エスター・フラナガン(DClinPsy)、キャサリン・A・ヘロン(DClinPsy)、キアラン・オドリスコル(DClinPsy)、アマンダ・C・デ・C・ウィリアムズ(PhD)
The Journal of Sexual Medicine, Volume 12, Issue 1, January 2015, Page 3-16,
https://doi.org/10.1111/jsm.12717
発行:2015年01月01日
はじめに
腟痛の分類は、主に医学的な病因があるかないか(それぞれ)により、医学的・精神医学的な診断システムで行われている。病因よりも痛みの体験に焦点を当てることで、痛みと性的、感情的、認知的な体験を改善する治療目的の共通点が強調される。したがって、病因の異なる腟痛が心理療法にどのように反応するかを調べることで、これらの症状がどの程度同じなのか、あるいは異なるのかを明らかにすることができる。
目的
腟痛の症状に対する心理的治療の組み合わせと相対的な有効性を検討すること。
方法
EMBASE、MEDLINE、PsycINFO、CINAHLの系統的検索を実施した。11件のランダム化比較試験をメタ分析に登録し、標準化平均差とオッズ比を算出した。また、個々の心理学的試験群に対する効果量も算出した。
主なアウトカム評価項目
主なアウトカム指標は、痛みと性機能である。
結果
心理学的治療と医学的治療で同等の効果が認められた。心理学的治療群の効果量は、腟の痛みの状態によって同程度であった。
結論
病因の推定にかかわらず、効果は同等であり、病因の推定は治療法の選択に役立たない可能性があることが示唆された。研究上の推奨事項と臨床的意義について考察する。