小陰唇縮小術とは、大陰唇の内側にある小陰唇というヒダを切除し、適度な大きさに整えるための手術のことです。
実は婦人科形成の相談の中でもっとも多いのが小陰唇縮小術で、10〜70代までの幅広い年代の患者さんが治療を希望しています。
現在では多くの美容外科クリニックで行われているポピュラーな手術のひとつですが、治療には医師の高度な技術が必要なうえ、患者さんの不安な気持ちを利用して法外な手術費用を請求するところもあるため注意が必要です。
では、患者さんはそのような美容外科クリニックに騙されないために、どうすればよいのでしょうか。この記事では、小陰唇縮小術を受ける上で知っておくべき知識をご紹介します。
小陰唇縮小術を検討している方はぜひ最後まで読んでみてください。
ここではまず、小陰唇縮小術で使用される麻酔や切開方法についてご紹介します。
キシロカインは、さまざまな部位に使用される局所麻酔で、有効成分のリドカインは強力で即効性があるという特徴がありますが、注入時に痛みを伴う患者さんも多いです。
そもそも小陰唇は痛みに対して非常に敏感な部分なので、酸性のキシロカインを注入すると、針を刺すときだけでなく麻酔が広がっていくときのpHの差でも痛みが生じてしまいます。
そのため、キシロカインを注射する際は、メイロンというアルカリ性の薬剤と混ぜて注射すると痛みを軽減させるのが一般的です。
小陰唇縮小術は、熟練した医師であれば20〜30分程度で終了する手術なので、実際には0.2%キシロカインでも十分に麻酔の効果を得られるとされていますが、念の為エピネフィリン(血管収縮や胃腸の弛緩、気管支や大脳の血管を拡張する作用がある)を添加した0.5%キシロカインなどを使用するケースが多いです。
ただし、患者さんの状態によっては高濃度の麻酔が必要となるケースもあります。
手術前から痛みに不安を感じている患者さんのために、笑気ガスを使用して鎮静、鎮痛を図るクリニックもあるため、手術を受ける前に確認してみるとよいでしょう。
レーザーと聞くと「最新」「最先端」の治療だというイメージをお持ちの方も多いですが、実際はレーザーという名称で患者さんによい印象を持たせるイメージ的な広告戦略の意味合いが強いので、注意しなければいけません。
小陰唇縮小術の切開方法は、メス使用とレーザー使用の2種類があります。
炭酸ガスレーザーはレーザーのなかで最初に開発されたもので、組織を熱エネルギーで蒸散させ破壊する性質があるため、レーザーを照射した部分はメスで切除した部分と比較して幅が広く、火傷の傷もプラスされてしまいます。
メスを使用する方法は医師の技術で仕上がりに大きな差が出るのは事実ですが、炭酸ガスレーザーは、メスで切開した傷よりもはるかに縫合した部分が醜く治癒も遅くなる傾向にあるため、使用しない医師もいるほどです。
今から30年ほど前に、有名な美容外科医が炭酸ガスレーザーを使用して、出血を抑制しながら切開する小陰唇縮小術を発表したことがありました。しかし、この手術法でもやはり傷跡が醜くなり、治りも遅かったため普及しませんでした。
これらのことから、炭酸ガスレーザーは皮下組織の切開やホクロの除去で組織蒸散を目的として使用するのには向いていますが、皮膚の切開には向いていないということがわかります。
溶ける糸にはメリットとデメリットがあるため、それらを知った上で納得してから選択すべきです。
ここでは、小陰唇縮小術で使用される糸の種類と、傷口を綺麗に縫合する方法についてご紹介します。
一般的にナイロン糸は術後抜糸を必要としますが、傷跡が綺麗に治りやすく性行為などの生活面でもメリットが大きいという特徴があります。
それに比べて吸収糸は、抜糸の必要がないものの溶けるまでに3〜4週間を要するため、吸収糸を使った場合溶けるまでの期間は感染症予防のために消毒が必要であり、性生活などにも制限があります。
以下は吸収糸を使用するデメリットです。
たしかに小陰唇縮小術を受けるために遠方から来院している患者さんで、どうしても抜糸に来られない方にはメリットもありますが、そうでない場合にはデメリットの方が大きくなることを知っておく必要があります。
技術のある医師がしっかりとした手術を行えば、ナイロン糸を術後5日間程度で抜糸することが可能で、抜糸の翌日から入浴もできるようになります。
また、小陰唇縮小術の経験の少ない医師が縫合すると、非常に細かく縫合していることがあります。
細かく縫合してしまうと傷口の血流が阻害されて治りが遅くなってしまうだけでなく、糸の痕が醜く残ってしまうケースもあるため、小陰唇縮小術は経験豊富な医師に行ってもらう必要があるのです。
また、経験豊富な医師は手術前のデザインと1mmも狂わないように切開できるため、ラフに縫合しても傷口がピッタリと癒合して抜糸後は傷跡がほとんどわからなくなります。
皮膚の内側を縫うことに注力し、傷が少し盛り上がるように縫合すると、術後に傷口が突っ張ったときにも傷跡の幅が広くなり、傷跡を綺麗に縫合することができます。
これらの技術は形成外科独特の技術でもありますので、形成外科の経験のある医師の手術を受けるのがお勧めです。
小陰唇縮小術は自由診療で手術費用が美容外科クリニックによって異なるため、あまり得意ではない手術の場合高めの料金設定にしているところが多いようです。
ここでは、小陰唇縮小術の費用についてご紹介します。
以下は、手術費用を釣り上げるクリニックの特徴をまとめたものです。
以下は、適正料金で小陰唇縮小術を受けるための料金の見分け方です。
実際のところ手術に必要な薬剤や材料費は数万円程度なので、100万円近くの手術費用を提示された場合は他のクリニックで手術を受けるべきです。
小陰唇の大きさは、どのくらいあると肥大しているという明確な基準はなく、大陰唇とのバランスによっては、小陰唇が少し肥大しているだけで大きく見えてしまうこともあります。
小陰唇縮小術は、手術を受けたあとにもっと早く手術を受ければよかったという患者さんも少なくありませんが、デリケートな部分であるため医師の技術によっては傷跡が残ってしまうケースも。
また、高額な治療費を請求されないために、クリニックの選び方にも慎重になる必要があります。
手術費用や手術のやり方、麻酔の方法などに疑問がある場合は、カウンセラーではなく手術を担当する医師に納得いくまで直接質問するようにしましょう。
小陰唇縮小術を検討している方は、本記事を参考にしてみてくださいね。
実は婦人科形成の相談の中でもっとも多いのが小陰唇縮小術で、10〜70代までの幅広い年代の患者さんが治療を希望しています。
現在では多くの美容外科クリニックで行われているポピュラーな手術のひとつですが、治療には医師の高度な技術が必要なうえ、患者さんの不安な気持ちを利用して法外な手術費用を請求するところもあるため注意が必要です。
では、患者さんはそのような美容外科クリニックに騙されないために、どうすればよいのでしょうか。この記事では、小陰唇縮小術を受ける上で知っておくべき知識をご紹介します。
小陰唇縮小術を検討している方はぜひ最後まで読んでみてください。
Contents
小陰唇縮小術の手術方法について
小陰唇をバランスのよい自然な形に仕上げるためには、大陰唇や陰核包皮などとの関係を考慮しなければいけません。技術のない医師が手術を行うと傷跡が目立ってしまうこともあるので注意が必要です。ここではまず、小陰唇縮小術で使用される麻酔や切開方法についてご紹介します。
小陰唇縮小術で使用される麻酔について
小陰唇縮小術では、一般的にキシロカインという局所麻酔が使用されています。キシロカインは、さまざまな部位に使用される局所麻酔で、有効成分のリドカインは強力で即効性があるという特徴がありますが、注入時に痛みを伴う患者さんも多いです。
そもそも小陰唇は痛みに対して非常に敏感な部分なので、酸性のキシロカインを注入すると、針を刺すときだけでなく麻酔が広がっていくときのpHの差でも痛みが生じてしまいます。
そのため、キシロカインを注射する際は、メイロンというアルカリ性の薬剤と混ぜて注射すると痛みを軽減させるのが一般的です。
小陰唇縮小術は、熟練した医師であれば20〜30分程度で終了する手術なので、実際には0.2%キシロカインでも十分に麻酔の効果を得られるとされていますが、念の為エピネフィリン(血管収縮や胃腸の弛緩、気管支や大脳の血管を拡張する作用がある)を添加した0.5%キシロカインなどを使用するケースが多いです。
ただし、患者さんの状態によっては高濃度の麻酔が必要となるケースもあります。
手術前から痛みに不安を感じている患者さんのために、笑気ガスを使用して鎮静、鎮痛を図るクリニックもあるため、手術を受ける前に確認してみるとよいでしょう。
切開方法の落とし穴
小陰唇縮小術を行っている美容外科クリニックのホームページでは、よくレーザーという言葉を見かけます。レーザーと聞くと「最新」「最先端」の治療だというイメージをお持ちの方も多いですが、実際はレーザーという名称で患者さんによい印象を持たせるイメージ的な広告戦略の意味合いが強いので、注意しなければいけません。
小陰唇縮小術の切開方法は、メス使用とレーザー使用の2種類があります。
炭酸ガスレーザーはレーザーのなかで最初に開発されたもので、組織を熱エネルギーで蒸散させ破壊する性質があるため、レーザーを照射した部分はメスで切除した部分と比較して幅が広く、火傷の傷もプラスされてしまいます。
メスを使用する方法は医師の技術で仕上がりに大きな差が出るのは事実ですが、炭酸ガスレーザーは、メスで切開した傷よりもはるかに縫合した部分が醜く治癒も遅くなる傾向にあるため、使用しない医師もいるほどです。
今から30年ほど前に、有名な美容外科医が炭酸ガスレーザーを使用して、出血を抑制しながら切開する小陰唇縮小術を発表したことがありました。しかし、この手術法でもやはり傷跡が醜くなり、治りも遅かったため普及しませんでした。
これらのことから、炭酸ガスレーザーは皮下組織の切開やホクロの除去で組織蒸散を目的として使用するのには向いていますが、皮膚の切開には向いていないということがわかります。
術後縫合について
小陰唇縮小術を行っている美容外科クリニックの中には、溶ける糸を用いるため抜糸が必要ないと大々的にPRしているところもあります。溶ける糸にはメリットとデメリットがあるため、それらを知った上で納得してから選択すべきです。
ここでは、小陰唇縮小術で使用される糸の種類と、傷口を綺麗に縫合する方法についてご紹介します。
小陰唇縮小術で使用される糸の種類
小陰唇縮小術で使用されるのは、ナイロン糸と吸収糸の2種類です。一般的にナイロン糸は術後抜糸を必要としますが、傷跡が綺麗に治りやすく性行為などの生活面でもメリットが大きいという特徴があります。
それに比べて吸収糸は、抜糸の必要がないものの溶けるまでに3〜4週間を要するため、吸収糸を使った場合溶けるまでの期間は感染症予防のために消毒が必要であり、性生活などにも制限があります。
以下は吸収糸を使用するデメリットです。
- 長期間溶ける糸が残存することで糸の痕が粘膜面に残る可能性がある
- 糸が分解されるときに出る分解産物により縫合糸膿腫などの炎症が起こる可能性もある
たしかに小陰唇縮小術を受けるために遠方から来院している患者さんで、どうしても抜糸に来られない方にはメリットもありますが、そうでない場合にはデメリットの方が大きくなることを知っておく必要があります。
傷口を綺麗に縫合する方法とは
小陰唇縮小術において、傷口を綺麗に治すためにはナイロン糸で縫合し、できる限り早く抜糸を行うのが基本です。技術のある医師がしっかりとした手術を行えば、ナイロン糸を術後5日間程度で抜糸することが可能で、抜糸の翌日から入浴もできるようになります。
また、小陰唇縮小術の経験の少ない医師が縫合すると、非常に細かく縫合していることがあります。
細かく縫合してしまうと傷口の血流が阻害されて治りが遅くなってしまうだけでなく、糸の痕が醜く残ってしまうケースもあるため、小陰唇縮小術は経験豊富な医師に行ってもらう必要があるのです。
また、経験豊富な医師は手術前のデザインと1mmも狂わないように切開できるため、ラフに縫合しても傷口がピッタリと癒合して抜糸後は傷跡がほとんどわからなくなります。
皮膚の内側を縫うことに注力し、傷が少し盛り上がるように縫合すると、術後に傷口が突っ張ったときにも傷跡の幅が広くなり、傷跡を綺麗に縫合することができます。
これらの技術は形成外科独特の技術でもありますので、形成外科の経験のある医師の手術を受けるのがお勧めです。
小陰唇縮小術の料金について
小陰唇縮小術にも適正価格があるのをご存知ですか?小陰唇縮小術は自由診療で手術費用が美容外科クリニックによって異なるため、あまり得意ではない手術の場合高めの料金設定にしているところが多いようです。
ここでは、小陰唇縮小術の費用についてご紹介します。
美容外科手術の料金の決め方とは
美容外科手術の料金にほとんどは技術料ですが、手術室の運営経費や材料費、スタッフの人件費なども含まれています。- 技術料
- 手術室の運営経費
- 材料費
- スタッフの人件費
- 麻酔費用
- 通院再診費用
- 薬剤費用
- 抜糸費用
- 保証費用
手術費用を釣り上げるクリニックの特徴
小陰唇縮小術を行っている美容外科クリニックの中には、オプション料金を悪用して法外な手術費用を請求するところがあるのも事実です。以下は、手術費用を釣り上げるクリニックの特徴をまとめたものです。
- 手術が担当医によって高額になる
- 安心麻酔と称して高額な麻酔費用を請求
- 薬剤費用や診察費用、抜糸費用が別料金
- 傷跡が早く治ると称して商品を売りつける
適正料金で小陰唇縮小術を受けるためには
100万円もの高額な手術費用を支払わなくても、安全で傷跡の残らない小陰唇縮小術は受けられます。以下は、適正料金で小陰唇縮小術を受けるための料金の見分け方です。
- 提示された料金が小陰唇縮小術の適正価格である25〜30万円から大きく外れている
- 料金設定がわかりにくく明朗でない
- やたらとオプションを勧めてくる
実際のところ手術に必要な薬剤や材料費は数万円程度なので、100万円近くの手術費用を提示された場合は他のクリニックで手術を受けるべきです。
まとめ
小陰唇縮小術を受ける上で知っておくべき知識をご紹介しました。小陰唇の大きさは、どのくらいあると肥大しているという明確な基準はなく、大陰唇とのバランスによっては、小陰唇が少し肥大しているだけで大きく見えてしまうこともあります。
小陰唇縮小術は、手術を受けたあとにもっと早く手術を受ければよかったという患者さんも少なくありませんが、デリケートな部分であるため医師の技術によっては傷跡が残ってしまうケースも。
また、高額な治療費を請求されないために、クリニックの選び方にも慎重になる必要があります。
手術費用や手術のやり方、麻酔の方法などに疑問がある場合は、カウンセラーではなく手術を担当する医師に納得いくまで直接質問するようにしましょう。
小陰唇縮小術を検討している方は、本記事を参考にしてみてくださいね。