テストステロンの腟投与:健康なボランティアにおける薬物動態と性的反応に関する研究
(原題:Vaginal Application of Testosterone: A Study on Pharmacokinetics and the Sexual Response in Healthy Volunteers)(入手先)
The Journal of Sexual Medicine、第3巻、第3号、2006年5月、541~549ページ、
https://academic.oup.com/jsm/article-abstract/3/3/541/6883822?redirectedFrom=fulltext
発行:2006年5月1日
はじめに
アンドロゲン補充療法は、アンドロゲン不足の女性における性機能改善を目的として推奨されている。しかし、女性における性機能におけるアンドロゲンの役割は、まだ解明されていない。アンドロゲンの変化と女性の性的反応については、さらに知られていないことが多い。
目的
本研究の目的は、腟に投与したテストステロン単回投与の薬物動態を記述することである。さらに、本研究では、テストステロン値の急性変化と女性の性的反応との関係について、より深い洞察を得ることを目的としている。
方法
無作為化二重盲検クロスオーバー試験デザインを用いて、テストステロンプロピオン酸塩(2mg)の腟単回投与とプラセボを比較した。10人の健康な更年期前の女性が参加した。 テストステロン、遊離テストステロン、エストラジオールの血清レベルを測定した。 性的反応は、投薬前と投薬後4時間および8時間で測定した。 エロティックなビデオの断片とエロティックな空想を刺激として使用した。 生殖器の性的反応は、腟プレチスモグラフィーを用いて測定した。 主観的な性的反応は、視覚的アナログ尺度を用いて測定した。
結果
プロピオン酸テストステロンの腟投与により、血清テストステロン値と遊離テストステロン値は著しく上昇したが、血清エストラジオール値は上昇しなかった。ピーク値は5.5時間後(2~12時間の範囲)に到達した。テストステロンの平均ピーク値は、プロピオン酸テストステロン投与後で7.71nmol/L、プラセボ投与後で2.99nmol/Lであった(P < 0.005)。遊離テストステロンの平均ピークレベルは、プロピオン酸テストステロン投与後が0.12nmol/L、プラセボ投与後が0.04nmol/L(P < 0.005)であった。アンドロゲンの著しい上昇にもかかわらず、この研究では生殖器や主観的な性的反応に対する直接的な影響は検出できなかった。
結論
腟から投与されたプロピオン酸テストステロンの単回投与は、6時間以内にテストステロンおよび遊離テストステロンの血清レベルを上昇させる。しかし、このアンドロゲンの急性上昇は、女性の性的反応に影響を与えない。