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公開日:2020/03/26
最終更新日:2020/04/09

性交痛治療の名医「丹羽咲江医師」と一般女性でSEX座談会を開いてみた。女性が痛くなく気持ちが良いSEXとは?

投稿日:2020年3月26日 更新日:

咲江レディスクリニック 院長 丹羽咲江先生

「彼のことがとても好きだけど、いまいちSEXに積極的になれない」

「いつも痛みを我慢しながらSEXしていて、本当は気持ち良くない」

などお悩みではありませんか。
SEXはデリケートなものなので、なかなか他人には相談できない女性も多いことと思います。
SEXに悩みをもつ女性2名と性交痛治療のスペシャリスト【丹羽咲江先生】1名で座談会を行いました。女性の方のみならず、男性の方もぜひご参考にしてください。

下着姿の男性と女性が愛撫しそうな

平瀬さん:「セックスのとき、彼にこうしてほしいという意見が言えずに、受け身になりがちで違和感やもどかしさを覚えるときがあります。」

咲江先生:「そうなんですね。そう、だから、本当に気持ちいいと思えるセックスをできている女性は、限りなく少ないと思います。明治時代くらいから夫の要求に「応じる」って表現があるでしょう。あの感じはまだ残っているようで、診察室では夫やパートナーには言えないけど、医師である私たちになら、という相談が本当に多いですよね。」

上原さん:「男性は、イッたか、イッていないかを女性に求めすぎている気がします。私もイクことはとても気持ちいいんですが、男性が思っているほど重要視していません。男性のなかには、挿入前の意識が強いというか、やっぱり女性にオーガズムを体験させたいという支配力が出るのでしょうか。」

咲江先生:「それって、前戯が激しすぎるってこと?」

上原さん:「ええ、そうなんです。愛している人に身体を触れられることは嬉しいです。挿入前に前戯でイクのも気持ちいいです。でももっとハグしてほしい、触れてほしいと思うんです。身体を触られているとき、女性はとても幸せな時間だと感じる人は多いと思いますが。」

平瀬さん:「そうよね、それからクンニ(クンニリングス)を強くすれば快感になると思っている男性も多い気がします。強く舐められても痛いのに。」

上原さん:「女性の身体はとてもデリケートだということを、男性にわかってほしいです。優しく触れてほしいですよね。敏感で傷付きやすい場所なので歯で甘噛とか、強く舌でこすりすぎるのはやめてほしいです。」

咲江先生:「わかります。男性のセックスへの思いと女性が思うセックスも違いますし、そもそも脳の作りも違いますからね、性欲も。元々、女性の性欲は男性の性欲と違うんですよね。女性は、自分を守ってくれそうな相手を探し、「この人だったら私を守ってくれる」と思える男性にこそ性欲が湧きます。だからまず安心させてくれたほうが気持ち良くなれる。」

上原さん:「それに私、日によってSEXですごくお腹が痛くなるんです。」

咲江先生:「それはつらいですね。いつ頃ですか?生理前の一週間の間ではないですか?」

上原さん:「そう言われてみると、生理前だったような気がします。生理の周期に関係あるんですか?」

咲江先生:「関係あるんです。あなたのように生理前の第4周期にSEXをするとお腹が痛くなる女性が多いです。女性ホルモンはエストロゲンとプロゲステロンの2つバランスによって排卵をし、体調の変化を起こしていますが、生理の28日周期で考えたとき、生理前の第4週目はプロゲステロンの量が増加して、私たちの体内では腸管の動きが鈍くなってお腹にガスが溜まりがちになっています。生理前にお腹が張ることはありませんか?」

上原さん:「あります。お腹が張ってウエストのきついスカートは履けなくなります。」

咲江先生:「そうですよね。さらに排卵時には腹腔内には卵胞液という水が溜まることもあり、そんなときにSEXで男性が挿入して激しく突いてしまうと、とても強い痛みが起きてしまうんです。よって生理前の第4週目は激しい愛撫よりも、クリトリスを触る優しい愛撫にしたほうが女性の身体にいいです。Gスポットを刺激するなどの激しいSEXは排卵前の第2週目頃がおすすめです。」

上原さん:「そうなんですね。」

咲江先生:「さらに女性の性欲が一番高まるのも、生理開始から14日後の排卵日です。男性によっては、「女性は生理前にSEXをしたくなる」と信じている方もいらっしゃいますが、これは間違いです。生理前は女性ホルモンが最も少なくなっている状態なので、女性の性欲は弱まります。生理が始まってから14日目ほどが排卵日になり、この直前で性欲を高めるエストロゲンというホルモンが最も排出されます。この時期だと、女性もいつもより積極的にSEXに臨めるかもしれません。元々SEXは子供を作るための行為なので、理にかなった生理現象と言えます。」

上原さん:「そうなんですね、女性の身体のサイクルを男性もきちんと知るべきですね。」

平瀬さん:「ちなみに痛くないSEXの体位ってあるんでしょうか?」

咲江先生:「個人差もありますが、時雨茶臼、百閉、抱き地蔵、達磨返しなどは、女性の性交痛を和らげる体位としておすすめです。」

平瀬さん:「ありがとうございます。今度試してみます。強引なセックスが好きだとか、粗いセックスの性癖がある女性もいるとは思いますが、その人その人の好みを身体の性質を反応とかコミュニケーションでわかってほしいです。」

咲江先生:「「感じるセックス」は、科学的にいうと脳に興奮をもたらすドーパミンが分泌されるからなんです。触り方・舐め方・しゃべり方がこうだから必ず「感じる」ということはまったくありません。男性の方々に強いて伝えたいのは、女性がもつ性癖に合わせた雰囲気やシチュエーションづくり、感じるツボやコミュニケーションを大切にしてほしいです。」

平瀬さん:「感じるセックスと肉体の反射のセックスの違いは潮吹きですよね。女性が気持ちいいのは、身体と同時に心も満たされるように感じる精神も含めた快感なんですよね。イクとか潮を吹くといったオーガズムよりもっと先にある、エクスタシーの感覚ですよね。」

上原さん:「わかります。そういえば彼から「潮吹かないの?」としつこく問われるたことがあります。私は潮を吹いたことはないのですが、これは異常なんでしょうか?」

咲江先生:「異常ではないので、心配はいりませんよ。潮吹きはオーガズムと解釈して間違いありませんが、全員が吹くわけではありません。潮は腟から出るものではなく、尿道から放出されます。水のように透明で色も臭いもない液体と言われています。ですが潮を吹く女性は少数なので、吹かなくても心配はいりません。これも男性にきちんと理解してもらいたいですね。」

上原さん:「ありがとうございます、安心しました。私は潮を吹かなくても、彼と抱き合っているだけでも幸せを感じます。子どもがどこか痛かったときに、母親が手を当てると痛みが和らぐような感じです。肌と肌を重ね合わせるスキンシップを女性は本能的に知っているんでしょうね。」

咲江先生:「ええ、そうですね。これはオキシトンというホルモンの影響も大きいと思われます。オキシトンは「恋愛ホルモン」や「抱擁ホルモン」、「幸せホルモン」と呼ばれ、オキシトンが分泌されると、幸福感や信頼感が高まります。犬を飼っている方であれば、犬をなでて触れあうだけでオキシトンが分泌されますし、人間同士の簡単なボディタッチはもちろん、男女の肉体的な接触で分泌されます。女性がSEXで抱きしめ合う密着だけでも満足感を得られるのはオキトシンによるところも大きいでしょう。」

平瀬さん:「それから男性には雰囲気も大切にしてほしいです。女性の多くは「ロマンチック」が好きだと思うんです。やっぱりお姫様に憧れるんですよね。(笑)」

咲江先生:「ロマンチックは外せないですね。(笑)」

平瀬さん:「はい、私は間接照明やキャンドルだけでもいつもと違う雰囲気になれるし、きれいな夜景の見えるお部屋だったらこの上ないです。」

上原さん:「その気持ちわかります。それから私は匂いにも気を使ってほしいです。女性は男性以上に匂いにも敏感で、ちょっとした臭いでもテンションが下がったりしてセックスに集中できなかったりしますよね。だから、セックスでいい匂いを作ることって大切だと思うんです。」

咲江先生:「そうですね、間接照明・キャンドル・香りなどでリラックスしたムードを作ると、愛液も出やすくなります。SEXの前戯をしても濡れないと悩んでいる女性も多いですが、愛液の量は快感よりも体調のほうが影響しています。気持ちがいいから濡れる、というよりも、風邪気味だ、残業で疲れているなどが原因で愛液の量が極端に減ることがあります。身体の調子がいいと愛液の量は増えますので、さらに間接照明やキャンドル、香りなどで身体が穏やかにリラックスできると、濡れやすく、痛みも少ない気持ちのいいSEXができるでしょう。」

平瀬さん:「ムードは本当に大切ですよね。」

咲江先生:「そうですね、診察していて思います、こういったセックスを考えながら楽しむ世代って、圧倒的に40代後半から50代前半のバブル世代が多いような気がしますね。「腟圧を測ってください」、という患者さんはバブル世代がほとんどなんです。この世代は「セックスも楽しまなきゃ」という意識が強いのかもしれません。性機能にすごく感心があるんでしょうね。
さらに女性は40歳から50歳で性器に大きな変化が起こりますからね。年齢とともに筋肉が衰え、骨盤底筋が弱まるので、女性器の位置が変化するんです。腟の位置が若い頃は尿道に近い「上つき」だったのが、肛門よりの「下つき」になるんです。一般的に「上つき」は締まりが良く感じやすいのですが、「下つき」になるとどうしても物理的にゆるく広がってしまう。
そんなこともあって最近注目されているのが「腟レーザー」です。NHKのあさいちでも取り上げられた閉経前後の女性特有の悩みを解決できる最新の治療なんです。腟内に炭酸ガスレーザーやYAGレーザー、高周波を出す棒状の機器を入れ、コラーゲンの成長を促します。こうすることで腟内に弾力が生まれ引締める効果や尿漏れ、性交痛治療の改善につながるんです。」

上原さん:「そんな最新治療があるんですね。痛くないのでしょうか?腟内に入れるというだけで、怖いなとも思うのですが。」

咲江先生:「腟内はほとんど痛みはありません、麻酔クリームを外陰部に塗ってから施術をします。ほかにも大陰唇にはヒアルロン酸を注入することで、ふっくらさせ、ハリが生まれ、若々しさを蘇らせる手術もありますね。ヒアルロン酸は腟口付近に注入すると腟の入り口のところに盛り上がりができて、腟口付近の圧が上がり締まりが良くなるんです。これも性機能を気にする女性からのご相談が多いですね。」

平瀬さん:「年齢を重ねるといずれそういうこととも向き合うことになるんですね。ところで10代、20代の性事情には特徴はありますか?」

咲江先生:「10代、20代の悩みで多いのは、小陰唇を小さくしてほしいとか、見た目の悩みが多い印象があります。」

上原さん:「思春期の頃って見た目が気になりますよね。それにスマホ世代の10代、20代はたくさん情報が溢れていて性についても混乱しそう。そういえば胸は揉まれたら大きくなるというのは本当ですか?」

咲江先生:「10代の子たちから聞かれる質問ですね。胸は女性ホルモンが分泌されることで大きくなります。期間があり、12歳から20歳前後の思春期から成人の頃に分泌量が多ければバストが大きくなります。なので揉むだけでは直接的に効果があるとは言えません。」

上原さん:「そうなんですね。」

平瀬さん:「そういえばSEXをしすぎると小陰唇が黒くなるというのは本当ですか?自分は黒いのかなと、なんだか恥ずかしくなることがあります。」

咲江先生:「この質問も度々受けます。SEXのしすぎというよりも、黒くなるのは日常生活で歩く時にこすれることが原因です。小陰唇は元々メラニンの色素が濃いため黒ずんでいるんです。さらに刺激によって色素は沈着します。よってSEXの刺激で沈着しないことはないですが、それよりも日常生活で歩いている時間のほうが圧倒的に長く、このときにこすれるのが小陰唇が黒くなる一番の原因です。黒さを気にする方も多いですが、みなさん黒いので気にかけることはないでしょう。」

平瀬さん:「他人のみる機会がないので、黒ずみはとても気にしていました。」

咲江先生:「私は10代の中高生に性教育の講演を行っていますが、最近の若い世代は、「女性がアンダーヘアを整えるは常識。ヘアがボーボーとなっているのは昔の美意識が低い女性」と認識されていることに改めて驚きました。アンダーヘアをツルツルにしている女性は4割にものぼるようです。」

平瀬さん:「4割も!!」

上原さん:「私の周りでもツルツルにしている子、結構います。美容クリニックでレーザー脱毛をして。私自身もきれいにしています。衛生的にもいいと聞きますし。」

咲江先生:「そうですね、女性は生理のときにヘアがないとムレないので快適だし衛生的に過ごせるというのがあります。また海外では男性も脱毛することがSEXでの衛生上のマナーだとされている地域もあります。」

平瀬さん:「衛生面だけじゃなくSEXのときも男性にきれいに見られたい、っていう美意識が高い10代、20代の女性が増えているのかな。そういえば乳輪アートメイクというのがあるって本当ですか?」

咲江先生:「よくご存知ですね。そうなんです、美容整形の分野で医療アートメイクというのがあります。眉毛やアイラインの皮膚に色素を沈着させて、汗や洗顔でも落ちないメイクを施しますが、その医療アートメイクの一つが「乳輪アートメイク」なんです。」

上原さん:「乳輪に!?そんなのがあるんですね?!」

咲江先生:「あるんです。黒ずんでしまった乳首にピンク色の色素を沈着させたり、乳輪自体を大きくしたり、小さくしたりもできます。本来は乳がんの手術後などに、乳輪を整えたいというニーズがあって普及してきた技術でしたが、最近は乳輪をもっとピンク色にしたい、左右対称の大きさにしたいということまで挑戦する女性も増えています。乳輪の色に悩む20代?30代の女性が多いようです。」

平瀬さん:「そうなんですね。最近ではネットでいろいろな情報が流れきれいな女性を見る機会も増えているので、整形で自分もきれいになろうという美意識が高まっているのでしょうか。」

咲江先生:「技術もいろいろ進んでいるけど、昔なら有り得なかったかな、という不思議な患者さんもいるんですよね。先日20代前半の女性が来院されたのですが、「先生だけにしか話したくないので、看護師さんはいない方がいい。」って言うの。すごくおとなしい感じの女性で、看護師さんが席を外してもらって、「看護師さんにも聞かせたくないってことって何?」っと尋ねたら、「妊娠するのが心配でセックスするときはいつもお尻の穴でしているんです。でもこの間、勢い余って腟に入ってしまって、妊娠していないか心配なので診てもらいに来ました。」と。独身でしたが、今までずっとお尻でセックスをしていたって言うのよ。」

平瀬さん:「ええっ。性の知識がなくてきちんと挿入するセックスができない若者がいる、という話はよく聞くけれど、それとは全然違いますね。」

咲江先生:「本当に驚きました。肛門性交は、よく締まるから男性は気持ちいいんですよね。でも、女性には痛いですよ。」

平瀬さん:「聞いているだけで、ゾクッっとします,,,」

咲江先生:「最近の女性って、自分も相手も気持ちよくなるためにはどうしたらいいか積極的に情報を吸収している人と受け身になっちゃう人と、二極化しているように感じます。さっきもありましたが、好奇心旺盛なグループはバブル世代に多いようですね。」

上原さん:「そうですね、今日お話を聞いて、私はSEXについて知らなかったことばかりでした。」

平瀬さん:「私もです。」

咲江先生:「日本の女性は正しい性の知識を積極的に得ようという人は、まだ少数派なのかもしれませんね。本来は男性も女性も協力して、どこが一番感じるか、何をしてほしいのか伝え合わないと「いいセックス」にはたどり着けません。」

上原さん:「私も相手に伝えるように努力していきます。」

平瀬さん:「私もがんばります。」

咲江先生:「SEXはとても大切な男女のコミュニケーションの一つだから、お互いに苦痛や負担のないSEXをしてほしいです。そのためには今日お伝えした女性の身体の仕組みをまずは女性自身が正確に知り、男性も同じく知ることが大切ですね。」

記事監修

丹羽咲江
名古屋市立大学医学部
日本産科婦人科学会産婦人科専門医,日本性科学会 幹事,日本性科学会認定セックスセラピスト

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