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公開日:2019/07/08
最終更新日:2022/09/29

クリトリスが痒い痛い!かゆみ痛みの原因と予防について

記事監修

丹羽咲江
名古屋市立大学医学部
日本産科婦人科学会産婦人科専門医,日本性科学会 幹事,日本性科学会認定セックスセラピスト

投稿日:2019年7月8日 更新日:

家族や友人など、どれだけ親しい間柄でもなかなか相談しにくいのが、クリトリスの悩みではないでしょうか。
しかし、クリトリスがいつもより臭っていたり、かゆかったり、おりものの色が違っていたり、イボなどができた場合は、できるだけ早めに婦人科や産婦人科、皮膚科など病院を受診することが大切です。
クリトリスは、デリケートゾーンの中でも特に敏感な部位です。いつもと違うと感じたなら、専門医の判断を仰ぎ、慎重にケアしていきましょう。
このページでは病院に行く前にクリトリスについて知りたい。クリトリスのかゆみの原因を知りたい方。クリトリスのかゆみを予防する方法を知りたい。といった方の疑問にお答えします。
それでは、クリトリスがかゆくなる原因をいくつか挙げ、その対処法を説明していきます。
※Googleでクリトリスを文字変換すると【クりトりス】と誤字が表示されることがあります。
クリトリスの痒みにオロナインを塗るのはおすすめしません。
オロナインを使用できるデリケートゾーンの疾患についてはこちらを御覧ください。

Contents

クリトリス(陰核)とは

クリトリスは陰核とも呼ばれ、身体の器官の中で唯一、性的快楽のために役立つ器官です。クリトリス(陰核)は陰核包皮の下にあり、Y字の逆型の構造で陰核亀頭、陰核包皮、陰核脚、陰核体から構成されています。一般的に「クリトリス」と呼ばれるのが陰核亀頭の部分になります。陰核各部分名称
 

陰核亀頭(glans of clitoris)

陰核亀頭は陰核の中で唯一目に見える部分であり、一般的に「陰核(クリトリス)」と誤って呼ばれることが多い。楕円形で長さ約8mm·幅約5mmで弾力に富む。表面は非角質化扁平上皮で覆われています。
陰核亀頭近位部は陰核頸部と呼ばれ,陰核包皮はここから始まります。陰核亀頭の遠位部には陰核小带が付着します。陰核亀頭は勃起能のない海綿状組織で構成されます。また高密度の感覚受容器,特にパチニ小体をもち,圧と振動を感知して反応します。

陰核包皮(prepuce of the clitoris

陰核包皮は,陰核亀頭近位部は陰核頸部から始まり,遠位端は遊離縁となって陰核亀頭を覆う皮膚のヒダです。陰核包皮の後方は左右の小陰唇の外側ヒダに連なり、その形状は個体差が大きく,完全に陰核亀頭を覆う場合や,ほとんど存在しない場合など,多様です。陰核亀頭を保護する役割をもつ。

陰核脚(crus of the clitoris

陰核脚は左右に1つずつあり,坐骨恥骨枝内側に付着しています。その大きさは長さ約3035mm,直径約9mmであります。男性の陰茎の相同器官であり,陰核海綿体で構成され勃起能をもちます。各海綿体には,浅会陰動脈の枝から血液が供給される。恥骨結合前面で左右の陰核脚が交わり,陰核体を形成する。

陰核体(body of the clitoris

陰核体は左右の陰核海綿体の遊離部分によって形成され,恥骨前面の結合組織内に位置します。陰核提靭帯(suspensory ligament of clitoris) によって保持され,陰核は恥丘に固定されています。陰核体の頂点は,恥骨結合正中線上,恥骨前面上部にあり、ここで陰核脚と合流する。

クリトリスの痒み・痛みの原因は2種類

クリトリスがかゆくなったり、痛んだりする原因はいくつかありますが、大きく2種類に分けることができます。
  • 生活習慣が原因の場合
  • 病気が原因の場合
それぞれ詳しくご紹介していきますので、自分に当てはまるものがないか、チェックしてみてください。

クリトリスの痒み・痛み【生活習慣が原因の場合】

クリトリスはデリケートゾーンの中でも敏感な部分であるため、間違った方法でのケアを続けることでかゆみや痛みが出ることもあります。
間違ったケアやナプキン・下着によるかぶれなどの生活習慣が原因の場合はケア方法を見直したり、デリケートゾーン専用のかゆみ止めなどの市販薬を使ったりするだけでも症状が改善する可能性があります。
まずは一度、自分の生活習慣を見直してみましょう。

過剰なケア

腟内には清潔な状態を保つための常在菌が存在しており、自浄作用があります。
クリトリスの過剰洗浄は、この常在菌まで一緒に洗い流してしまうことになり、自浄作用の働きが低下してしまうことに繋がります。
自浄作用が働かなくなることにより、清潔な状態を保てなくなり、不衛生な状態になってしまうのです。

正しくない洗い方

ボディソープや石鹸の成分や性質によっては、清潔な状態を保つための常在菌を殺菌してしまったり、酸性度を変えてしまうものがあります。
刺激の強い石鹸で擦るように洗うことで、逆に刺激を与えてしまうのです。
また、皮膚には「バリア機能」と呼ばれる機能が備わっています。バリア機能は摩擦などの刺激や異物の侵入を防ぎ、肌に蓄えた水分が逃げないようにしてくれています。
ボディソープなどで何度も洗いすぎてしまうと、このバリア機能な失われ、摩擦などの刺激に弱くなってしまいます。
お風呂上がりにバスタオルで拭く時の摩擦も掻痒感につながる場合があるため、ポンポンと優しく叩くようにして水分を拭き取り、しっかりと保湿ケアをおこなってあげましょう。
今はデリケートゾーン用の美容液やパック、専用オイルやジェルなどケア用品も販売されているためそれらを使ってケアをするのもいいでしょう。

入浴剤

リラックスタイムに、入浴剤を使う方も少なくないでしょう。
長時間お湯に浸かることで、pHバランスが崩れ、不快感を引き起こす場合があります。
入浴剤の成分によっては、かゆみの症状がある場合は症状を促進させてしまうことにも繋がります。
入浴剤は体調の良い時に月数回程度の使用にとどめ、かゆみや痛みの症状が出ているときは、使用を控えることをおすすめします。

不衛生なセルフプレジャー(自慰行為)

自慰行為の際、クリトリスを刺激するラブグッズや手指が不衛生だと感染やバクテリアなどの菌の繁殖を助長する場合があります。
自慰行為をおこなう前には必ず手指を清潔に洗うようにしましょう。
また、濡れていないままクリトリスを刺激することで、強く摩擦を与えてしまい、かゆみや痛みを引き起こす原因になる場合があります。
水ベースでフレーバーや香料が入っていない、ローションを使うこともおすすめです。

陰部の毛による痒み

陰部の毛がクリトリスに絡まる、不衛生な状態のままにするなどによってかゆみが出ることがあります。
定期的に毛の長さを整えたり、シルクや綿などの通気性が良く汗を吸収しやすい下着を選んだりして、陰部を蒸らさないようにしましょう。

ナプキンや下着によるかぶれ

「ナプキンや下着によってかぶれてかゆい」など、原因がわかっている場合は、市販薬のデリケートゾーン用かゆみ止めを使用するのも方法の一つです。
こまめなナプキンの交換、下着の買い替えなどとあわせて対策してみましょう。

おりものシートやナプキン

おりものシートやナプキンなどの使用法には、3時間から4時間おきに交換するよう指示されていますが、仕事が立て込んでいたり慌ただしく過ごしたりしているうちに、気がつけば長時間付けっぱなしにしていたという経験があるのではないでしょうか。
長時間ナプキンやパンティーライナーをつけ続けていると、雑菌が繁殖し、クリトリスにかゆみを感じるようになります。
また、接触部分が擦れることにより刺激を与え、かゆみを促進させてしまうことにも繋がります。
つけっぱなしによる蒸れや擦れなどからかゆみを引き起こさないよう、こまめに交換することが大切です。

締め付ける下着

下着で締め付けてしまうことで、下着の中が蒸れて、雑菌が繁殖する可能性もあります。
ストッキングなどを履く場合、性器と下着が密着しやすくなり、蒸れの度合いが高まります。
合成繊維で通気性の悪い下着を長時間着用していると、より蒸れやすい状態を作り出してしまいます。
仕事でストッキング必須の方は多いと思いますが、下着だけでも通気性が良いものを選ぶようにしましょう。
蒸れ対策にはコットンやシルクなど、通気性に優れた天然素材の下着がおすすめです。
ポリエステルやアクリスなどの化学繊維の下着は安価で、デザイン性も高く華やかでかわいらしいものが多いためついついデザインで選んでしまいがちですが、天然素材の下着もいくつか持っておくと安心です。
生理の時や夏場、忙しくてナプキンをこまめに替えられそうにない日などは天然素材の下着を履くことでデリケートゾーンの蒸れ予防ができるでしょう。

摩擦やムレによるできもの

クリトリス周辺にニキビのようなできものがあることで、痒みの症状が出ていることがあります。
ニキビであれば清潔にして通気性を良くしていれば自然治癒するものですが、痛みやかゆみが強い場合はヘルペスの可能性もあります。
ヘルペスも自然治癒はしますが、風邪などで免疫力が低下した時に再発することを繰り返してしまう場合もあるため、早めに病院を受診することをおすすめします。

アカ(恥垢)の蓄積

デリケートゾーンの陰部周辺にたまった白いカスは、脂の固まりで、恥垢と呼ばれています。
恥垢を放置してしまうと、クリトリスのかゆみやかぶれを引き起こしかねません。
さらに、強い臭いが発生する可能性もあります。
陰部を簡単に洗うだけでは恥垢を取り除けないため、乾いた綿棒などを使って1つひとつ取り除くことが大切です。

クリトリス包茎による洗い残し

クリトリスは恥垢が溜まりやすい部分であるため、包皮と呼ばれる皮膚が全体的に覆いかぶさっている状態のクリトリス包茎の場合は洗い残しによるかゆみがさらに起こりやすくなります。
クリトリスの陰核亀頭と包皮の間には恥垢が溜まりやすく、不衛生な状態が続くと炎症を引き起こす可能性もあります。
衛生上の問題はもちろんですが、様々な影響があるため、適切な治療を受けるために受診することをおすすめします。

クリトリスの痒み・痛み【病気が原因の場合】

クリトリスの痒みや痛みは、上記でご紹介した生活習慣などの原因のほかにも、何らかの病気が原因となっている可能性も考えられます。
生活習慣の場合は自力で改善することでかゆみや痛みが改善されることもありますが、病気が原因となっている場合は放置すると悪化してしまう可能性もあるため、早めに産婦人科を受診し、検査を受けることが大切です。
男性医師に診てもらうのは抵抗があるという方は、女性医師のクリニックを受診するといいでしょう。

ニキビのような吹き出物

下着で締め付けられたり、生理用ナプキンで刺激されたり、カミソリに負けたりといった原因で、クリトリスにニキビのような吹き出物ができることがあります。
軟膏などを使って改善する可能性もありますが、白いニキビのようなイボ(約3ミリ)ができる尖圭コンジローマという病気もあり、素人目では判断できません。
軟膏などでイボが改善しない場合は、婦人科で相談することをおすすめします。

ゴムアレルギー(ラテックスアレルギー)

血圧低下や意識障害(アナフィラキシーショック1の症状)を引き起こす可能性があるのがラッテクスアレルギーです。
天然ゴム中のラテックス(コンドームの成分にもあり)はタンパク質との接触により、じんましんなどの皮膚障害が発症することがあります。
ラテックスアレルギーによる腟口・腟内の痒み痛みについて詳しくはこちら

外陰炎

外陰炎とは外陰部に起きる炎症のことで、かゆみや痛み、腫れなどの症状があります。膣炎と併発して起こることが多いです。
性交渉からトリコモナス、カンジダ、淋菌を介してうつるケースもありますが、女性器周辺を不衛生にしたことが原因で大腸菌、ブドウ球菌が繁殖し、外陰炎が引き起こされるケースもあります。
体調が悪い時や抵抗力が落ちている時に発症しやすく、通気性の悪い下着を着用していたり、セックスや自慰行為などでクリトリスなど外陰部に傷ができてしまったりした時も外陰炎を引き起こしやすくなります。
ほとんどの場合、表面を綿棒のようなもので拭うことで検査ができます。外陰部に塗るための軟膏やクリーム、抗生物質の内服などで治療できるので、悪化してしまう前に早めに病院を受診しましょう。

カンジダ症、カンジダ性腟炎、腟炎

クリトリスなど外陰部のかゆみや痛みのほかにも、おりものの色や臭いの変化があるという場合は、カンジダ症(腟カンジダ)に感染しているかもしれません。
カンジダ菌は健康な女性でも口の中や皮膚、消化管や腟などに存在する常在菌ですが、風邪などの体調不良、ストレス、疲労、免疫力の低下などによって腟の中で増殖するとカンジダ症を発症します。
カンジダ症は女性特有の病気で女性の約20%、つまり5人に1人がカンジダ症を経験していると言われています。
また、腟内に細菌などが入り込み、炎症を起こしている状態を腟炎といいます。クリトリス周辺がかゆくなりますが、座薬や内服薬、外用薬などで治療する必要があるため、できるだけ早期に受診するようにしましょう。
カンジダって治らないの?カンジダの症状が続いてしまうのはなぜ?詳しくはこちら

ヘルペス感染症(性器ヘルペス)

クリトリスの痛みやかゆみといった自覚症状があり、陰部で水泡や潰瘍などを発見した場合は、ヘルペスに感染している可能性があります。
ヘルペスを引き起こすのは、単純ヘルペスウイルスです。1度単純ヘルペスウイルスに感染してしまうと、身体の抵抗力が落ちたときを見計らうように再発します。
ヘルペスの症状が出た場合は、病院で抗ウイルス剤を処方してもらいましょう。症状によっては、点滴なども必要になるかもしれません。
性器ヘルペスについて詳しくはこちら

腟トリコモナス症(トリコモナス腟炎)

性交渉によって感染しやすいのが、腟トリコモナス症(トリコモナス腟炎)です。しかし、下着やタオル、便座、浴室の共同利用などで感染する可能性も否定できません。
腟トリコモナス症に感染すると、おりものの量が増え、性器に激しいかゆみや痛みを感じるようになります。その後、悪臭がきつく、黄緑色に泡立った状態のおりものが出るようになったり、外陰部がただれたりします。
ここまでに説明したように、クリトリスにかゆみを感じる原因はいくつも考えられます。カンジダ性腟炎やヘルペス、腟トリコモナス症などに感染している可能性もあるため、まずは病院で検査を受けることが大切です。
トリコモナス腟炎について詳しくはこちら

尖圭コンジローマ

尖圭コンジローマはHPV(ヒトパピローマウイルス)によって引き起こされる、女性も男性も同じくらいかかることがある性感染症です。
かゆみや痛みが起こるケースもあれば、自覚症状がない場合もあり、イボができて初めて感染に気づく人がほとんどです。
女性の場合は膣前庭部、大陰唇周辺、会陰部に現れやすく、まれに腟粘膜や肛門の周辺にイボができることもあります。
尖圭コンジローマのイボは大きさも形もさまざまで、巨大なイボになったり、数え切れないほど広範囲に広がったりしてしまうこともあるため、早めに病院を受診しましょう。
レーザーでイボを切除する方法と薬による治療法があります。
尖圭コンジローマについて詳しくはこちら

アテローム(外陰脂肪腫)、外陰線維腫

アテローム(外陰脂肪腫)とは小陰唇や大陰唇にできるしこりのことで、皮脂腺や汗腺の詰まりやなんらかの刺激を受けることでできると言われています。
まれに、線維組織の増殖によってできる外陰線維腫というものもあります。
いずれの場合も良性であるため、かゆみや痛みなどの症状がない場合は放っておいても問題はありません。
ただし、つらい症状がある場合や大きくなってしまった場合は切除も可能です。

萎縮性腟炎(老人性腟炎)

萎縮性腟炎(老人性腟炎)ではかゆみや痛みのほか、おりものの異臭や性交渉の際の出血や痛み、腟内がヒリヒリする、尿意切迫などの症状があります。
閉経後、女性ホルモンであるエストロゲンや卵胞ホルモンの分泌量が少なくなることで腟や外陰部が乾燥・萎縮を起こしてしまうことが原因です。腟の潤いが損なわれてしまうため、腟の自浄作用も低下します。
外陰部の炎症は副腎皮質ステロイド薬の軟膏、抗ヒスタミン薬などで治療し、場合によってはホルモン補充療法(HRT)やエストロゲンを含む腟剤を使って治療することもあります。
また、最新の医療レーザーを使って治療することもできます。
萎縮性腟炎について詳しくはこちらを御覧ください。

外陰がん

あまりないケースですが、しこりが外陰部の近くにできるとかゆみを伴うことがあります。
早期の段階では自覚症状がないこともありますが、かゆみや痛み、熱感、色素沈着、出血、白斑(皮膚の一部が部分的に白くなる)、腫瘤などの症状が現れるため「おかしいな?」と思ったら早めに産婦人科を受診しましょう。
外陰がんはHPV感染(ヒトパピローマウイルス感染)が発症に関係している可能性もあります。
HPV(ヒトパピローマウイルス)は主に性器接触で感染するウイルスで、ほとんどの人は性交渉を経験した後まもなくHPVに感染すると言われています。
HPV(ヒトパピローマウイルス)には100種類以上の型がありますが、少なくともそのうちの13種類に発がん性があるとされているため、性交渉の際にはコンドームを着用するなど、感染予防のための対策をしっかりおこなうことが大切です。
ヒトパピローマウイルス感染症(子宮頸がんなど)について詳しくはこちら

外陰部潰瘍

外陰部潰瘍とは外陰部にできる潰瘍のことで、下記のようなさまざまな原因が考えられます。
  • ヘルペス感染症(性器ヘルペス)
  • ベーチェット病
  • 湿疹に続いて起こるもの
  • 皮膚の脆弱化によるもの
  • 老化による萎縮性の炎症
  • 悪性疾患
原因のわからない外陰部潰瘍による痛みやかゆみに悩んでいるということであれば、早めに病院を受診して適切な治療を受けることが大切です。

外陰ジストロフィー(白斑症)

外陰ジストロフィーとは、白斑症や外陰萎縮症とも呼ばれていた病気で、クリトリスなど外陰部にかゆみを伴います。
白斑などの色調の変化のほか、萎縮が起こることもあります。
副腎皮質ステロイド軟膏による治療や、CO2レーザーでの蒸散治療をおこないます。6週間ほどで完治し、ほとんどの場合で再発はありません。

硬化性苔癬(こうかせいたいせん)

硬化性苔癬(こうかせいたいせん)とは、閉経後の女性や10歳以下の女児を中心に発症すると言われている病気で、外陰部に強いかゆみ、水ぶくれ、潰瘍、白っぽい変色などが起こります。
また、外陰部や副皮やクリトリス包皮などの皮膚が薄くなり、ひび割れやまたは皮膚が厚くなり皮が向けてカサカサな状態になります。
原因は解明されていないものの自己免疫疾患(免疫系が自分の身体の一部の組織を攻撃することで引き起こされる)の一つとされ、症状が進行すると皮膚同士の癒着が起こってしまい、排尿や月経に障害が出るケースもあります。
硬化性苔癬は見た目で判断することは難しく、長年にわたり硬化性苔癬を患っている患者の約5%は皮膚がんになるとされおり、治療によって症状が改善されてからも皮膚がんが出現しないよう、経過観察をおこなう必要があります。
デリケートな部分であることから受診を躊躇うケースが多い病気ですが、女性医師が中心になって診察している皮膚科や産婦人科もあるため、気になる症状があれば早めに病院で検査を受けましょう。
女性に比べると10分の1ほどとわずかですが、男性の陰茎部にも発症することがあります。
かゆみ止めの軟膏、ホルモン療法のほか、最近ではレーザー療法による治療もおこなわれています。

クリトリスのかゆみを予防する方法

クリトリスのかゆみを予防するため、ここでは、いくつかの方法を紹介しています。これらを意識しつつ、日常生活から見直していくようにしましょう。

1.生活リズムを整える

身体の抵抗力が落ちたとき、発症する病気も少なくありません。これらの病気を発症させないためには、生活リズムを整え、ストレスをためないことが大切です。

2.性器周辺を清潔を保つ

クリトリスの包皮内部は粘膜で、特に敏感な部位でもあります。かゆみを予防するためには、この周辺を清潔に保つことが大切ですが、この際、むやみに刺激しないよう気をつけましょう。
お風呂で洗う場合は、ボディソープではなく、デリケートゾーン専用のソープを利用します。その際、ソープをしっかりと泡立てたのち、前から肛門の順番で優しく洗うことが大切です。最後はシャワーでしっかりすすぎ、泡を残さないようにしましょう。

3.生理用品をこまめに交換する

生理用品は、さほど汚れていないように見えても、多くの細菌が繁殖しています。デリケートゾーンのおりものなどは細菌の栄養源であり、蒸れやすい環境でもあるため、細菌が繁殖しやすい部位です。
ナプキンなどの生理用品は長時間利用せず、2時間から3時間ごとに交換するようにしましょう。

4.抗ヒスタミン薬の使用

皮膚の炎症などが起こると、肥満細胞から分泌されるヒスタミンが原因でかゆみが生じます。こうしたかゆみを抑えるために服用するのが、ヒスタミンのはたらきを抑える抗ヒスタミン薬であり、炎症を抑える薬です。
塗り薬が処方されることもありますが、塗り薬の中にはアルコールが含まれるものもあります。アルコール成分によってかぶれや炎症がかえってひどくなりかねないため、ノンアルコールのものを利用するようにしましょう。
薬を塗った部位がヒリヒリ痛んだり、赤みが出た場合は、なるべく早く婦人科に相談することが大切です。

5.クリトリス包皮が長い場合はクリトリス包茎手術を行う

男性の包茎のように、クリトリスの包皮が長く切除した方が良い方もいらっしゃいます。
また清潔にしているけれど垢がたまりやすく、痒みや痛みが生じる方は医師に相談してクリトリス包茎手術も検討した方がいいこともあります。
※クリトリス包茎手術は保険適用はではなく自費診療です。
クリトリス包茎手術について詳しくはこちら

6.腟レーザー治療

萎縮性腟炎による痛みやかゆみ、硬化性苔癬は腟レーザー(モナリザタッチやインティマレーザー)を照射することで腟内環境の改善やホルモン分泌の活性を促すことができ、乾燥による痒みがなどが軽減される効果が期待できます。
腟レーザー治療について詳しくはこちら

クリトリスの痒み・痛みの対処法

女性器周辺やクリトリスなどの外陰部にかゆみや痛みなどの症状がある場合の主な対処法は3つです。
  1. 生活習慣の改善…ナプキンや下着のかぶれ、洗いすぎなどが原因の場合
  2. 市販薬の使用…生活習慣が原因のかゆみの場合、デリケートゾーン用の軟膏を使用することで症状を緩和できることがあります
  3. 病院(産婦人科など)の受診…かゆみや痛みがいつまでも治らない場合や、できものなど異常が見られる場合
かゆみに効く外用薬に「リンデロン」があります。以前、病院で処方してもらったリンデロンが家にあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
リンデロンはステロイドで、かゆみに効果がありますが、かゆみや痛みの原因が真菌(カンジダなど)の場合は、リンデロンを単独で塗るだけでは悪化してしまう危険があります。
ひどくなってしまう前に早めに病院を受診するようにしましょう。なお、リンデロンについては下記の記事でより詳しくご紹介していますのでこちらもチェックしてみてください。
クリトリスの痒みや痛みにリンデロンは危険?特徴や注意点について詳しくはこちら

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