自費診療検査費用例(税込) | ||
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B型肝炎 | 2週間~6か月 | ・あおぞらクリニック…8,800~11,000円 ※全国の保健所や指定医療機関であれば、無料で検査を受けることができる場合もあります |
Contents
B型肝炎とは
B型肝炎とは、B型肝炎ウイルスに感染することで肝機能障害(肝炎)を発症するものです。このB型肝炎ウイルスに感染した場合、ほとんど症状が出ないまま自己免疫力でウイルスを排除する一過性感染と、排除しきれないウイルスが体内に残ってしまう持続感染とに分かれます。
成人後に感染した場合は一過性感染で終わる可能性が高いものの、免疫機能が低下していると6ヶ月以上ウイルスが体内に残り、肝炎が慢性化する可能性もあります。これを、慢性肝炎といいます。慢性肝炎に進行するのは、B型肝炎ウイルスに感染した人の約1割から2割です。
慢性肝炎をそのまま放置すると、肝硬変や肝がんにつながる可能性があります。日本では、肝がんを発症する原因の約75%がB型肝炎ウイルスまたはC型肝炎ウイルスで、肝がんでの年間死亡者約30,000人のうち約4,500人がB型肝炎ウイルスのキャリアです。
B型肝炎ウイルスは、精液や腟分泌物、血液などに存在し、感染力が強いのが特徴です。アナルセックスなど出血をともなうような性行為で、粘膜や傷口から体液を介して感染するリスクが高まります。さらに、注射の回し打ち、タトゥーなどでの針の使いまわし、出産時の母から新生児の感染などの可能性もあります。
B型肝炎の症状
発病した当初は、だるさや吐き気、頭痛、尿の色が濃くなるといった症状があります。全身に黄疸(おうだん)が出るようであれば入院が必要になりますが、このとき、尿はさらに濃い色になり、醤油のような濃褐色に変化します。持続感染した場合は慢性肝炎し、肝硬変や肝がんを発症する可能性あがります。ただし、早期発見・早期知慮ができれば、完治することが可能です。
B型肝炎の治療薬
B型肝炎に対するインターフェロン治療
- 1987年より開始されたインターフェロン治療は、当初28日間の限定投与でありましたが、2002年には6ヶ月間へと延長。2011年からはペグ化されたペグインターフェロン(Peg-IFN)(ペガシス®)の治療が認可され、治療成績も向上しています。
- IFN治療にはインフルエンザ症状などの特有の副作用はあるものの、治療反応後には薬剤の継続の必要性がなくなる大きな利点があります。
- しかしPeg-IFNによる治療効果が得られるのはHBe抗原陽性で20~30%、HBe抗原陰性では20~40%にとどまります。
B型肝炎に対する核酸アナログ治療
- 核酸アナログ製剤はウイルスの増殖を直接阻害する薬剤で、現在本邦ではラミブジン(ゼフィックス®)、アデホビル(ヘプセラ®)、エンテカビル(バラクルード®)、テノホビル(テノゼット®)の4種類の製剤が使用されています。
- 核酸アナログ製剤はB型肝炎ウイルスの遺伝子型や年齢によらず、ほとんどの症例で抗ウイルス作用をきたし、肝炎を沈静化させます。その反面、投与中止により肝炎の再燃率は高く、劇症化の危険性もあることから、長期投与が必要であること、長期投与によって薬剤耐性のウイルスが出現することが問題です。
B型肝炎治療ガイドラインhttps://www.jsh.or.jp/files/uploads/HBV_GL_ver3.2_20200926.pdf