menu

公開日:2021/06/09
最終更新日:2022/01/20

萎縮性腟炎の原因と発症メカニズムとは?不快な症状の治療法も紹介

記事監修

丹羽咲江
名古屋市立大学医学部
日本産科婦人科学会産婦人科専門医,日本性科学会 幹事,日本性科学会認定セックスセラピスト

投稿日:2021年6月9日 更新日:

萎縮性腟炎の原因と発症メカニズムとは?不快な症状の治療法も紹介
萎縮性腟炎は、閉経後の女性なら誰でも起こる可能性のある疾患です。
その病名はあまり知られておらず、非常に多くの女性が治療できることを知らないまま我慢しているといわれています。
子宮や卵巣、腟などの女性器は、女性ホルモン「エストロゲン」の作用を強く受けているため、加齢によってエストロゲンの分泌量が減少すると腟が老化して腟萎縮がはじまります。
腟萎縮が進むことによって外陰部の潤いと弾力が失われ、傷つきやすくなるとともにさまざまな不快な症状が現れるのです。
萎縮性腟炎は年齢を重ねた女性が多く発症することもあり、老人性腟炎と呼ばれることもありますが、閉経していない若い世代の女性でも発症する場合があります。
若い女性が萎縮性腟炎を罹患すると、さまざまな面でマイナスの影響を受けてしまうので注意が必要です。
萎縮性腟炎は、婦人科で適切な治療を受けることで症状を改善できますが、中には深刻な疾患が原因となっているケースもあるため、症状を自覚している方は早急に病院を受診するようにしましょう。
この記事では、萎縮性腟炎についての詳しい情報と治療法についてご紹介します。
デリケートゾーンの不快な症状にお悩みの方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
yoniCARE クレジット24分割

萎縮性腟炎とは

萎縮性腟炎は、閉経した女性のおよそ4割以上がかかっているとされる疾患です。
腟や外陰部などに関する不快な症状は、昔から多くの女性が感じていたはずです。しかし日本では、年齢を重ねた女性のデリケートゾーンのお悩みは極めてプライベートなもので、誰にも相談できない話題であるため、治療はおろか病院へ相談することもできずひとりで長年抱え込んでしまう傾向にあります。
ここではまず、萎縮性腟炎についての詳しい情報をご紹介します。

原因と発症メカニズム

萎縮性腟炎の主な原因は、エストロゲンの分泌量が著しく減少することです。
エストロゲンには、以下のような作用があります。
  • 腟内を湿潤に保つ
  • 卵子を成熟させる
  • 腟や外陰部の皮膚を正常に保つ
  • 子宮内膜を厚くする
  • コラーゲン産生を促進
  • 自律神経の働きを安定させる
エストロゲンの分泌量が減少すると腟内が乾燥して腟や子宮内膜が薄くペラペラの状態になりす。
腟のpHを保つ乳酸桿菌も減少してしまうため、腟内がアルカリ性に傾き自浄作用が弱まってしまいます。
以下は萎縮性腟炎の発症メカニズムをまとめたものです。
  1. エストロゲンの分泌量が減少
  2. 腟壁のコラーゲンが減少して腟の萎縮がはじまる
  3. 腟粘膜が傷つきやすくなる
  4. 雑菌が繁殖しやすい環境になる
  5. 傷ついた粘膜に雑菌が繁殖して炎症が起こる
乾燥しやすくなった腟内は、歩いて擦れるだけでも傷つき炎症を起こします。傷ついた箇所に雑菌が繁殖することと、乳酸桿菌の減少による自浄作用の低下が重なると、症状がさらに悪化してしまう可能性もあります。
また、若い女性の場合以下に当てはまる方は、萎縮性腟炎を発症する恐れがあるので注意しましょう。
  • 生理不順
  • 喫煙
  • 女性ホルモンを抑制する薬剤の使用
  • 産後長期にわたって授乳した
  • 卵巣摘出手術を受けた
  • がん治療を受けた
病気で卵巣を摘出したり、長期間授乳したりすることで生理がストップしてしまうと、エストロゲンの分泌量が低下してしまいます。
また、喫煙は年齢に関わらず卵巣への血流障害を引き起こし、萎縮性腟炎の原因となります。

主な症状

突然性器から出血し、子宮がんではないかと婦人科を受診される方もいる萎縮性腟炎。性交時に激しい痛みを感じることもあり、QOL(生活の質)に深刻な影響を与えます。
以下は、萎縮性腟炎の主な症状です。
腟の症状
  • 乾燥感
  • 灼熱感
  • 掻痒感
  • おりものの異常
  • 違和感
  • 性交痛
  • 出血
その他の症状
  • 頻尿
  • 尿漏れ
  • 膀胱炎
  • 排尿痛
  • 感染症
  • 血尿
  • びらん
  • 潰瘍
萎縮した腟粘膜は、ちょっとしたことで傷ができて出血します。雑菌が繁殖し、黄色や褐色のおりものが続き、悪臭を放つことも。
若い女性が発症した場合、妊娠にも影響を与える可能性があるので注意が必要です。

検査と診断

萎縮性腟炎は、患者さんの年齢や内診によって容易に診断が可能です。内診では腟粘膜の萎縮の程度や出血の有無を調べ、細胞培養の検査を行います。
しかし、萎縮性腟炎は子宮がんなどの深刻な疾患が原因となっているケースもあるため、細胞診検査や超音波検査による子宮や卵巣の検査を受けることが多いです。
また、細菌や真菌への感染が疑われる場合には、腟分泌液の培養検査などで病原菌を特定します。
その結果によって、婦人科の医師が最終的な診断を行います。

治療法について

萎縮性腟炎は、本人が不快でなければとくに治療の必要のない疾患です。しかし、感染症などを併発する恐れも十分あるため、我慢せずに早めに受診して治療を行いましょう。
ここでは、萎縮性腟炎の治療法についてご紹介します。

投薬治療

萎縮性腟炎は、エストロゲンの分泌量が減少することが原因で起こる疾患です。
そのため、まずはエストロゲンの局所投与、次にホルモン補充療法(HRT)が選択されます。
日本産科婦人科学会のガイドラインによると、エストロゲンの局所投与が萎縮性腟炎治療の第一選択です。
以下は、一般的なエストロゲン局所投与の選択肢です。
  • エストリオール製剤
  • エストロゲン製剤
  • かゆみ止め
  • 殺菌剤
治療には内服薬や腟錠を使用し、細菌感染があれば抗生物質の腟錠を併用します。また、かゆみにはかゆみ止めの塗り薬なども処方されますが、腟の萎縮そのものの改善にはなりません。
通常薬剤を投与して数日から2週間程度で症状は改善しますが、症状が重いと1ヶ月から3ヶ月程度かかる場合があります。
薬剤による治療で症状が改善しても、時間と共に再び症状が出ることもあります。これは、生理的にはエストロゲンが分泌されないことによるものです。
再度症状が出た場合には、婦人科で検査を受けたうえでエストロゲンの投与を再開する必要があります。
また、ホルモン補充療法(HRT)には、以下のような副作用があります。
  • 不正出血
  • 乳房の張りや痛み
  • おりもの
  • 下腹部の張り
  • 吐き気
使用する薬剤によって副作用のリスクに違いはありますが、体が慣れてくれば自然とおさまるでしょう。

レーザー治療

症状が進んでいる場合や、ホルモン補充療法(HRT)では症状が改善しきらない場合、または乳がんを経験した方などホルモン剤が使用できない方は、レーザーを用いた治療が効果的です。
近年、顔のたるみやリフトアップに使用されている炭酸フラクショナルレーザーを腟と外陰部専用に応用した「モナリザタッチ」や、ロングパルスエルビウムヤグレーザーを用いた「インティマレーザー」を導入するクリニックが増えています。
モナリザタッチは、腟や外陰部に炭酸ガスレーザーを照射し、腟粘膜や外陰部の線維芽細胞を活性化する治療です。
コラーゲンの産生を促進することで潤いと厚みを取り戻し、加齢による腟の乾燥や性交痛、気になるにおいやかゆみなどを改善します。
インティマレーザーは、fotona社のsmoothモードという技術により腟粘膜固有層にまでレーザーを照射し、皮膚の浅い部分には影響を与えずに細胞を若返らせ、尿道や腟周辺の組織を回復させます。
照射範囲が広く、腟の奥から腟口、小陰唇まで広範囲の治療が可能です。また、副作用もほとんどなく回復までの時間が早いのも特徴です。
モナリザタッチ
インティマレーザー

腟HIFU

腟HIFUは、高密度焦点超音波治療法(High Intensity Focused Ultrasound)の技術を応用して腟の引き締めを行う治療機器です。皮膚の深い部分にある筋層まで熱を与え、女性器を若返らせる効果があります。
子宮がんや肝臓がん、子宮筋腫の治療にも使用されているほか腟の引き締めや弾力アップ、尿漏れ、性交痛を改善し女性のデリケートなお悩みを治療します。
これまでの超音波治療機器は扇状に広がっていく照射形式でしたが、HIFUは特殊なレンズでエネルギーを1点に集中させられるため、腟粘膜の表面を傷つけずに内部へエネルギーを伝え、ほかの組織にダメージを与えることなく治療できるようになりました。
代表的な腟HIFU機器には、「ヴィーナスハイフ」や「yoni HIFU」があります。
ヴィーナスハイフは、腟のエイジングケアのために開発された施術機器です。30万症例以上の施術数を誇り、安全性と効果が証明されてきました。
出産による腟のゆるみだけでなく、加齢による不快な症状や尿漏れなどにも確実に効果を発揮します。
yoni HIFUは、従来のHIFUより照射ラインを増やすことで点ではなく面で照射するため、1回の治療における効果が格段にアップした治療機器です。
また、全自動で360度照射するので、施術者によるクオリティの違いがなく確実に効果を実感できます。
yoni HIFU
ultra vera

まとめ

萎縮性腟炎についての詳しい情報と治療法についてご紹介しました。
主に閉経後、エストロゲンの欠乏により不正出血やおりもの、かゆみや不快感などを感じる萎縮性腟炎。
潤いがなくなり乾燥した腟は、傷つきやすいためすぐに出血してしまいます。また、腟内も雑菌が侵入しやすく感染症にもかかりやすい状態です。
雑菌の侵入を防ぐためにデリケートゾーンを清潔にするのは大切なことですが、シャワーで何度も洗い流したり、全身用の石鹸でゴシゴシ洗ってしまうと皮膚や粘膜が痛み、かえって症状を悪化させる可能性があるのでやめましょう。
萎縮性腟炎は、命に関わる疾患ではないので治療すれば症状は改善します。言い換えると、治療をしなければ症状は改善しないということです。
閉経後の人生が長くなっている今、働き続けている女性も増えています。生活の質を上げ、より人生を楽しむためにも、日々の不快感や性生活の悩みをもたらす萎縮性腟炎は治療すべきなのです。
ホルモン治療には抵抗があるという方も多いので、そのような場合はレーザーや腟HIFUによる治療を検討されてはいかがでしょうか。
もしかしたら萎縮性腟炎かもとお悩みの方は、本記事を参考にしてみてください。
詳しく知りたい方はfemtify公式LINEアカウントへお友達登録をお願いします
LINE

注目クリニック

  • 腟レーザー
  • 婦人科形成

ウルトラヴェラなら東郷美容形成外科 福岡

グランジョイクリニックのyoniHIFU(ヨニハイフ),モナリザタッチ,モナハイフの料金

小陰唇縮小なら東郷美容形成外科 福岡

すそわきが あやべクリニックのバナー画像