイクまでの具体的な流れを解説していきます。
申し込みの段階で診察の内容を具体的に聞かれることも多くありますが、インテイクのカウンセリングによって訓練方法が変わるため説明できないことを理解してもらう必要があります。
まずは現在の性的問題に関してどういった事が起きてしまっているのか、または起きずに困っているのかを確認しましょう。男性、女性それぞれに以下の項目を確認する必要があります。
男性
・性交の頻度、性交の相手、勃起や挿入、ピストン運動で快感を得られているかどうか
・早朝勃起の有無と頻度
・夢精の有無と頻度
・マスターベーションの有無と頻度と快感を得られているかどうか、方法
・パートナーはいるかどうか、関係性や問題解決に協力的かどうか
・パートナーとの性交以外の性的関わり
・寝室の状況
女性
・性交の頻度、感情の高まり具合、潤滑駅の出具合、オルガズムの有無
・マスターベーションの有無、方法、頻度、オルガズムの有無
・パートナーはいるかどうか、関係性や問題解決に協力的かどうか
・パートナーとの性交以外の性的関わり
・寝室の状況
次に確認すべきなのが、性歴です。性歴とは、患者の性に関する歴史のことを指します。具体的には以下の項目を確認します。
性歴
・家庭の性に関する雰囲気
・マスターベーションを始めた年齢、方法、オルガズムの有無
・初回の性体験の年齢、相手との関係性、当時の状況や感情
・その後の性体験について
男性はこれに加えて、精通の年齢、精通は夢精なのかマスターベーションなのか。女性の場合は初潮の年齢、当時の感情、誰に教わったのか、周期、出産の回数、流産の回数の項目を確認する必要があります。
また、これに加えて、男女共通で以下の項目を確認しておく必要があります。
・家族構成
・養育上の特徴
・父の性格
・母の性格
・本人の性格
・父母の結婚をどう思うか
・信じている宗教
・精神科的遺伝歴
・パートナーとの関係
・付き合いだしてからの経過
・パートナーの気に入っている面
・パートナーの気に入らない面
・関係の現状
・子どもをどの程度欲しいと思っているのか
・来所の目的は、性的な面の改善と妊娠のどちらを重視しているのか
・子どもを希望する背景は?
・生殖補助医療に関する考え方と受け入れ程度
・誰の勧めで来所したのか
・来所に際して、パートナー間でどのようなことがあったか
以上の項目を確認できる用紙を作っておくと、インテイクはスムーズに進みます。これらの項目は早ければ30分程度で聞きながら整理ができますが、中には1回のインテイクで終わらない場合もあります。
患者がある箇所に関して熱心に話をしたり、話を進めてもある項目に話が戻ってしまうこともあるためです。その場合は無理に1回のインテイクで全てを聞き出そうとせずに、複数回に分けて患者の不安や気持ちを吐き出してもらいましょう。
患者からの質問は歓迎すべきではあるものの、「治るのか治らないのか」「いつまでに治るのか」といった質問に関しては特に注意が必要です。これは、患者が離婚をする上で自分に有利になるような言質を取るために聞いている場合があるためです。
治るかどうかの質問に関しては、「身体に問題がなければ治る」と答えるのが妥当ですが、いつぐらいに治るかといった質問は、個人差が大きいもので、相手の事情がわかったところで答えられるものではありません。数回のセラピーで治ることもあれば、数年かかるケースもあると答えるのが妥当でしょう。ただ、離婚を考えているケースが背景にあるのだとすれば、治るまでの期間は遠ざかります。
その後に診察の仕方、診療も含めた段取りと来所の頻度を決めたらインテイクは終了します。問題は、解決する必要のあるものが複数合った場合にどこから取り組むかです。
例えば、勃起障害と早漏を同時に抱えている場合や、男性が勃起障害で、女性が挿入障害などのケースです。こういった場合は一度にまとめて解決するのではなく、早く解決できるものから順に取り組むのが良いでしょう。
問題が1つ解決できると患者も安心しやすく、次の問題もスムーズに解決できる可能性が高くなるからです。
そのため、性生活で何がどう上手くいかないのか、それはなぜか、具体的にどういった時にどんなことが起こるのかを患者自身の言葉で語ってもらう必要があります。
セラピストは説明が不十分にならないように丁寧に確認をして、患者の理解度をきちんと把握する必要があります。
そのような場合に、どちらかの肩を持つような姿勢では患者の仲たがいの原因にもなりえます。常に客観的に物事を把握して、パートナーの気持ちに気付かせる姿勢を意識するのが
大切です。
患者が安心できるよう、秘密の保持を徹底する必要があります。
この場合は、まず本人に来所してもらうよう説得が必要になりますが、来所が困難な場合は、2つの選択肢しかありません。1つは、来所をしない限りセラピーはできないので断ること。もう1つは、本人を来所させる方法を考えるセラピーを行う方法です。
後者はセックスセラピーではないものの、性的障害を抱えたパートナーとしての悩みをカウンセリングするといった方向性で継続することもできます。ただ本人が来所しない問題はよくあるケースなので、よく考えてどちらかの選択をしましょう。
ただ、中には性に関しての悩みが解決できず、恋愛に踏み出せない人もいます。カウンセリングや性に対する否定的な感情を除去して、自分で性的快感が得られるようになれば、性に関して前向きでパートナー作りが進むこともあります。
パートナーがいない場合の患者に対して、どういった対応ができるかどうかはセラピスト次第となります。
最低でも1回は来所してもらうよう要請する方が治療が上手くいきやすくなります。
例えば、糖尿病イコール勃起障害と考えがちですが、軽度の糖尿病で勃起障害に問題がない場合も考えられます。
ただ、精神科的疾患がある場合は注意が必要です。不注意な精神内科への浸食は患者への負担が大きくなります。
セラピーを断る場合は理由を明確に伝えて、可能であれば他のセラピストを紹介しましょう。紹介できない場合でも解決するための方向性だけでも示せると良いでしょう。
Contents
申し込み
申し込みの段階で注意しなければいけないのは、患者の求めるものとセラピストが艇庫湯できることが大きく食い違っていないかを確認することです。患者は、セラピストが医師であることを期待している場合があります。特にこの場合は医師でないことを理解した上でセラピーを受けてもらうか、医師を紹介する必要が出てきます。申し込みの段階で診察の内容を具体的に聞かれることも多くありますが、インテイクのカウンセリングによって訓練方法が変わるため説明できないことを理解してもらう必要があります。
インテイク(受付申込)
インテイクの目的は、患者の問題を整理して、提供できる治療法を検討し、解決の方向性を決めることです。方向性を決めるためには、必要な情報を十分に集める必要があります。まずは現在の性的問題に関してどういった事が起きてしまっているのか、または起きずに困っているのかを確認しましょう。男性、女性それぞれに以下の項目を確認する必要があります。
男性
・性交の頻度、性交の相手、勃起や挿入、ピストン運動で快感を得られているかどうか
・早朝勃起の有無と頻度
・夢精の有無と頻度
・マスターベーションの有無と頻度と快感を得られているかどうか、方法
・パートナーはいるかどうか、関係性や問題解決に協力的かどうか
・パートナーとの性交以外の性的関わり
・寝室の状況
女性
・性交の頻度、感情の高まり具合、潤滑駅の出具合、オルガズムの有無
・マスターベーションの有無、方法、頻度、オルガズムの有無
・パートナーはいるかどうか、関係性や問題解決に協力的かどうか
・パートナーとの性交以外の性的関わり
・寝室の状況
次に確認すべきなのが、性歴です。性歴とは、患者の性に関する歴史のことを指します。具体的には以下の項目を確認します。
性歴
・家庭の性に関する雰囲気
・マスターベーションを始めた年齢、方法、オルガズムの有無
・初回の性体験の年齢、相手との関係性、当時の状況や感情
・その後の性体験について
男性はこれに加えて、精通の年齢、精通は夢精なのかマスターベーションなのか。女性の場合は初潮の年齢、当時の感情、誰に教わったのか、周期、出産の回数、流産の回数の項目を確認する必要があります。
また、これに加えて、男女共通で以下の項目を確認しておく必要があります。
・家族構成
・養育上の特徴
・父の性格
・母の性格
・本人の性格
・父母の結婚をどう思うか
・信じている宗教
・精神科的遺伝歴
・パートナーとの関係
・付き合いだしてからの経過
・パートナーの気に入っている面
・パートナーの気に入らない面
・関係の現状
・子どもをどの程度欲しいと思っているのか
・来所の目的は、性的な面の改善と妊娠のどちらを重視しているのか
・子どもを希望する背景は?
・生殖補助医療に関する考え方と受け入れ程度
・誰の勧めで来所したのか
・来所に際して、パートナー間でどのようなことがあったか
以上の項目を確認できる用紙を作っておくと、インテイクはスムーズに進みます。これらの項目は早ければ30分程度で聞きながら整理ができますが、中には1回のインテイクで終わらない場合もあります。
患者がある箇所に関して熱心に話をしたり、話を進めてもある項目に話が戻ってしまうこともあるためです。その場合は無理に1回のインテイクで全てを聞き出そうとせずに、複数回に分けて患者の不安や気持ちを吐き出してもらいましょう。
患者からの質問は歓迎すべきではあるものの、「治るのか治らないのか」「いつまでに治るのか」といった質問に関しては特に注意が必要です。これは、患者が離婚をする上で自分に有利になるような言質を取るために聞いている場合があるためです。
治るかどうかの質問に関しては、「身体に問題がなければ治る」と答えるのが妥当ですが、いつぐらいに治るかといった質問は、個人差が大きいもので、相手の事情がわかったところで答えられるものではありません。数回のセラピーで治ることもあれば、数年かかるケースもあると答えるのが妥当でしょう。ただ、離婚を考えているケースが背景にあるのだとすれば、治るまでの期間は遠ざかります。
インテイクの後に方針を立てる
患者から情報を収集できたら、どこからどうやって手をつけるか方針を立てます。またここでは、身体的なチェックが必要であるかが最初の問題となります。基本的には本人が強く嫌がらない限り身体的チェックは早い段階で行う必要があります。その後に診察の仕方、診療も含めた段取りと来所の頻度を決めたらインテイクは終了します。問題は、解決する必要のあるものが複数合った場合にどこから取り組むかです。
例えば、勃起障害と早漏を同時に抱えている場合や、男性が勃起障害で、女性が挿入障害などのケースです。こういった場合は一度にまとめて解決するのではなく、早く解決できるものから順に取り組むのが良いでしょう。
問題が1つ解決できると患者も安心しやすく、次の問題もスムーズに解決できる可能性が高くなるからです。
インテイクで特に意識すべきこと
自分の言葉で語ってもらう
性に関する問題を患者はあやふやな言葉で語りがちです。ただ、これは普通の反応で、冷静で客観的に性生活の問題点を語れる人はいません。そのため、性生活で何がどう上手くいかないのか、それはなぜか、具体的にどういった時にどんなことが起こるのかを患者自身の言葉で語ってもらう必要があります。
わかったつもりにならず、都度確認する
セラピストは知識がある分、患者の話の端を捉えて分かった気になり、専門家の枠組みで答えを示しがちです。しかし実際には、患者の抱く疑問に正確に答えられているとは限りません。セラピストは説明が不十分にならないように丁寧に確認をして、患者の理解度をきちんと把握する必要があります。
中立を守る
患者はカップルや夫婦で来所するのが一般的ですが、必ずしも仲が良いとは限りません。中には離婚を決意している場合もあれば、インテイクによって話をする内に怒りが湧き出て恨みを語りだすケースもあります。そのような場合に、どちらかの肩を持つような姿勢では患者の仲たがいの原因にもなりえます。常に客観的に物事を把握して、パートナーの気持ちに気付かせる姿勢を意識するのが
大切です。
秘密の保持
患者は自分に性的な秘密が漏れることを特に警戒していることがほとんどです。また、秘密が第三者に漏れるのはもちろん、パートナー間に漏れるのも警戒しています。患者が安心できるよう、秘密の保持を徹底する必要があります。
インテイク時に起こりやすい問題
本人が来ない
セックスセラピーには、問題を抱えている本人が来ないケースが見られます。例えば、勃起障害を持っている夫の妻や親が来所するケースです。この場合は、まず本人に来所してもらうよう説得が必要になりますが、来所が困難な場合は、2つの選択肢しかありません。1つは、来所をしない限りセラピーはできないので断ること。もう1つは、本人を来所させる方法を考えるセラピーを行う方法です。
後者はセックスセラピーではないものの、性的障害を抱えたパートナーとしての悩みをカウンセリングするといった方向性で継続することもできます。ただ本人が来所しない問題はよくあるケースなので、よく考えてどちらかの選択をしましょう。
パートナーがいない
本来セックスのセラピーはカップルの単位で行うものが一般的です。パートナーがいなければ性交の練習が出来ないからです。ただ、中には性に関しての悩みが解決できず、恋愛に踏み出せない人もいます。カウンセリングや性に対する否定的な感情を除去して、自分で性的快感が得られるようになれば、性に関して前向きでパートナー作りが進むこともあります。
パートナーがいない場合の患者に対して、どういった対応ができるかどうかはセラピスト次第となります。
本人しか来ない
例えば夫が勃起障害や性的な悩みを抱えて来所をして、妻が来所を拒否しているケースがあります。この場合は単独で治療を始めることも可能ですが、基本的にはパートナーの協力が不可欠と考えられます。最低でも1回は来所してもらうよう要請する方が治療が上手くいきやすくなります。
他の疾患がある
性機能に影響を及ぼす他の疾患がある場合は、専門医に検査を依頼することになります。その場合は専門医と連絡をとって病気の進行具合と性障害を確認する作業が必要になります。例えば、糖尿病イコール勃起障害と考えがちですが、軽度の糖尿病で勃起障害に問題がない場合も考えられます。
ただ、精神科的疾患がある場合は注意が必要です。不注意な精神内科への浸食は患者への負担が大きくなります。
自分がセラピーしない
患者が他の疾患が重い場合や、自分の守備範囲から大きく外れていた場合、地理的な問題から継続して通えない場合はセラピーを断ることになります。セラピーを断る場合は理由を明確に伝えて、可能であれば他のセラピストを紹介しましょう。紹介できない場合でも解決するための方向性だけでも示せると良いでしょう。