Labia minora reduction techniques: a comprehensive literature reviewに関しまして、要約して日本における美容外科クリニックでの小陰唇縮小手術事情と照らし合わせ、考察してみました。
Carlo Maria Oranges 1 , Andrea Sisti 1 , Giovanni Sisti 1
Aesthet Surg J 2015 May;35(4):419-31.
Abstract
Background: Many studies of techniques to reduce the labia minora have been published in recent decades, including case reports and retrospective case series. However, to date, there has been no study of the overall complications or satisfaction rates associated with the broad spectrum of techniques.
Objectives: The authors performed a comprehensive literature review to determine outcomes and complications of labiaplasty techniques, including patient satisfaction.
Methods: A search on PubMed/Medline was performed with the keywords labiaplasty, labioplasty, labial hypertrophy, and techniques plus labia minora reduction. The inclusion criterion was clinical studies in which techniques of labia minora reduction were described. Excluded from the study were publications not dealing with surgical procedures and review articles.
Results: Thirty-eight studies, published from 1971 through 2014, were included; this represented 1981 treated patients. Eight labiaplasty techniques were identified from these studies: edge resection, wedge resection, deepithelialization, W-plasty, laser labiaplasty, custom flask, fenestration, and composite reduction. Satisfactory results, judged from clinical examination, were observed with all 8 techniques. Few postoperative complications occurred. In a small number of cases, complications required surgical revision or secondary resection.
Conclusions: All 8 labiaplasty techniques resulted in good outcomes, including high patient satisfaction and low morbidity.
引用:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25908699/
この論文の要旨は次のようにまとめられます。
ここ10年間にわたって症例報告や後ろ向き試験など小陰唇縮小術の研究が数多く行われきました。
幅広い手技に関する包括的な後遺症や患者の満足度の研究は最近まで認められていません。
小陰唇縮小術を受けた患者満足度を含めたレビューや合併症や小陰唇縮小術の手技の結果を決定するため包括的文献のレビューをまとめてみました。
PubMed/Medlineの検索キーワードとして陰唇形成術、陰唇形成術、陰唇肥大、および技術と小陰唇減少で行われた。含まれるべく基準は、小陰唇減少の技術が記載された臨床試験であった。
1971年から2014年にかけて発表された38の研究が含まれていました。これは1981人の治療患者を表します。これらの研究から8つの陰唇形成術技術が明確にされました。エッジ切除、くさび切除、深層化、W-プラスティ、レーザー陰唇形成術、カスタムフラスコ、フェネストレーション、複合切除。臨床検査から判断した満足のいく結果は、全8つの技術で観察された。術後合併症はほとんど起こらなかった。少数の症例では、合併症は外科的修正や二次切除を必要とした。
8つの陰唇形成術手術はすべて、患者の満足度が高く、合併症率が低いなど、良好な結果をもたらした。
つまり、
8つの手術法が小陰唇縮小術に行われているがいずれも結果良好であり合併症も少なく患者満足度の高いものであった日本国内でも最近はメディアでの特集や美容外科IQだけでなくボディパーツ、デリケートゾーンケアへの関心の高さなどから小陰唇縮小術を希望される患者様が増えています。
美容外科医にとりまして手術の難易度は高くなく 比較的容易で手術の基本手技取得にも長期間を要するものではありません。国内では、炭酸ガスレーザーが臨床で使用されるようになってきた25年ほど前の美容外科医が小陰唇切除に炭酸ガスレーザーを使用して短時間で過剰な組織を除去できることをメリットとして実施されていた医療機関もありました。
しかし、当時の炭酸ガスレーザーの導入コスト(25年ほど前は当時の価格で800万円ほど)の問題や期待していたほど傷跡がきれいにならない(切除断端は熱傷となるため凝固層を作り、ある程度止血効果が認められるが実際は、動脈の断端の止血効果は無かった)むしろ1次治癒が遅れてしまった。ということで徐々に炭酸ガスレーザーの使用は行われなくなりました。
これは25年ほど前に
包茎の手術を炭酸ガスレーザーでクランプという器具を使用して行っていた大手美容外科チェーンクリニックや男性専門クリニックが乱立してトラブルを起こしたケースと似ています
当時はPR広告で炭酸ガスレーザーで包茎が治ると派手なキャッチコピーで患者の集客を図っていたクリニックも傷跡の醜さでクレームが殺到しあっという間に炭酸ガスレーザーでの包茎治療は無くなってしまいました。小陰唇縮小術はニーズが少なかったため大きなトラブルにはなりませんでしたが同様の事です。
メスで正確にカットした断端の方が実際は炭酸ガスレーザーのカット断端面よりキレイだったのです。
小陰唇の大きさや形状は個人差が大きく、これにより術式が変わることがありますが現在、国内ではエッジ切除、くさび切除が主流となっています。
仕上がりをより自然な形状にできるエッジ切除を私は実施していますが、小陰唇の形状によっては過去にはくさび切除も行っていました。
小陰唇縮小術の合併症について
1:出血2:血種形成
3:縫合部周辺の壊死(縫合不全)
4:感染が考えられますが、経験豊富な医師の施術であればいずれもまず起こりません。
ほとんどの合併症は、担当医の技量不足や経験不足によるものです。
美容外科手術の中では手技としては比較的容易ですが、正確なデザイン、術後の仕上がりを想定した術式の選定と切除、縫合がとても大切です。
つまり手術を担当する医師のセンスが術後の仕上がりや患者様の満足度に直結するのです。
ただ余剰な小陰唇の組織を切除すればよいといった手術ではなく、いかに自然な形状に仕上げるかがこの手術の目的なのです。
技量不足の医師が小陰唇を過剰に切除して抉れたような状態になって、縫合部位が壊死を起してしまう症例も決して少なくありません。
我々、美容外科医は手術を受ける患者様が結果に満足していただけるよう、多くの文献に目を通し手術手技を検討し知識を増やし日々、研究、勉強、鍛錬しております。