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公開日:2021/01/14
最終更新日:2021/10/07

ピルとは?

記事監修

丹羽咲江
名古屋市立大学医学部
日本産科婦人科学会産婦人科専門医,日本性科学会 幹事,日本性科学会認定セックスセラピスト

投稿日:2021年1月14日 更新日:

ピルの日本での普及率は4%と言われている程、日本人はピルを飲んでいる人が少ないのです。でも、気になっている人はすごく多いはず。
フランスでは約60%の女性がピルを服用しており、1990年にフランスで行われた調査によれば、過去20年間で女性の人生に最も貢献したものの第1位にピルが挙げられるほど、身近な存在です。
ピルの仕組みやメリットを学ぶことで女性のQOL向上を目指しませんか。

ピルを飲むとどうなるの?なぜ妊娠しないのか

ピルを飲むとどうなるの?なぜ妊娠しないのか
ピルは服用によって妊娠時と同じようなホルモンの状態をつくります。
ピルの主な成分は、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)。この2つの成分が脳下垂体に働きかけ、妊娠しているのと同じような状態を作ります。卵胞を成熟させるホルモンを分泌させて排卵を抑えることで妊娠を防ぐというメカニズムです。また、子宮頸管(けいかん)粘液の性質が変化することで、精子が子宮の中に流れづらくなることによる避妊効果もあります。

ピルのメリット

①避妊効果

妊娠時と同じホルモン状態を作るので、排卵を抑制し、妊娠を防ぎます。

②月経周期のコントロール

ピルを服用すると、生理が規則的に来るようになるだけでなく、一時的に予定日をずらしたり、生理自体をなくしてしまうこともできます。
ピルは通常であれば21日間服用し、その後7日間の休薬期間を設けますが、休薬せずに飲み続けることで、その月の生理をスキップすることもできます。

③婦人科系疾患の予防

出産回数が減り、排卵回数が増えたことで子宮内膜症や卵巣がん、子宮体がんなどのリスクが高まっていますが、ピルを飲むとそういった病気の予防にもつながります。
ピルを5年間継続して服用していると、そうでなかった場合より卵巣がんの発症が3割抑制できることも分かっています。
 

ピルの種類

ピルの種類
ピルに含まれる卵胞ホルモンの含有量によって超低用量・低用量・中用量・高用量と4種に分かれ、現在では薬量を必要最小限に抑えた超低用量ピル、低用量ピルが主流となっています。

卵胞ホルモン(エストロゲン)の量

  • 50μg;中容量
  • 20μg~50μg;低容量
  • 20μg以下;超低容量

黄体ホルモン(プロゲステロン)の種類

  • 第1世代;ノルエチステロン
  • 第2世代;レボノルゲストレル
  • 第3世代;デソゲストレル
  • 第4世代;ドロスピレノン
 

ピルの噂。性欲が減るってほんと?

ピルの噂。性欲が減るってほんと?
性欲減退の要因として、
  • 排卵を抑制することで卵巣由来のアンドロゲンが減少
  • ピルに含まれるエストロゲンか肝臓に働いて、SHGB(性ホルモン結合グロブリン)の分泌が促され、テストテステロンが減少
性欲亢進の要因として
  • ある種のプロゲスチンの持つ男性ホルモン作用
  • 妊娠することに対する不安の減少 が挙げられます。

性欲に変化なしの回答が90%以上

※咲江LC、ともこLCにて、3ヶ月以上ピルの服用を続けている女性580人のアンケートを解析(無効回答88人)
  • 変化なし 535人(92.2%)
  • 増加した 6人(1.0%)
  • 減退した 39人(3.7%)

ピルの種類と性欲減退について

 
ピルの種類 ノルエチステロンを
1としたときの
アンドロゲン活性
性欲が減退した人の割合
第1世代
ノルエチステロン
1.0 6.8%
第2世代
レボノルゲストレル
0.4~1.0 4.9%
第3世代
デソゲストレル
0.5 5.5%
第4世代
ドロスピレノン
0 13.7%
以上から、アンドロゲン活性の有無が性欲減退に影響しているようです。

アンドロゲン作用のメリット

  • 性欲を高める
  • 前向きに生きる意欲や活力を促す

アンドロゲン作用のデメリット

  • ニキビ、多毛、体重増加

第4世代ピル(アンドロゲン作用のないピル)のメリット

  • 太りにくい
  • むくみにくい
  • 吐き気が少ない
  • 肌がキレイになる
  • 月経前の抑うつやイライラが改善する

まとめ

ピルの使用目的が広がり、種類が増えたことで選択の幅が広がりました。
そのため、服用する人の体質やニーズに合ったものを選択することでより女性のQOLが改善していくと思われます。
一言にピルと言ってもホルモンの含有量や種類によって効果が違うのです。
ピル=避妊薬とだけ考えるのではなくきちんと検討し、取り入れてみてはいかがでしょうか。
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