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公開日:2021/02/05
最終更新日:2025/03/11

ミラドライによるスソワキガ治療とは?

記事監修

末武信宏
国立岐阜大学医学部
順天堂大学大学院医学研究科博士課程において学位取得,日本美容外科学会 認定専門医,国際抗老化再生医療学会 認定指導医

投稿日:2021年2月5日 更新日:

すそわきがの治療法「ミラドライ」のメリットデメリットとは?
かつては、すそわきがの治療としては手術が唯一の治療法でした。
しかし現在では身体にメスを入れない、つまり手術の必要がない治療法が開発されており、比較的気楽に、すそわきがの治療を受けられるようになっています。
今回は、すそわきがの治療の1つ「ミラドライ」とはどのような治療なのか、そしてそのメリットデメリットについて、ご紹介します。

Contents

すそわきがの治療法「ミラドライ」とはどんな治療法?

「ミラドライ」とは電磁波治療器の商標で、治療の仕組みとしては、皮膚の表面からマイクロ波を照射し、すそわきがの原因となる汗腺組織を熱で損傷させ、除去する方式となっています。
手術と異なり、合併症のリスクなどが大幅に軽減されたのが、大きなメリットと言えるでしょう。
では「ミラドライ」による治療法について、詳細に説明してきます。

「ミラドライ」はマイクロ波の性質を利用した治療器

マイクロ波は電磁波の一種であり、水に吸収されやすい性質を持っています。
すそわきがの原因となる汗腺には水分が多く含まれており、マイクロ波が汗腺に吸収されると、水分子が摩擦によって熱が発生します。
この熱によって、汗腺の組織を破壊しているのです。

「ミラドライ」とは具体的にどんな機械なの?

「ミラドライ」は、5.8GHzのマイクロ波を利用しており、ハンドピースと呼ばれる部分を患部に押し当て、そこからマイクロ波を照射する仕組みとなっています。
熱によって汗腺組織を破壊する仕組みであるため、ハンドピースの先端にはハイドロセラミックによる冷却装置が付いており、皮膚へのダメージを軽減しています。
また施術前には局所麻酔を施すため、施術中に痛みを感じることはありませんし、施術後にはアイスパックなどを使用して患部を冷却し、可能な限りマイクロ波によって発生した熱から患部を守る処置がされています。
しかし実際には、熱によって皮膚の腫れや火傷を起こしたり、術後に痛みが発生する可能性もゼロではありませんので、そこはデメリットとして把握しておくべきでしょう。

すそわきがの治療法「ミラドライ」のメリット・デメリット

すそわきがの治療法「ミラドライ」には、メリットもありますがデメリットもあります。
どちらもしっかりと把握しておきましょう。

「ミラドライ」のメリット

「ミラドライ」のメリットとしては、何よりも「皮膚を切る外科手術ではない」点が挙げられるでしょう。
手術となると、術後には患部を固定したり保護したり、といったケアが必要となりますが「ミラドライ」にはそれが不要です。
また手術と比較して、肌の状態が元に戻るまでのダウンタイムが短いこと、皮膚が壊死したり、血種が形成されたりするリスクが少ないことも、メリットの1つです。
手術と違い、施術後の通院が不要であることも大きなメリットですね。

「ミラドライ」のデメリット

一方で「ミラドライ」にはデメリットもあります。
まず効果が確実ではなく、再発したりまったく効果がなかったりする可能性があります。
また治療時間が長い点、そのため火傷のリスクが上がり、術後に強い腫れや痛みが出る可能性がある点もデメリットと言えるでしょう。
1回当たりの治療費用が高額な点も、大きなデメリットですね。

ミラドライのQ&A

Q.ミラドライが不適応な人はいますか?

A.原則としまして全ての方に治療可能です。
すそわきが手術をされたことがある方、VIO領域に皮膚疾患等がある方につきましては、ミラドライの施術ができなかったり、効果が劣る場合があります。

Q.ミラドライのダウンタイムを教えてください。

A.表皮を通して皮下組織に加熱するため、腫れや痛み、違和感、一時的な皮膚の知覚鈍麻が起こることがあります。
手術と異なり固定は不要ですが一時的に強い腫れや痛みの報告もあり術後の冷却や運動制限が必要なことがあります。

Q.ミラドライの効果は永久的ですか?

A.出力が強く設定され的確に治療された場合は永久的効果が期待できますが、再発もあります。
残念ですがまだ、新しい治療のため長期予後の確認が取れていないため永久的効果は保証できません。
しかし、しっかりと複数回の治療を行えば永久的効果が期待できます。
熟練した専門医が行えば効果は大きいのですが看護師の施術では全く効果が期待できないこともあります。

Q.どの医療機関でもミラドライは同じ治療法でしょうか?

A.同じではありません。
経験豊富な熟練した専門医に治療を受ける場合と看護師に流れ作業的に治療を受ける場合では全く結果が異なります。
パワー設定も皮膚の状態をしっかり診察しながら行う必要があり医師の経験や技術も手術同様に必要な治療です。

Q.ミラドライを受けるとVIOの毛は脱毛されますか?

A.照射のパワーにもよりますが半分程度の毛量密度になってしまうこともあります。
ある程度の脱毛は必須です。

Q.ミラドライ施術後のケアはどうすればよいでしょうか?

A.腫れや痛み抑制のため冷却を当日は行っていただきます。
施術後、腫れや炎症を抑制する目的でステロイド軟こうを塗布していただくことがあります。
施術後1週間は、スポーツは控えてください。
施術後の当日はシャワーのみとし、入浴を控えていただきます。

Q.ミラドライの治療時間を教えてください。

A.デザイン、麻酔、照射、術後の処置を含めて、90-120分程度です。(照射範囲や麻酔法によって異なります)

Q.ミラドライ施術中は痛みがありますか?

A.局所麻酔を行うため施術中の痛みはありません。

Q.施術後、通院の必要はありますか?

A.施術後には特別な処置は不要ですので通院は不要です。

Q.施術の効果はすぐに現れますか?

A.施術直後から効果を感じられます。

Q.VIO脱毛をエステで受けていますが、ミラドライの施術を受けられますか?

A.ミラドライの施術は、直近の脱毛施術から1か月ほど空ける必要があります。
また、ミラドライ後は、約3か月間は脱毛術を受けることを控えてください。

Q.ミラドライ費用がどうして施設で異なりますか?

A.看護師が施術を行うか医師が行うか、熟練した医師が行うか経験が浅い医師が行うかによって治療費に差が出ます。

Q.ミラドライを受けて後遺症は将来出ませんか?

A.スソは神経が皮下直下に認められず 神経損傷など重篤な後遺症を起こしにくい場所です。
ただし看護師の施術で熱傷が起こり醜い熱傷後瘢痕になった事例もあり施術者が誰か注意が必要です。

Q.子供でも治療は可能でしょうか?

A.スソワキガの治療には高校生以下の子供様の治療はお勧めしません。
成長期のお子様の汗腺は発達途中であり効果がかなり劣り再発率が高いためです。

Q.施術後傷痕は残りませんか?

A.原則として傷跡は残りません。
しかし、施術者が経験不足な場合、熱傷を起し色素沈着や熱傷後瘢痕が残ってしまった症例もあります。

Q.ミラドライはどんな仕組みですか?

すそわきがの治療法「ミラドライ」は、患部にマイクロ波を照射して、すそわきがの原因となるアポクリン汗腺を破壊する治療法です。
基本的には誰でも施術が受けられますが、過去にすそわきがの手術を受けた人、VIOゾーンに皮膚疾患などがある人は、施術を受けられなかったり効果が薄くなったりする可能性があることを覚えておきましょう。

Q.ミラドライの治療は施術者で変わりますか?

「ミラドライ」は、すそわきがの根本的な原因となるアポクリン汗腺を破壊する治療法ですので、施術を受ければその効果は永久的であり、すそわきがに悩まされることはなくなります。
ただしそれは、マイクロ波の出力が的確に設定され、熟練した専門医に施術を受けた場合の話。
医療機関によっては経験の浅い医師や、看護師による施術を行っている場合もあり、そのときは再発する可能性がありますので「誰が施術するか」は要チェックポイントと言えます。

Q.ミラドライは痛みはありますか?

「ミラドライ」は施術前に局所麻酔を行うため、施術中に痛みは感じません。
施術時間は、すそわきがの度合いや施術者のレベルにもよりますが、施術の下準備であるデザインから局所麻酔、実際の施術から術後の処置まで含め、90分~120分程度と少々長めです。
ただし患部を切る手術とは違い、術後にケアをすれば患部の固定などは不要で、術後の通院の必要もないため、すそわきがの治療としては比較的気軽に受けられる施術ですね。
機械としては加熱後、即座に患部を冷却できる工夫がしてありますが、それでも術後に皮膚の腫れや痛みが発生する可能性があります。
そういった後遺症の可能性をできるだけ低くするため、施術後は患部の冷却やステロイド軟膏を塗るなどの処置を行うことが多いです。

Q.ミラドライで火傷する可能性はありますか?

すそわきがの治療の場合、皮膚の下に重要な神経などは通っていないため、神経に関する後遺症の可能性は低いです。
しかし専門医ではない看護師の施術などによって、治療中に重い火傷を負った事例もあります。
そうすると施術後も傷跡が残ってしまう可能性があるので、誰が施術してくれるか、は「ミラドライ」にはますます重要なポイントになるのです。

「ミラドライ」ですそわきが治療を受けよう

「ミラドライ」がどんな治療で、どんなメリット・デメリットがあるかご理解いただけたでしょうか。
良い点もあれば悪い点もあるということを把握しておかないと、いざ治療を受けてから後悔することにもなりかねません。
治療を受ける前はしっかりとメリット・デメリットについて勉強し、医師にも相談して疑問点などを確認してから実際に治療を受けるようにしましょう!

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