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公開日:2021/03/26
最終更新日:2021/05/18

淋菌感染症

投稿日:2021年3月26日 更新日:

淋菌感染症

 

 

性 病
潜伏期間
自費検査料金例(税込)
淋菌感染症 2~7日 ・神田西口クリニック…6,980円

・新宿クリニック…3,670円

・プライベートケアクリニック東京…7,000

・福岡クリニック…3,670円

※性感染症の診療は保険が適用になる可能性がございます。詳しくは医院へご相談下さい。

淋菌感染症について

淋菌感染症は、淋菌の感染によって発症する性感染症です。性感染症としてはクラミジアに次ぐ感染者数が報告されており、性感染症の中でも代表格のひとつといっていいでしょう。症状は自覚することができない場合もあるため、気付かずに他人に感染させてしまっているというケースも多く、20代を中心に感染が広がっている疾患です。

淋菌は、患者の粘膜から離れると数時間で感染性を失い、乾燥や温度の変化、日光、消毒剤などでも簡単に死滅してしまう弱い菌です。限られた環境でしか生存できない分、宿主である人のライフスタイルに合わせて感染する部位を増やしたり、治療薬に耐性を持ったりして生き延び、感染を拡大させています。

淋菌が存在するのは咽頭や直腸、膿の中、尿、陰部の分泌物などで、粘膜同士の接触、分泌物の接触などで感染するため、性行為による感染が主になっています。性行為の中でも特に、オーラルセックスによる感染例が多く報告されています。また、コンドームを着用しない場合は、1回の性行為での感染率が約3割にものぼります。

いったん感染すると症状が出るまでには2日から7日程度かかりますが、咽頭や直腸に感染した場合は自覚症状のないケースが多く、感染者が増える原因になっています。さらに、淋菌感染症に一度感染したからといって、再度感染しないわけではありません。淋菌の感染リスクを軽減するために重要なのは、コンドームを着用することです。情報過多の現代では、自分で症状を調べることもできるため、症状がないから大丈夫と安心してしまい、クリニックに足を運んでいないというケースもあります。

また、淋菌感染症の症状は男性と女性では異なり、男性にははっきりとした症状が出ますが、女性は症状に気付きにくく、パートナーが感染していることで初めて気が付いたり、症状が進行して淋菌感染症に感染していることに気付くというケースもあります。

最近の疫学的研究からわかったことは、淋菌に感染していることでHIVに感染しやすくなるという事実です。そのため、淋菌感染症はしっかり治療することが必要な疾患であると言えます。

そんな淋菌感染症について、感染経路や症状、治療方法をご紹介します。

感染経路

淋菌感染症は通常のセックス以外にも、以下のような性行為によって感染します。

  • オーラルセックスによる感染
  • キスによる感染
  • 性器に触れた手が原因の感染

口の中の粘膜に体液が触れることで、淋菌に感染してしまう可能性があります。また、口腔内のウイルスや細菌が相手の性器に移ってしまいます

キスは軽いものであれば感染する可能性は低いですが、ディープキスは唾液を介すことで感染するリスクは高まります。

さらに、性病に感染した人の体液を触ることで、体液が付いた手で自分の性器や口に触れると淋菌を体内に侵入させてしまう恐れがあります。

一般的に性感染症は、衣類やタオルの共用、トイレ、温泉や銭湯、サウナなどでも感染する恐れがありますが、淋菌は患者の粘膜から離れると数時間で感染性を失い、日光や乾燥、温度の変化で簡単に死滅するため、直接の性行為以外で感染する可能性は低いと言えます。

淋菌感染症の症状

淋菌感染症は、男女間で症状がまったく異なります。

・男性の場合

淋菌感染症に罹ると、男性には以下のような症状が出ます。

  • 排尿時の痛み
  • 尿道口から膿が出る
  • 尿道に痛み、かゆみ、違和感を感じる
  • 睾丸が腫れる

感染するのは主に尿道や精巣上体で、尿道に感染した場合は、2日から9日の潜伏期ののち、濃い黄白色の膿が出るようになります。分泌物は黄色い膿性のもので、量も多く下着へ付着したりするほどです。しかし、最近では無症状の男性も多く、典型的な症状が現れないというケースも報告されています。さらに、尿道のかゆみや熱っぽさ、排尿の際の激しい痛みを感じることがあり、症状が激しい場合はペニス全体が腫れ上がったり、歩けなくなるほどの痛みをともなったりします。

しかし最近では、男性でも、典型的な症状ばかりが見られるわけではありません。分泌物が粘液性のものになったり、症状がないまま経過するといったケースも報告されています。

ただし、治療しないまま放置してしまうと症状が悪化し、尿道狭窄症や精巣上体炎につながる可能性があります。さらに、男性不妊症の原因になることがありますので、ご注意ください。

・女性の場合

淋菌感染症に罹ると、女性には以下のような症状が出ます。

  • 排尿時の強い痛み
  • おりものが増える
  • 下腹部の痛み
  • 約8割が無症状

感染するのは主に子宮頸管や膀胱、尿道で、おりものが増えたり緑黄色になる、不正出血がある、外陰部に軽いかゆみや腫れがあるといった症状が見られますが、男性よりも症状が軽いのが特徴です。女性感染者の約8割には自覚症状がなく、感染に気づかないまま男性を感染させてしまう例が少なくありません。

淋菌感染症の感染に気づかず放置していると、炎症が波及する可能性があります。クラミジア感染症と同様、急性膀胱炎、卵管不妊症、子宮外妊娠、腹膜炎、卵管炎などの原因になりかねませんので、ご注意ください。

淋菌感染症の性病検査のページをご覧ください。

淋菌感染症の治療

治療は主に抗菌薬の注射で行われます。しかし、近年淋病は耐性菌という特定の抗菌薬が効かない菌が増えてきている為、菌によって抗菌薬を変える必要があります。

さらに、淋菌感染症患者の20~30%はクラミジア感染を併発している可能性があります。淋菌感染症が陽性だった場合は、クラミジアの検査も一緒に行い、治療を並行して行いましょう。

パートナーが感染したことがわかったら、直ちに検査を受け、一緒に治療をすることも重要です。

淋菌感染症の治療効果は100%に近い有効性があると考えられていますが、淋菌が残っている場合でも前述したような症状が改善する可能性もあるため、治療効果の判定は淋菌が検出されないということを必ずクリニックで確かめるようにしましょう。

予防にはコンドームが効果的です。オーラルセックスを含む性行為の際には、性感染症の予防のためにも必ずコンドームを装着するようにしましょう。

また、国や地域によっても投与する抗菌薬や使用方法が異なりますが、一般的に用いられる治療薬は、スペクチノマイシン(筋注)やセフィキシム(経口)、オフロキサシン(経口)、ビブラマイシン(経口)などです。

セフトリアキソン(静注)も有効な治療方法のひとつですが、日本では現在、保険が適用されていません。治療には最低でも1週間程度かかり、無症状で検査できるまでに1週間かかります。

淋菌の治療薬

抗生物質は淋菌に対し「血中濃度依存的」に働きます。
短時間であっても血中濃度が高いほどよく効くため、淋病と診断されたらすぐに点滴が必要です。
内服薬で血中濃度を上げるには大量の服用が必要になり、腸管で吸収され血中濃度が上がるまで数時間かかるため、淋病の治療には抗生剤の点滴治療が必要です。
クラミジアは「時間依存的効果」なので、有効血中濃度を1週間以上維持する必要があります。
すなわち1週間毎日テトラサイクリン系抗生剤を服用するか、1週間以上血中濃度が維持できるアジスロマイシンを単回大量投与する必要があります

*淋病とクラミジアが合併する場合も少なくなく、この場合は淋病の治療を優先させ、その後クラミジアを治療します。
(淋病に有効なセフトリアキソン点滴を行い、その後クラミジアに有効な内服薬の投与を行います。)

検査結果は即日出ないため、症状があるようならミノサイクリン、ドキシサイクリンの投与をスタートし、排膿や排尿時痛など症状が最初より強い場合や、悪化してくるようであればセフトリアキソンの点滴を考慮します。

淋菌性尿道炎にはスペクチノマイシン筋注も有効ですが、咽頭淋病には効果が劣るため適応になりません。

*淋菌は多くの抗生剤に耐性菌が出ており、ニューキノロン系やマクロライド系の抗生剤はファーストチョイスにはなりません。内服薬より1回での有効血中濃度を高める必要があるため、セフトリアキソン点滴がファーストチョイスになります。

http://jssti.umin.jp/pdf/guideline2008/02-2.pdf

淋菌感染症が原因となる疾患

性器への感染が一般的な淋病感染症ですが、その菌は喉頭や直腸にも広がります。オーラルセックスや肛門性交(アナルセックス)によって、性器以外の場所にも症状が出てきてしますのです。

喉頭や直腸に淋菌が感染した場合は、症状として現れることが無かったり乏しい場合が多いので、心当たりがあるという方は性器だけではなく、のどや直腸の検査も同時に行うことをおすすめします。

ここからは、淋菌感染症が原因となる疾患についてご紹介します。

尿道炎(男性)

尿道炎は男性に見られる疾患です。感染機会があってから、2~9日間の潜伏期間を経て、尿道口から黄色の濃い膿が多く排出されます。

排尿痛や尿道口が赤く腫れあがるなどの症状が見られます。前述したように、淋菌に感染している患者の20~30%は淋菌性尿道炎と一緒にクラミジア感染症を合併している可能性があるので、クリニックでの検査はクラミジアも一緒に行いましょう。

精巣上体炎(男性)

尿道炎を治癒しないまま放っておくと、尿道内の淋菌が上に上がっていくことで、精巣上体炎を引き起こします。始めは片側ですが、治癒されなければ両側性となり、治癒後に無精子症になってしまうことで、男性不妊の原因となります。

炎症症状はかなり強く、陰嚢が大きく腫れ上がり歩行が困難になるほどです。尿道炎は発熱しませんが、精巣上体炎患うと発熱など、全身性炎症症状を伴います。

尿道炎と同様にクラミジアにも感染している可能性があるため、クラミジアの検査も一緒に行う必要があります。

子宮頸管炎(女性)

子宮頚管に淋菌が感染すると通常は分泌物を生じますが、症状が見られないことが多く、淋菌に感染した女性は無自覚であることが多いため、潜伏期間もわからないという疾患です。

粘り気のある膿性の分泌物が子宮口付近に見られる場合もあり、その感染は直腸に及ぶ場合もあります。

感染が拡大すると、骨盤内炎症性疾患を起こすことがあり、骨盤内炎症性疾患を起こすと発熱や下腹部痛が生じ、不妊の原因になることもあります。

無自覚、無症状のまま男性に感染させてしまうことが多く、感染症の感染源となってしまうケースも多くあります。

また、子宮頚管に感染した淋菌はそのまま卵管を経由して腹腔内へ侵入していきます。その結果、子宮外妊娠の原因となることもあります。

咽喉頭炎

オーラルセックスを行う人が増加していることによって、淋菌感染症を患っている人の多くが咽喉頭炎になっていて、男女共に淋菌感染者の約30%が咽頭から淋菌を検出しています。

淋菌は咽頭に感染しても炎症が起きないことが多く、自覚症状が無いという場合もあります。

性器の淋菌感染症が治っても、咽頭に淋菌が残っている場合は再度感染してしまうというケースもあります。

咽頭炎は風邪のような症状が出ることがあるので、風邪と勘違いしてしまうこともありますが、性器への淋菌感染がわかったら必ず咽頭の検査もすることで再発を防ぐことができます。

結膜炎

淋菌による結膜炎は、新生児に最も頻繁に起こります。分娩時に母子感染が原因で、膿性の目ヤニが出たり、急速に進行して角膜潰瘍を起こしてしまうこともあります。

新生児だけではなく、淋菌を手で触ってしまい、その手で目を触ることで成人が結膜炎になってしまうこともあります。

目が充血し、粘液膿性の目ヤニが出たりします。結膜の感染がひどくなると角膜に広がってしまうこともある疾患です。

抗菌薬の点眼や点滴で治療をしますが、治療が遅れることで角膜に穴があいてしまうこともあるので、大量の目ヤニが生じた場合は即座に治療をすることをおすすめします。

直腸炎

直腸炎は肛門性交(アナルセックス)によって淋菌が直腸に達してしまった際に起こる疾患で、以下のような症状を伴います。

  • 肛門の痒み、痛み
  • 血便
  • 下痢
  • 肛門性交痛

直腸炎は、直腸の粘膜に炎症が起きている状態ですが、淋菌による直腸炎は上記のような症状が出ないこともあります。

しかし、放置しているとパートナーへの感染リスクが高まるだけではなく、HIVへの感染の危険性も高まります。

通常のセックスと同じように、肛門性交(アナルセックス)でもコンドームを正しく使用することが非常に重要です。また、自覚症状が無くても、パートナーが淋菌に感染しているという場合は自身も検査を受けることが必要となります。

似たような症状がある病気

・性器クラミジア

・咽頭淋菌感染症

淋病感染のtwitterの口コミをまとめてみました。

まとめ

近年増加傾向にある淋菌感染症は、特に女性は無自覚の場合が多く、知らないうちにパートナーに感染させてしまっているかもしれないという危険な疾患です。

性感染症の予防には、必ずコンドームを正しく使用することが重要です。コンドームを使用しても完全に防ぐことはできず、破れてしまったり途中で外れてしまったなどのトラブルが起きてしまったら感染リスクは高まります。

しかし、不特定多数の相手との性交を避け、コンドームを正しく使用し、定期的にクリニックで検査を受けることで感染拡大を防ぐことができます。

淋菌感染症になってしまうと、自分だけではなくパートナーにも重い合併症の危険性が高まり、治療が遅れると男性も女性も不妊症となってしまう可能性があります。

少しでも不安なことがあるという方は、必ずパートナーと共に検査を受け、治療をするようにしましょう。

パートナーの男性が感染していたら、女性も無自覚でも感染しているケースが非常に高いということを忘れずに、定期的なクリニックでの検査を受けることをおすすめします。

記事監修

末武信宏
国立岐阜大学医学部
順天堂大学大学院医学研究科博士課程において学位取得,日本美容外科学会 認定専門医,国際抗老化再生医療学会 認定指導医

記事監修

丹羽咲江
名古屋市立大学医学部
日本産科婦人科学会産婦人科専門医,日本性科学会 幹事,日本性科学会認定セックスセラピスト