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公開日:2021/03/29
最終更新日:2021/05/18

エイズ

記事監修

末武信宏
国立岐阜大学医学部
順天堂大学大学院医学研究科博士課程において学位取得,日本美容外科学会 認定専門医,国際抗老化再生医療学会 認定指導医

記事監修

丹羽咲江
名古屋市立大学医学部
日本産科婦人科学会産婦人科専門医,日本性科学会 幹事,日本性科学会認定セックスセラピスト

投稿日:2021年3月29日 更新日:

エイズ
 
 
性病
潜伏期間
自費診療検査費用例(税込)
エイズ 2~4週間
5年~10年
・新宿クリニック…2,630円
・大分泌尿器科病院…3,000
※全国のほとんどの保健所や自治体の特設検査施設で、無料・匿名で受けることができます
※性感染症の診療は保険が適用になる可能性がございます。詳しくは医院へご相談下さい。

エイズとは

エイズは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染することで免疫細胞が破壊され、免疫不全を起こし、健康体なら感染・発症しないようなさまざまな病気を発症した状態を指します。
ヒト免疫不全ウイルスという名前からもわかるように、HIVは、静かに長い時間をかけて感染者の免疫力を徐々に低下させていきます。このウイルスに感染することを、HIV感染症もしくはHIVといいます。
HIVに感染してからエイズが発症するまでの間は、健康保菌者(キャリアー)です。外観上は健康体ですが、一度エイズを発症すると急激に体重が減少したり、著しい寝汗や下痢といった症状が続き、さまざまな病気を発症する日和見感染症によって数年で死に至る可能性があります。
HIVは血液や精液、腟分泌物、母乳などに多く存在し、粘膜や皮膚にできた小さな傷口から体内に侵入し、感染します。唾液や涙、尿などにもウイルスは存在しますが、接触した人に感染させるだけの量は分泌されていません。
HIVの感染力は極めて弱いため、日常生活で感染することはありません。感染経路は、性行為での感染、輸血、授乳による母から新生児への感染の3つに限られています。
性行為においては、精液や腟分泌液に含まれたHIVが、性行為でできた腟やペニスの粘膜などの微細な傷から侵入して感染します。男性どうしのセックス、アナルセックスなどは、性器と接触する腸管粘膜が傷いたり、出血しやすいため、感染するリスクが高くなります。また、HIV以外の性感染症に感染していて、粘膜や皮膚に炎症などがある人も、HIVに感染しやすいといえます。

エイズの現状

HIVによる死者はこれまでに3,500万人を超えています。2016年だけでも、100万人がHIV関連の疾患で死亡しました。2016年、世界で新たにHIVに感染したのは180万人。2016年末のHIV感染者は、約3,670万人です。
HIVやエイズに関する啓もう活動・性教育の盛んな先進国ではHIV感染者やエイズ患者は減少しつつありますが、HIVやエイズへの関心が低い日本では、検査・治療体制が整っているにもかかわらず、検査を受けることが一般的になっていません。
そのため、エイズを発症するまでHIV感染に気づかないまま放置してしまう人が多いのが特徴です。

エイズの症状

HIVに感染しても、エイズを発症するまではほとんど症状がありません。
赤い発疹やリンパの腫れ、発熱、頭痛といった初期症状が出ることもありますが、数週間もすれば消え、その後5年から10年ほどの無症候期に入ります。この間、HIVは感染者の免疫力を静かに低下させていきます。その結果、健康体であれば感染しないような菌やウイルスにも感染するようになり、さまざまな病気を発症させるのです。
エイズを発症すると、全身倦怠感や急激な体重の減少、著しい寝汗、下痢といった症状が出て、肺炎や髄膜炎、帯状疱疹といったさまざまな病気を併発します。

感染初期(HIV感染から2~6週間)

HIV感染の初期に症状が出るのは、感染者の約5割から9割です。
初期症状はインフルエンザの症状に似ていて、発熱やリンパ節の腫れ、咽頭炎、皮疹(ひしん)、筋肉痛、頭痛、下痢などがあらわれますが、数週間もすれば消えてしまいます。軽度な症状であるため、風邪もしくはインフルエンザなどと自己判断して、HIVの感染に気づかないケースが少なくありません。

無症候期(5年から10年)

初期症状が消えたあと、無症候期と呼ばれる潜伏期間に入ります。短期間でエイズを発症する例もありますが、多くの場合は、5年から10年の間症状が出ません。しかしこの間も免疫力は徐々に弱くなっています。

エイズを発症

エイズを発症すると、さまざまな病気を併発するため、症状は多様です。代表的な症状として挙げられるのが、急激な体重の減少、著しい寝汗、下痢などです。
HIVに感染していながら、エイズを発症した段階でやっと感染の事実を知る患者が全体の約3割を占めています。
HIVの検査のページのご覧ください。

エイズの治療薬

2018年8月29日 抗HIV薬リルピビリン塩酸塩/テノホビル アラフェナミドフマル酸塩/エムトリシタビン(商品名オデフシィ配合錠)が薬価収載された。
適応は「HIV-1感染症」、用法用量は「成人及び12歳以上かつ35kg以上の小児は1日1回1錠を食事中又は食直後に投与」。
HIV感染症は、急性感染期、無症状期、AIDS期に大別されている。急性期では発熱、発疹、リンパ節腫脹などの急性感染症状が発現し、その後無症状期として、患者自身の免疫機構とHIVが拮抗した状態が長期間続く。
さらに、治療を開始しなければAIDS期としてHIV増殖が続き、患者の免疫力が徐々に低下し、日和見感染を併発しやすい状態に陥る。
初感染からAIDS期に至るまでは個々の症例で異なるものの、一般的に抗HIV治療を行われない場合には、AIDS発症後死亡に至るまでの期間は約2年程度と考えられている。
HIV治療では核酸系逆転写酵素阻害薬(NRTI)、非核酸系逆転写酵素阻害薬(NNRTI)、プロテアーゼ阻害薬(PI)、インテグラーゼ阻害薬(INSTI)、侵入阻止薬が臨床使用されている。
現在、これらの薬剤を3~4剤組み合わせて併用する抗レトロウイルス療法(ART)が治療の標準となっている。
具体的にARTでは、HIVを抑制する効果がより強力な薬剤を「キードラッグ」。キードラッグを補足しウイルス抑制効果を高める役割を持つ薬剤を「バックボーン」と称し、バックボーンをNRTI 2剤とキードラッグ1剤とする組み合わせが一般的となっている。

北村 正樹(東京慈恵会医科大学附属病院薬剤部)日経メディカルより抜粋


感染の可能性が高い行為

セックス、アナルセックス、出血をともなう可能性があるセックス、生理中のセックス、性器どうしの接触、

感染の可能性が高い人

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