多嚢胞性卵巣症候群に関連した不妊症治療のための腹腔鏡下手術(原題:Laparoscopic procedures for treatment of infertility related to polycystic ovarian syndrome)
ヒト生殖アップデート、第2巻、第4号、1996年7月1日、337-344ページ、
https://doi.org/10.1093/humupd/2.4.337
発行日1996年7月1日
要旨
1980年代から90年代にかけて、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の治療における腹腔鏡技術の使用にはさまざまなアプローチがあった。生検、焼灼、多電子凝固、レーザー手術などを用いても、おおむね同様の結果が得られている;すなわち、50%以上の排卵と50%の平均妊娠率である。これらの臨床研究では統一性がなく、診断基準にもばらつきがあるため、データの評価は複雑である。いずれの研究においても、治療に依存しない対照群は含まれていない。腹腔鏡検査後の内分泌変化は多くの研究で確認されているが、これらの治療の作用機序は謎のままである。結論として、腹腔鏡下手術は外科的楔状切除術に比べ、費用が節約でき、術後の癒着のリスクが低いという利点がある。クロミフェン抵抗性の患者に対しては、腹腔鏡下手術はゴナドトロフィン療法と比較して、連続反復排卵イベント、卵巣過剰刺激や多胎妊娠のリスク増加なし、自然流産の発生率の低さなど多くの利点があるが、これらの手技は、クロミフェンクエン酸塩が依然として第一選択治療法であるPCOSの無排卵患者に対する第一選択治療法として考慮されてはならない。