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公開日:2021/03/29
最終更新日:2021/05/18

尖圭コンジローマ

投稿日:2021年3月29日 更新日:

尖圭コンジローマ

 

 

性 病
潜伏期間
自費診療検査費用例(税込)
尖圭コンジローマ 3週間~8ヶ月 ※一般に検査はしない

※性感染症の診療は保険が適用になる可能性がございます。詳しくは医院へご相談下さい。

尖圭コンジローマについて

尖圭コンジローマは、ウイルスの一種であるHPV(ヒトパピローマウイルス)を原因とする性感染症―STD(sexually transmitted disease)です。

性器の周辺に尖った形の良性のウイルス性疣贅(ゆうぜい=イボ)が見られることが特徴的です。世界中で発生がみられ、国内においても年間を通じて患者の報告があります。

尖圭コンジローマを発症するHPVは6型・11型の2種類ですが、約9割の人は自己免疫力によってHPVを排除します。しかし、一度発症してしまうと完全なウイルス排除は難しいため、尖圭コンジローマの再発を繰り返すケースが多発しています。

感染しても痛みやかゆみといった自覚症状がないケースが多く、陰部にイボができて初めて感染に気づいたという人が大多数です。

尖圭コンジローマの症状

尖圭コンジローマは、性器及びその周辺や子宮頸部や腟、肛門及びその周辺などに、粒状の表面を持つ乳頭状、トサカ状あるいはカリフラワー状の疣贅(ゆうぜい=イボ)が多発します。色調は白、ピンク、褐色のほか、時に黒色となる場合もあります。疣贅の大きさは径1~3ミリ前後が多いとされています。

初期はイボができる以外に自覚症状はほとんどないと言われていますが、痒み、疼痛を感じることがあり、イボが大きくなると、こすれて痛みや出血が見られることもあります。性器にイボができる病気は他にもありますが、尖圭コンジローマのイボは不規則な形で、あちこちにできることが特徴的です。

イボができるまでの潜伏期間が感染後3週間から8ヶ月あり、痛みやかゆみといった自覚症状がないため、感染したことになかなか気づけません。

 

 

尖圭コンジローマの現状

発症報告数

尖圭コンジローマは、日本の感染症法において「五類感染症」のSTD定点把握疾患に定められていて、全国の定点医療機関より毎月の発症数がそれぞれの都道府県に報告されます。調査の結果によると、発症数は性器クラミジア感染症、淋菌感染症、性器ヘルペスウイルス感染症の次に多く、推定患者数は約3.9万人と発表されています。(参考資料:「日本における性感染症サーベイランス-2002年度調査報告」)

定点医療機関からの報告を年次でまとめた国立感染症研究所によれば、1999年の発症報告数は3,190人、2005年の発症報告数は6,793人(男性3,795人/女性2,998人)でした。定点当たりの発症報告数は、1999年と2005年の約6年間で2倍近く増加しています。

※当サイトでは性感染症の表記について、日本性感染症学会(Japanese Journal of Sexually Transmitted Diseases)の表記に合わせ「STD」としています。

男女別・年齢階級別の感染状況

尖圭コンジローマは、男女ともに性的活動の盛んな20代前半~30代で多く発症しています。2005年の国立感染症研究所の報告数を男女別・年齢階級別で比較(下記グラフ参照)してみると、男性では25~29歳にピークがあるのに対し、女性は20~24歳がピークとなり、女性の方が男性よりも若年層に広がっている傾向があります。

※報告数は泌尿器科系、婦人科系、皮膚科系の診療科からの報告で構成。男女の比較については、それらの比率に影響を受ける可能性があります。

平成17年 尖圭コンジローマ報告数

尖圭コンジローマ報告数 男女別・年齢階級別(2005年)

原因となるウイルスについて

尖圭コンジローマの原因となるHPVは、パポバウイルス科(papovavirus)に属するDNAウイルスです。その遺伝子DNAの塩基配列の違いから100種類以上の型に分類され、性器から検出される型は40種類以上に及びます。

HPVは高い確率で癌から検出される「高リスク型」、癌からは検出されない「低リスク型」に大別されます。尖圭コンジローマを引き起こすのは主にHPV6型と11型で、これらは発がんリスクの低いタイプのウイルスです。また、HPV16型や18型は高リスク型に属し、子宮頸がんや陰茎癌の発症リスクが高まります

ウイルスの感染経路

HPVは性交またはその類似行為により、皮膚や粘膜の微小な傷から侵入し、基底層細胞を含む分裂可能な細胞に感染します。または、まれに手指や病変部位に接触する物を経由した接触感染で感染するケースや、分娩時の産道感染で母子感染することもあります。

 

しかし、原因であるウイルスが感染してもすぐに疣贅があらわれるわけではありません。かゆみや痛みなどが無い場合が多く、いつ発病したかをはっきり覚えていない人もいます。ウイルスの潜伏期間は人によってさまざまで、感染から約3週間~8ヶ月(平均2.8ヵ月)と報告されています。ゆえに、感染した時期や誰から感染したかを特定するのは困難と言われています。

コンドームが役に立たない性感染症

HPVは主に性交またはその類似行為による接触を通して、他の部位や他人に感染する性感染症です。したがって、尖圭コンジローマの予防にはコンドームの使用が重要です。 しかし、尖圭コンジローマの病変が会陰部や外陰部、肛門など、コンドームでカバーできない広い範囲にある場合、感染を予防することは難しいとされています。

 

診断方法

臨床診断

尖圭コンジローマの疣贅は、特徴的な形状をしているため、ほとんどの場合は専門の医師の視診によって診断をつけることが可能です。また、見えにくい場所に疣贅が存在することもあり、尿道口や肛囲に病変がある場合には、シストスコピー(膀胱鏡)やプロクトスコピー(直腸鏡)による観察も欠かせません。その他、腟内や子宮頸部、外陰部にも疣贅が存在することもあるため、腟鏡をまわすなど工夫したり、コルポスコピーや拡大鏡にて観察を行います。

 

病理診断

視診のみで診断に至らない場合や、鑑別すべき疾患が存在する場合は、患部の組織を採取して病理診断を行います。色調が異なるなどの非典型的な臨床像や、薬剤治療に抵抗性を示す場合などに病理診断が実施されます。なお、尖圭コンジローマの組織像の特徴としては、錯角化を伴う過角化、表皮肥厚、およびコイロサイト-シスと呼ばれる、核周辺が空胞化した細胞が見られます。
HPVの検出には、主に核酸検出法として、ハイブリッドキャプチャー法とPCR法があります。ハイブリッドキャプチャー法では主に低リスク型と高リスク型の大別を目的として用いられ、PCR法ではHPVの詳細なDNA型を特定することを目的として用いられています。

 

治療方法

尖圭コンジローマの治療は、「薬物療法」と「外科的療法」の2つに分類できます。

今回はその中から、保険適応の治療法をご紹介します。

ただし、これらのウイルスを完全に排除することはできません。尖圭コンジローマはウイルスが体内に残るため、治療を受けた感染者の約4分の1が再発するなど、再発と治療を繰り返す病気としても知られています。

薬物療法

【イミキモド(imiquimod)製品名:ベセルナクリーム5%】

2007年12月に尖圭コンジローマ治療薬として発売されました。医師が症状に応じて処方し、患者さんが患部に直接塗って治療を行います。治療にかかる期間は症状によって変わりますが、16週間を目安に継続します。

イミキモドは1997年に米国FDAにより尖圭コンジローマ治療薬として承認されてから、世界の75以上の国と地域で承認されている治療薬です。

外科的療法

【凍結療法】

局所麻酔は行わず、液体窒素を病変部に押し付けて、凍結・変性・壊死させて疣贅を除去する治療法です。この凍結療法は小さな病変に対してのみ有効です。施術後は、水疱、糜爛、潰瘍が生じる可能性があります。処置中および術後数日間は痛みを伴います。

 

【電気焼灼】

局所麻酔を行い、疣贅を電気メスで焼灼する治療法です。小~中程度の大きさの疣贅であれば、多発性であってもこの電気焼灼法が適用可能です。術後に熱傷、糜爛、潰瘍、疼痛が生じる可能性があります。

 

【炭酸ガスレーザー蒸散】

局所あるいは腰椎麻酔を行い、疣贅を炭酸ガスレーザーにて蒸散させる治療法です。小~中程度の大きさの疣贅であれば、孤立したものから広範囲に多発しているものまで施術できます。治療後に糜爛、潰瘍、疼痛のほか、赤みや色素沈着が数ヵ月続く可能性があります。

 

注意点:レーザーや電気メスを使用することで、かえって周囲にウイルスを拡散させてしまうケースがあります。また医師自身が飛散したウイルスを吸い込んでしまう危険性もあるため、施術の際には医療用の防塵マスクの着用がおすすめです。外科的切除は腫瘍断端よりも広範囲にとることが重要で、真皮まで達する深度が必要です。

 

【外科的切除】

局所麻酔によって腫瘍を根元から浮かせておいて、リング鉗子やメスにより疣贅を切除します。必要に応じて縫合を行う場合もあります。この外科的切除は、大きな疣贅や病理組織学的診断をするうえで有効です。外来で短時間でできる処置ですが、清潔な手術器具が必要になり、多少出血するのが難点です。治療後に糜爛、潰瘍、疼痛を発現することもあります。

 

局所麻酔の大事な機能の一つに、腫瘍を浮かせて十分な組織を切除するとともに血管を保護する目的があります。尖圭コンジローマの手術の際には「皮下」ではなく、意識して「皮内」に局麻薬を注入することが再発を防止する施術テクニックです。

ハサミやメスを使って切除すると皮下の血管を傷つける恐れがあり、実際の施術では水イボ切除用のリング鉗子や頸部バイオプシー用の鉗子を使用しています。すると傷跡がほとんど残らず、血管の損傷も少ないので出血を最低限に抑えることができます。

再発防止のために

尖圭コンジローマの再発は肉眼的に病変が見られなくても、病変部位周囲を含めた基底細胞にHPVが存在し、ある期間を経て新たに尖圭コンジローマを形成することで起こります。

治療法によって差異はありますが、視診上治癒しても3ヵ月以内に約25%は再発するといわれています。したがって治療後は少なくとも3ヵ月の経過観察を続けることが重要です。治療方法と再発率については下記の表を参考にしてください。

尖圭コンジローマ表

尖圭コンジローマはウイルス性の性感染症であるため、免疫力を高めることによりHPVの活動が押さえ込まれ、症状が出にくくなるといわれています。疲れやストレスを溜め込まず、風邪などで体力を落とさないことも、再発を予防するために大切です。

また、感染予防には性交の際にコンドームを使用することが必須ですが、性器以外の場所への感染まで完全に防げるわけではありません。性交渉の相手を限定するとともに、もし、パートナーが感染していた場合は、ご自身も必ず検査を受けましょう。

感染の可能性が高い行為

セックス、オーラルセックス、性器どうしの接触

感染の可能性が高い人

不特定の相手と性行為をしている人、性行為の経験人数が多い人、性行為のパートナーが多い人

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記事監修

末武信宏
国立岐阜大学医学部
順天堂大学大学院医学研究科博士課程において学位取得,日本美容外科学会 認定専門医,国際抗老化再生医療学会 認定指導医

記事監修

丹羽咲江
名古屋市立大学医学部
日本産科婦人科学会産婦人科専門医,日本性科学会 幹事,日本性科学会認定セックスセラピスト