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公開日:2021/05/11
最終更新日:2021/05/11

周期的に腹痛が起こる処女膜閉鎖症とは?【産婦人科医師が解説】

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周期的に腹痛が起こる処女膜閉鎖症とは?【産婦人科医師が解説】

処女膜閉鎖症とは?

通常は腟にある処女膜には穴があいていますが、この穴が塞がってしまっている症状のことを処女膜閉鎖症といいます。

「思春期になっても月経が来ない」「周期的に腹痛が起こる」という特徴があります。

処女膜閉鎖症の症状

人間の身体は生まれる前の胎児期に作られますが、その過程で尿生殖洞と腟腔を分離している処女膜が破裂する際に障害が起こり、処女膜にあるはずの穴ができなかった状態が処女膜閉鎖症です。

処女膜閉鎖症を放置すると、思春期になって月経を迎えた時、経血が腟内に溜まってしまい尿道や膀胱を圧迫して尿閉(排尿ができない、排尿後にも大量の残尿が残る)を引き起こしてしまいます。

また、排出されない経血が子宮や卵管内に溜まることで定期的な腹痛を感じるようになります。

処女膜閉鎖症の原因

先天的な処女膜形成異常が処女膜閉鎖症の原因です。

まだ胎児がお母さんのお腹の中にいる時に、尿生殖洞の細胞と将来的に子宮・卵管になる部分の末端細胞とが同時に増殖することで腟板を形成し、その後に空洞ができることで腟となります。

しかし、この過程で何らかの障害が発生すると正しく処女膜部分の形成が行われず、その結果、処女膜が塞がったままになってしまうのです。

処女膜閉鎖症の検査・診断

処女膜が完全に閉塞してしまっていると、腟の中だけでなく子宮にまで粘液が溜まってしまうことがあります。

下腹部の痛みを感じたことで検査を受ける方が多く、超音波やCT検査によってお腹の中に粘液が溜まっていないか、処女膜閉鎖症であるかどうかを検査します。

処女膜閉鎖症の治療方法

処女膜閉鎖症は放置すると経血や粘液が子宮・卵管にまで溜まってしまい、これが子宮留症や卵管留血症に発展してしまうことがあります。

不妊に陥ってしまうこともあるため、早めに産婦人科・婦人科で治療を行うことが重要です。

処女膜閉鎖症は処女膜切開術という手術で治療を行います。

処女膜切開術について

処女膜切開術は産婦人科・婦人科・婦人科形成などで行っています。

比較的軽微な手術ですので、日帰りで手術が可能です。

処女膜切開手術は「処女膜の一部に切れ目を入れる方法」と「円状に切開する方法」があります。(下図は円状に切開した図です)

 

 

 

健康保険は適用されるの?

処女膜閉鎖症の診断がついた場合、保険適用になります。

ただ、保険の範囲ですと術式やオプションに制限がありますので、希望の方法が保険に対応しているか確認してください。

また、自費で手術を希望することも可能ですので、病院と相談してみましょう。

手術費用の相場は?

処女膜切開術にかかる費用は、保険診療ではなく自費の場合、各クリニックで5万円〜20万円とばらつきがあります

切開か、部分切除か、全切除か、麻酔はどの種類を使うかなど、治療方法やオプションは各クリニックによって特色があり、それぞれ価格が異なります。

手術費用の内訳については病院にしっかり確認するようにしましょう。

処女膜切開後の経過は?

手術は必ず麻酔をかけるので、痛みはほとんどありません。

術後の痛みも鈍痛が出ることがありますが、日常生活の支障となる痛みが出ることはまれです。

術後2日から軽く体を動かしたりデスクワークができるようになります。

術後1週間が経過しますと、激しい運動も可能になります。

処女膜切開術は術後のケアで選びましょう!

処女膜切除術を行う産婦人科・婦人科を選ぶときは、

処女膜切開術の経過で、腟ダイレーターを用いてトレーニングを行うクリニックがオススメ。

実は処女膜を切開してもそのまま経過するともとに戻ってしまうこともあるんです。

腟ダイレーターは患者さんに合わせられるよう大きさが段階的にあり、術後すぐは細いものから、だんだん太いものを入れるようにトレーニングしていきます。

練習方法は以下の通り。

ローションを腟ダイレーターに塗り、できるだけ深く挿入させます。

力を入れたり抜いたりを繰り返し、腟の力が抜けてきたところでさらに奥まで入れられたら、10~15分間そのまま入れておきます。

腟ダイレーターを入れている間はテレビを見たりベッドで横になったり、それぞれリラックスした状態で過ごします。

時間になったら腟ダイレーターを出しておしまいです。

使った腟ダイレーターは石鹸でよく洗います。

もしトレーニングの途中で出血したり痛みを感じることがあったら、トレーニングを中止してクリニックに相談しましょう。

まとめ

「処女膜閉鎖症」は比較的珍しく、ほとんど知られていない病気です。

放置しておくと経血がたまって排尿や排便にも障害がでてきたり、不妊症の原因となる可能性もあります。

初潮が遅れているのに定期的な疼痛がある場合は産婦人科や婦人科に相談してみましょう。

記事監修

丹羽咲江
名古屋市立大学医学部
日本産科婦人科学会産婦人科専門医,日本性科学会 幹事,日本性科学会認定セックスセラピスト

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