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公開日:2023/11/24
最終更新日:2023/11/24

性器・骨盤痛および挿入障害のある女性と健常対照群との腟挿入認知およびメタ認知の比較

投稿日:

性器・骨盤痛および挿入障害のある女性と健常対照群との腟挿入認知およびメタ認知の比較
ギュルゼン・テクシン・ウナル医学博士、エズゲ・シャフメリコグル・オヌール医学博士、エヴリム・エルテン医学博士
The Journal of Sexual Medicine, 第17巻, 第5号, 2020年5月, 964-974ページ, https://doi.org/10.1016/j.jsxm.2020.01.015
掲載:2020年2月22日 記事履歴

背景

性交痛・挿入障害(GPPPD)における腟挿入認知およびメタ認知信念の調査は、性障害の基礎的メカニズムを理解する上で重要であると考えられる。

目的

本研究の目的は、健常対照者とGPPPD女性の腟挿入認知およびメタ認知を比較することである。

方法

GPPPD外来患者(n=135)および健常対照者(n=136)を対象に、社会人口統計データフォーム、精神障害の診断と統計マニュアルのための構造化臨床面接IV(SCID-I)、SCID非患者版、Golombok-Rust Inventory of Sexual Satisfaction Female Form(GRISS)、腟挿入認知質問票、メタ認知質問票(MQ)、ハミルトン不安評価尺度(HAM-A)、SCIDおよびハミルトン抑うつ評価尺度(HAM-D)を用いて評価を行った。

結果

メタ認知と腟挿入認知の関係を検出し、メタ認知についてGPPPD患者と健常対照者を比較した。

結果

MQ総スコアおよびGPPPDの心配に対する肯定的信念以外のすべてのMQ下位次元スコアは、対照群よりもGPPPD群で有意に高いことが判明した。腟内挿入認知質問票(Vaginal Penetration Cognition Questionnaire)サブディメンション得点は、挿入に対する肯定的認知得点を除くすべての得点が、GPPPD患者で対照群より有意に高かった。GRISSの性欲の総得点および頻度、パートナー間の性的コミュニケーション、性欲の回避、非性欲、腟痙攣、満足感、アノルガスムスの下位項目得点は、GPPPD群で有意に高かった。認知的自意識、思考をコントロールする必要性、HAM-D値は、GPPPD患者と対照群との鑑別に独立した有意な効果を示した。

臨床的意義

本研究の結果は、GPPPD女性の治療においてメタ認知に取り組む上で重要であろう。

長所と限界

長所は、大標本の症例群と対照群、臨床面接と尺度評価の両方を用いた対照群との比較、臨床面接と検証された2つの尺度を用いたGPPPDの診断、うつ病や不安障害の患者の除外、合併障害の影響を受けないメタ認知の評価である。本研究の横断的性質と、治療希望群のみで行われたこと、対照群として病院勤務者の親族を採用したことは、本研究の限界であった。

結論

GPPPD治療の行動的要素に加えて、治療過程において特にメタ認知を重視することは、治療にプラスの効果をもたらす可能性がある。
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