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公開日:2021/03/29
最終更新日:2021/04/05

梅毒

投稿日:2021年3月29日 更新日:

梅毒

梅毒と聞くと、昔流行った病気と思われている方が多いのかもしれませんが、最近は男女ともに急増している恐ろしい病気なのです。

 

梅毒は、性行為などで皮膚や粘膜もできた小さな傷にトレポネーマという病原菌が侵入して感染する性感染症です。

トレポネーマは、皮膚や粘膜の病変部に大量に存在しており、男性はペニス、女性は大陰唇・小陰唇からの感染がほとんどです。しかし、陰部だけでなく、オーラルセックスなどによる唇・のどへの感染例、肛門への感染例もあります。

梅毒は、見かけ上は健康な時期(潜伏梅毒)をはさんで、3つの段階を経ます。

第1期は、性器に硬いしこりができますが、痛みはありません。

第2期では、手足などを中心に全身に小さな斑点が出て、発疹や発熱、疲労感、頭痛、食欲減退などの症状が出ます。この第1期と第2期は、性的接触による感染力が高い時期です。第1期、第2期の早期梅毒の感染者と性交すると、約3分の1の確率で感染するとされています。性的接触を通して体内に侵入したトレポネーマは、数時間のうちにリンパ節に達し、血流にのって全身に広がります。

梅毒は江戸時代に大流行し、不治の病として非常に恐れられていました。大正時代には、日本の成人男性の10人に1人が梅毒に罹患していたというデータも存在します。

1940年代に開発されたペニシリンによって梅毒は死の病ではなくなり、感染者数も一気に減少しました。梅毒も一昔前の病気だと認識されるようになっていましたが、2011年ごろから男女ともに梅毒の感染者数が急激に増加しつつあります。

年齢・性別に分けてみると、20歳から24歳の女性の感染者がもっとも増加していて、出産時に母親から新生児に感染する先天性梅毒の感染例もあります。さらに、男性間のアナルセックスによる感染も増えていますが、2016年には異性間のセックスで感染した患者数のほうが上回っています。

さまざまな性感染症がある中でも絶滅危惧種と言われていた「梅毒」患者は、2013年頃から急増しています。
2015年の梅毒感染数は2,697件と報告されていますが、これは、2010年の621件からすると約4.3倍。さらに、男女別の増加率では男性の3.9倍に対して女性は6.2倍で、女性の梅毒感染が急増していることがわかります。

梅毒はペニシリンで根治させることが可能ですが、症状が非常に多彩なうえに一時的に治るケースがあるため、感染の発見が遅れがちです。早期発見・早期治療ができず、病気が進行すれば、治療期間が延びて感染者の負担も大きくなります。さらに、再感染したり、その他の感染症にも罹患するリスクがありますのでご注意ください。

梅毒を予防するためには、コンドームを利用して性交渉するよう心がけることです。梅毒は、性器の挿入をともなわないキスなどの性行為でも感染する可能性があります。

〈梅毒の症状〉

梅毒に感染すると、3週間、3ヶ月、3年という期間を区切りに違う症状が現れ、身体に異変が生じます。症状の3つの段階は時とともに悪化しますが、治療せずに症状が出ないまま何年も経過することもあります。その場合も、静かに重症化し、心臓や脳の障害を引き起こして死に至るおそれがあります。

・第1期

感染後、3週間から4週間後に現れるのが、陰茎や外陰部、腟といった感染部位にできる潰瘍(下疳)です。この潰瘍には痛みがなく、肛門や直腸、唇、舌、のど、子宮頸部、指などの部位に出るケースもあります。

下疳は最初、小さな赤い隆起に過ぎませんが、すぐに破れて深い潰瘍になります。出血もなく、触ると硬く感じる程度です。下疳以外にも、鼠径部のリンパ節の腫れなどの症状がありますが、ここにも痛みはなく、男性なら約3分の1が、女性なら半数が気づかないまま第1期を過ごしてしまいます。第1期の下疳は約3週間から12週間で治癒し、その後は健康体であるかのように見えます。

・第2期

感染後、6週間から12週間で現れるのが、広い範囲にわたる発疹です。これは、血流に乗って広がった菌が引き起こすもので、リンパ節の腫れや他の臓器の症状としても現れます。発疹が現れた段階でも、約4分の1の感染者にまだ下疳があります。

発疹の外観はさまざまで、手のひらや足の裏にできることもあり、痛みもかゆみもありません。発疹はすぐに消えたり、何ヶ月も続いたりしますが、何もしなくてもやがて消えていきます。頭皮に発疹ができた場合は、髪の毛がまだらに抜けてしまい、虫食いのような状態になります。

第2期の梅毒では、感染者の約半数のリンパ節に腫れがあり、感染者の約10分の1の割合で他の臓器が侵されています。さらに、骨や関節の痛み、目に発生する炎症などの症状、発熱や疲労感、食欲不振、体重減少など風邪のような全身症状も見られます。脳、内耳、眼に感染することで、頭痛や聴覚、平衡感覚、視覚の障害などの症状を訴える人もいます。

症状が消えては再発する状態を繰り返しながら、第3期、第4期へと移行するケースも少なくありません。

・潜伏期

第2期の後、数年から数十年という長期にわたって、症状の出ない時期が続きます。この期間を、潜伏期と呼びます。潜伏期には感染力こそないものの、菌はなお存在しています。

・第3期

第3期は、晩期梅毒とも呼ばれます。初期感染から数年もしくは数十年を経て、治療を受けていない人の約3分の1に「良性の第3期梅毒」「心血管梅毒」「神経梅毒」のいずれかが発生し、その症状もさまざまです。

「良性の第3期梅毒」

が起こるのは、一般的に、感染後3年から10年を経た段階です。柔らかいゴムにも似た、ゴム腫と呼ばれる腫瘤が、皮膚、特に頭皮、顔、体幹の上部、脚、臓器、骨などに生じます。治療せずにいると、このゴム種が周囲の組織を破壊し、骨に刺すような痛みが生じることがあります。ゴム腫はゆっくりとしたスピードで増殖し、徐々に治りますが、ゴム種のあとには瘢痕(はんこん)が残されます。

「心血管梅毒」

が起こるのは、一般的に、感染後10年から25年を経た段階です。これは心臓や心臓につながる大動脈などの血管に菌が感染するもので、この結果、大動脈瘤が生じ、呼吸困難やせき、声がれなどの症状が出ます。また、大動脈弁から血液が漏れる、冠動脈が狭くなるといった症状もあり、胸痛や心不全によって死に至るケースも少なくありません。

「神経梅毒」

は、治療を受けていない感染者の約5%に発生する、脳と脊髄を侵す梅毒のことです。「髄膜血管型」「進行麻痺型」「精髄ろう型」の3つに区分されますが、いずれも、非常に重い症状を呈します。

「髄膜血管型神経梅毒」

では、脳や脊髄の動脈に炎症が起こり、慢性の髄膜炎が生じます。当初、頭痛や項部硬直のかたちで始まったものが、めまいや集中力・記憶力の低下、不眠、視野のかすみなどの症状につながる可能性もあります。腕、肩、脚の筋力低下、麻痺が生じることもあり、排尿や排便をコントロールしづらくなるかもしれません。また、脳卒中を起こすことがあります。

「進行麻痺型(実質型)神経梅毒」

では、行動が徐々に変化し始めます。気分の変化やイライラ、錯乱などが生じたり、自分の衛生状態をあまりかまわなくなる、自分がまるで神や有名人であるかのように思い込むといった変化が現れます。この症状が進むと認知症に至ることもあります。

進行麻痺型梅毒は通常、40代から50代で始まり、身体的には、口や舌、両手や全身のふるえなどが出る可能性もあります。

「脊髄ろう型神経梅毒」

は通常、最初に感染してから20年、30年たったあとに起こります。脊髄に徐々に病変が現れますが、脚や胃、膀胱、直腸、のどなどに不定期に強く差すような痛みが出ることがあります。

症状が進行すると、脚の感覚が薄れたり異常をきたすため、歩行しづらくなります。また、体重の減少や視力の問題が生じるかもしれません。

最終的に、排尿のコントロールがしづらくなり、麻痺が出る可能性もあります。

梅毒の治療

海外では通常、梅毒の治療にペニシリンGを筋肉注射で1回投与しますが、日本ではこれが認められていません。

そのため、アモキシシリンなどの経口合成ペニシリン剤を長期的に投与するのが一般的です。第1期で2週間から4週間、第2期で4週間から8週間の治療期間が見込まれます。

眼や内耳、脳が侵されている神経梅毒の場合は、ベンジルペニシリンカリウム(1日1200~2400万単位)を10日間から14日間点滴静注、あるいはセフトリアキソン(1日1g)を14日間点滴静注します。

感染者にペニシリンのアレルギーがある場合は、塩酸ミノサイクリンもしくはドキシサイクリンを利用しますが、妊婦に対しては胎児への副作用を避けるために、塩酸ミノサイクリンの代わりにアセチルスピラマイシンを使用します。

第1期、第2期梅毒の感染者は、自分が治療するのと同時にセックスパートナーの治療を進め、この期間の性的接触を避けなければなりません。第1期梅毒の場合は、過去3ヶ月間に性的接触があったすべてのパートナー、第2期梅毒の場合は、過去1年間に性的接触があったすべてのパートナーに感染リスクがあります。

第1期、第2期、潜伏期の梅毒の場合は、その大半で治癒しますが、第3期梅毒の場合は、脳や心臓などの臓器で負った損傷をもとに戻せず、状態を改善することができません。また、梅毒に対する免疫は獲得しないため、再感染する可能性もあります。

梅毒の治療薬

梅毒の治療には、現在でもペニシリンを用います。アモキシシリンを病期に応じて内服します。内服期間は、第1期は2~4週間、第2期は4~8週間、第3期以降は8~12週間です。

治療後に血液検査で効果の判定を行い、再治療の必要性を判断します。ペニシリンアレルギーの症例では、テトラサイクリン系抗生剤のミノサイクリンやドキシサイクリンが選択されます。

第1選択 アモキシシリン 1回500㎎ 1日3回を4週間投与を基本

第2選択 ミノサイクリン 1回100㎎ 1日2回を4週間投与

第3選択 スピラマイシン 1回200㎎ 1日6回を4週間投与

感染の可能性が高い行為

セックス、オーラルセックス、アナルセックス、性器どうしの接触、キス

梅毒の治療

梅毒の治療はペニシリン系の抗菌薬を1ヵ月から3ヵ月ほど服用します。

また、完全に治癒していても、再び感染することもあります。

予防は、コンドームをつけることが前提です。

また、素性のわからない人と性交渉をしたら、定期的に検診に行く意識を持つことが大事です。

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梅毒治療のtwitterの口コミをまとめてみました。

記事監修

末武信宏
国立岐阜大学医学部
順天堂大学大学院医学研究科博士課程において学位取得,日本美容外科学会 認定専門医,国際抗老化再生医療学会 認定指導医

記事監修

丹羽咲江
名古屋市立大学医学部
日本産科婦人科学会産婦人科専門医,日本性科学会 幹事,日本性科学会認定セックスセラピスト