ミレーナ(IUS)とは、通称避妊リングと呼ばれる子宮内に装着する3cm程度のT字型の器具のことで、日本では2007年に避妊器具として承認されました。
ミレーナを子宮内に装着することで、避妊ができるだけでなく月経痛の緩和などの効果があります。
現在ある避妊方法としてはもっともコストパフォーマンスが高いといわれており、最長5年間避妊効果が得られます。
1度子宮内に装着してしまえば、低用量ピルのように血栓症などのリスクが上昇することもありません。妊娠を希望すれば、ミレーナを子宮内から取り去ることでもとの状態に戻るため、再び妊娠できるようになります。
日本では避妊の方法としてコンドームを使用するカップルが多いですが、コンドームはあくまでも男性主体であるため、パートナーが協力的ではなかったり、ときには避妊に失敗してしまったりすることも。
そのため、ミレーナや低用量ピルなど、女性が主体となって行う避妊方法の認知度を上げる必要があるのです。
そこでこの記事では、ミレーナの詳細について詳しくご紹介します。
ミレーナは、レボノルゲストレルという合成黄体ホルモンを子宮内に直接放出する、子宮内避妊システムです。
有名モデルがミレーナを装着したことで話題となりましたが、その効果や費用などについて知っている方はあまりいないのではないでしょうか。
ここでは、ミレーナの詳細をご紹介します。
低用量ピルのように毎日服用したり、コンドームのように毎回装着したりする必要もなく、避妊に失敗するリスクがないのも特徴です。
ミレーナには銅付加タイプとホルモン放出タイプがあり、正しく使用した場合の避妊率は、銅付加タイプで99.2%、ホルモン放出タイプで99.8%となっています。
通常、月経困難痛には低用量ピルや黄体ホルモン剤などの治療薬を用いますが、頭痛やむくみなどの副作用を伴う場合もあります。その点ミレーナは直接子宮内に挿入するため、全身への影響が少なくて済みます。
しかし、現在の日本では予防的に黄体ホルモン剤を使用する場合は保険が適応されないため、治療費がかさんでしまいます。
また、更年期障害の場合ホルモン剤を服用することでさまざまな副作用が出る可能性もあるため、ミレーナを使用しておくことでそのような事態を回避できます。
しかし、平成26年9月3日より過多月経治療薬として承認されたことで、健康保険の適応が受けられるようになり、医師に過多月経と診断された方についてはミレーナを薬剤として処方してもらえるようになりました。
ただし、現在も保険適応の対象となるのは過多月経と月経困難症の患者さんのみですので、避妊を目的としてミレーナを装着する方は保険適応外となりますので注意が必要です。
ミレーナも低用量ピルも避妊方法としての効果が高く、過多月経や月経困難症に対する効果が高い部分は同じです。
この2つの避妊方法の違いには、以下のような点があります。
では、ミレーナはどのようにして装着されるのでしょうか。ここでは、ミレーナの具体的な装着方法や交換時期、装着後の注意点についてご紹介します。
ミレーナは、装着する前に医師の診察と超音波検査を受け、子宮と卵巣の状態を確認します。診察では、出産経験があるか、月経についてのお悩みなどの問診を受けた上で、ミレーナが適用となるかを判断されるのが一般的です。
以下は、ミレーナの装着方法です。
1.医師の診察と超音波検査
2.生理開始から7日以内に病院を受診
3.細いプラスティックの管に入ったミレーナを子宮の入り口から中へ差し込む
4.ミレーナを挿入し、管から出す
5.バネの働きで羽が開き固定される
6.挿入後、ナイロン製の糸を2〜3cmに切りそろえる
7.念の為ナプキンを当てて終了
ミレーナの装着は、数分間で完了します。正しく装着されたかどうかは、ナイロン製の糸を確認するとわかります。
ただし、装着から5年を越えないうちに交換もしくは除去する必要があるため、4年目か5年目の定期検診の際に交換時期について医師と相談するようにしましょう。
上記でもご紹介したように、ミレーナが正しく装着されているかはナイロン製の糸を確認することでわかりますが、自分で糸を引っ張ったりせず早急に病院を受診しましょう。
また、ミレーナ装着後は定期検診でミレーナの位置を確認しますので、必ず医師の指示通りに通院するようにしましょう。
ミレーナは、避妊効果があるだけでなくつらい生理痛や過多月経に対しても非常に有効な治療方法です。
これまで生理痛などでお悩みだった方も多くいましたが、それらの症状は我慢しなくてもよい時代になってきました。
実際にミレーナを装着した患者さんからは、「ミレーナを入れてみたら生理が楽になった」「生理の出血がぐんと減った」「コスパがよい」などの意見があり、その反響には目を見張るものがあります。
最近は、有名人がミレーナを装着したことがときどきニュースになっています。しかし、まだ日本での知名度はそれほど高くないため、なかなか一般的に浸透していないのも事実です。
ミレーナの装着に関する疑問として、よく性行為に対する影響を心配する声もみられますが、ミレーナは性行為に何の影響も与えませんので、心配する必要はないでしょう。
もし性行為時に違和感をおぼえる場合は、ミレーナが正しく装着されていない可能性もあるので、医師に相談することをおすすめします。
ミレーナに興味のある方は、ぜひ本記事を参考になさってください。
ミレーナを子宮内に装着することで、避妊ができるだけでなく月経痛の緩和などの効果があります。
現在ある避妊方法としてはもっともコストパフォーマンスが高いといわれており、最長5年間避妊効果が得られます。
1度子宮内に装着してしまえば、低用量ピルのように血栓症などのリスクが上昇することもありません。妊娠を希望すれば、ミレーナを子宮内から取り去ることでもとの状態に戻るため、再び妊娠できるようになります。
日本では避妊の方法としてコンドームを使用するカップルが多いですが、コンドームはあくまでも男性主体であるため、パートナーが協力的ではなかったり、ときには避妊に失敗してしまったりすることも。
そのため、ミレーナや低用量ピルなど、女性が主体となって行う避妊方法の認知度を上げる必要があるのです。
そこでこの記事では、ミレーナの詳細について詳しくご紹介します。
Contents
ミレーナとは
ミレーナは、レボノルゲストレルという合成黄体ホルモンを子宮内に直接放出する、子宮内避妊システムです。
有名モデルがミレーナを装着したことで話題となりましたが、その効果や費用などについて知っている方はあまりいないのではないでしょうか。
ここでは、ミレーナの詳細をご紹介します。
ミレーナの効果
ミレーナには避妊効果のほかにも、月経困難症や過多月経の改善効果があります。以下はミレーナの効果についての詳しい情報です。避妊
ミレーナは、レボノルゲストレルの作用により、子宮内膜をペラペラに薄くすることで受精卵の着床を防いだり、子宮口の粘液を変化させて精子が子宮内に侵入するのを防いだりする効果があります。低用量ピルのように毎日服用したり、コンドームのように毎回装着したりする必要もなく、避妊に失敗するリスクがないのも特徴です。
ミレーナには銅付加タイプとホルモン放出タイプがあり、正しく使用した場合の避妊率は、銅付加タイプで99.2%、ホルモン放出タイプで99.8%となっています。
月経困難症、過多月経の改善
ミレーナは、レボノルゲストレルを約5年間放出することで子宮内膜の増殖を抑制し、痛みや炎症の原因となる体内物質の産生を減少させる効果があるため、生理痛や経血の量を減少させることが可能です。通常、月経困難痛には低用量ピルや黄体ホルモン剤などの治療薬を用いますが、頭痛やむくみなどの副作用を伴う場合もあります。その点ミレーナは直接子宮内に挿入するため、全身への影響が少なくて済みます。
更年期障害の症状緩和
更年期障害の治療では、エストロゲン(卵胞ホルモン)の薬剤を使用しますが、子宮がある方にエストロゲンだけを投薬すると子宮体がんが発生する可能性が高まってしまうため、予防的にレボノルゲストレルを補充しなければいけません。しかし、現在の日本では予防的に黄体ホルモン剤を使用する場合は保険が適応されないため、治療費がかさんでしまいます。
また、更年期障害の場合ホルモン剤を服用することでさまざまな副作用が出る可能性もあるため、ミレーナを使用しておくことでそのような事態を回避できます。
ミレーナの副作用
ミレーナは、産婦人科医療において超音波検査による子宮頸管長測定を使用した切迫早産管理と、子宮頸がんワクチンに続く三大革命のひとつですが、以下のような副作用が出る場合もあるので注意が必要です。- 月経出血日数の延長
- 月経時期以外の出血
- 月経周期の変化
- 腹痛
- 一時的な卵巣のう胞
- 骨盤炎症性疾患
- 異所性妊娠
- 子宮穿孔
ミレーナが適している方
ミレーナが適しているのは、以下のような方です。- 経腟分娩の経験がある
- 今後妊娠を希望しない
- 次の出産までに期間をあけたい
- 月経困難症で生理痛がひどい
- 過多月経で貧血気味
- ピルを服用できない方(40歳以上、喫煙者、血栓リスクが高い方など)
ミレーナ挿入にかかる費用
ミレーナは従来、保険が適応されない自費診療となるため、7〜10万円程度の費用がかかっていました。しかし、平成26年9月3日より過多月経治療薬として承認されたことで、健康保険の適応が受けられるようになり、医師に過多月経と診断された方についてはミレーナを薬剤として処方してもらえるようになりました。
ただし、現在も保険適応の対象となるのは過多月経と月経困難症の患者さんのみですので、避妊を目的としてミレーナを装着する方は保険適応外となりますので注意が必要です。
ミレーナと低用量ピルの違い
ミレーナも低用量ピルも避妊方法としての効果が高く、過多月経や月経困難症に対する効果が高い部分は同じです。
この2つの避妊方法の違いには、以下のような点があります。
- 低用量ピルは血栓症のリスクがあるがミレーナにはない
- 低用量ピルは毎日内服する必要があるがミレーナは挿入後何もする必要がない
- 避妊失敗率はミレーナの方が低い
ミレーナの装着方法と注意点
ミレーナは、子宮内に小さな避妊具を挿入することで受精卵の着床を防ぐものです。1度装着すると、5年という長期間にわたって効果が持続します。では、ミレーナはどのようにして装着されるのでしょうか。ここでは、ミレーナの具体的な装着方法や交換時期、装着後の注意点についてご紹介します。
ミレーナの装着方法
ミレーナは、装着する前に医師の診察と超音波検査を受け、子宮と卵巣の状態を確認します。診察では、出産経験があるか、月経についてのお悩みなどの問診を受けた上で、ミレーナが適用となるかを判断されるのが一般的です。
以下は、ミレーナの装着方法です。
1.医師の診察と超音波検査
2.生理開始から7日以内に病院を受診
3.細いプラスティックの管に入ったミレーナを子宮の入り口から中へ差し込む
4.ミレーナを挿入し、管から出す
5.バネの働きで羽が開き固定される
6.挿入後、ナイロン製の糸を2〜3cmに切りそろえる
7.念の為ナプキンを当てて終了
ミレーナの装着は、数分間で完了します。正しく装着されたかどうかは、ナイロン製の糸を確認するとわかります。
ミレーナの交換時期
ミレーナの交換は、基本的にはいつでも可能です。交換前の事前検査として超音波検査や子宮頚がん検診、おりものの検査などを行います。ただし、装着から5年を越えないうちに交換もしくは除去する必要があるため、4年目か5年目の定期検診の際に交換時期について医師と相談するようにしましょう。
装着後の注意点
ミレーナは、気がつかないうちにズレてしまったり、外れて脱出してしまったりする可能性があります。上記でもご紹介したように、ミレーナが正しく装着されているかはナイロン製の糸を確認することでわかりますが、自分で糸を引っ張ったりせず早急に病院を受診しましょう。
また、ミレーナ装着後は定期検診でミレーナの位置を確認しますので、必ず医師の指示通りに通院するようにしましょう。
まとめ
ミレーナの詳細について詳しくご紹介しました。ミレーナは、避妊効果があるだけでなくつらい生理痛や過多月経に対しても非常に有効な治療方法です。
これまで生理痛などでお悩みだった方も多くいましたが、それらの症状は我慢しなくてもよい時代になってきました。
実際にミレーナを装着した患者さんからは、「ミレーナを入れてみたら生理が楽になった」「生理の出血がぐんと減った」「コスパがよい」などの意見があり、その反響には目を見張るものがあります。
最近は、有名人がミレーナを装着したことがときどきニュースになっています。しかし、まだ日本での知名度はそれほど高くないため、なかなか一般的に浸透していないのも事実です。
ミレーナの装着に関する疑問として、よく性行為に対する影響を心配する声もみられますが、ミレーナは性行為に何の影響も与えませんので、心配する必要はないでしょう。
もし性行為時に違和感をおぼえる場合は、ミレーナが正しく装着されていない可能性もあるので、医師に相談することをおすすめします。
ミレーナに興味のある方は、ぜひ本記事を参考になさってください。