年齢を重ねるにつれて膀胱の容量が少なくなることで、頻尿だと感じる方が増えてきます。
ある程度はしょうがないことですが、あまりにもトイレの回数が近く、外出先で困ったり、夜ぐっすり寝れなかったりすると生活に支障をきたしてしまいます。
トイレに関する悩みは生活するうえで大きなストレスとなり、そのことが原因で外出するのが億劫になったり、引きこもりがちになってしまったりする方もいます。
しかし、年齢のせいと諦めずに、クリニックで相談したり、自分でできる対策を行ったりすることで頻尿の症状を改善に導くこともできます。
この記事では、頻尿の原因と、自宅でできる頻尿対策、クリニックでの治療についてご紹介します。
頻尿にお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
一般的にこのような回数で判断されますが、本人が頻繁に尿意をもよおすと自覚しているケースも、回数にかかわらず頻尿と呼びます。
頻尿にはいくつか原因があり、原因によって治療法や対処法もさまざまです。
ひどくなると、映画の最中や長距離移動で車や電車に乗っているときなどに尿意をもよおすので、常にトイレの場所を確認しておかないと不安になってしまいます。
頻尿は加齢とともに増えてくる症状でもありますが、若い方でも頻尿に悩まされている方はいます。
原因がなんらかの病気であった場合は、自然に治ることはなく徐々に悪化することも考えられるため、早めの治療が重要となります。
通常の膀胱だと、尿を500ml程度溜めることができ、およそ200~250ml程度溜まると尿意を感じると言われています。
しかし、過活動膀胱はそれよりも早く尿意を感じ、膀胱内に尿を溜めておくことができなくなってしまうのです。
過活動膀胱は以下のような原因が考えられます。
骨盤内にある臓器は、骨盤の下にある筋肉や靭帯などによって守られていて、総称して骨盤底筋群と呼ばれています。
骨盤底筋群は妊娠や出産、加齢によってゆるみが発生し、ひどくなると骨盤内の子宮や膀胱、直腸などが腟から出てきてしまう骨盤臓器脱を引き起こすことがあります。
骨盤臓器脱の程度は人それぞれですが、症状が重く臓器が腟外へ大きく脱出していると、膀胱が下がり頻尿になりやすくなります。
症状としては、頻尿のほかにも排尿痛、残尿感、血尿などが挙げられますが、無症状の場合もあるため頻尿が気になって受診したら膀胱炎だったというケースもあります。
症状は頻尿のほかにも、貧血、月経過多、月経困難症、腰痛などが挙げられます。
あきらかに良性であれば、3~6ヵ月ごとの定期健診によって経過観察をすることとなります。
残尿によって膀胱内に尿が溜まっていると、頻尿につながります。
膀胱内に尿が残っていると、腎臓に尿が逆流して腎臓の機能が低下する恐れや、感染症の原因になる場合もあるため、残尿によって頻尿が引き起こされている場合は治療が必要となります。
また、水分を多くとりすぎている場合は多尿による頻尿が起こる場合もあります。
糖尿病によって血糖値が高い方も、のどが渇きやすくなり水分を多くとることによって多尿になるケースがあります。
ストレスによって起こることが多いとされていて「トイレに行けなくて漏らしてしまったらどうしよう」と考えることで膀胱が収縮しやすくなり、頻尿になってしまいます。
トイレに行けない場面で尿意が激しくなることがあるので、長時間トイレに行けないような状況を自ら避けるようになり、自分で行動に制限をかけてしまうこともあります。
心因性頻尿の場合は、集中しているときや寝ている間には症状が現れないのが特徴です。
緊張しやすい方や、自律神経が乱れている方、過去にトイレに間に合わなかった経験がある方などは、心因性頻尿になりやすいといわれています。
ここからは、自分でできる頻尿対策についてご紹介します。
以下のような食品は、利尿作用があるといわれています。
反対に、筋肉の収縮を整える役割のあるマグネシウムを含む山芋や銀杏、冷えを予防する生姜などを積極的にとることで、尿道括約筋などの収縮が促され血流の改善につながり、頻尿への効果が期待できます。
まずは、自分の排尿パターンを知るために、排尿日誌を記録するようにしましょう。
排尿が多い時間帯や尿意の強さ、失禁の有無、排尿の量などを記録し、自分の排尿パターンを把握します。
膀胱訓練は、尿意を感じても少し我慢して膀胱に尿を溜めますが、最初から長時間我慢してしまうと、失禁してしまう可能性もあるため、最初は5~10分程度からはじめるようにしましょう。
そこから徐々に時間を伸ばしていき、1回の尿量を増やす訓練をします。その際も排尿日誌をつけることで、訓練開始からどのように変化しているかという客観的評価で効果を実感できます。
頻尿が骨盤底筋群の筋力低下により起こっている場合は、骨盤底筋トレーニングによって骨盤底筋群を鍛えることで、効果を感じられる場合もあります。
骨盤底筋トレーニングは、以下のように行います。
座りながらでも立ちながらでも行えるので、日常生活に取り入れて訓練するとより効果的です。
骨盤底筋トレーニングを続けると、骨盤底筋群が鍛えられ排尿トラブルも改善できます。
しかし、骨盤底筋トレーニングは続けないと意味がありません。筋トレと同様に続けることで筋力がアップするので、効果がでないからとすぐやめてしまうのではなく、継続して行うようにしましょう。
尿漏れ用のおむつには抵抗があるという方も、生理用ナプキンのような感覚で使える尿漏れパッドなら利用しやすいのではないでしょうか。
実際に、尿漏れパッドは30代の方が使っているということも珍しくないので、お試し感覚で使ってみてもよいでしょう。
尿漏れパッドは、2cc~300ccまでの吸収量がラインナップされています。普段用、長時間用、夜間用などの場面による使い分けも可能で、大量に尿が漏れてしまっても安心できるので、精神的にも楽になります。
尿漏れパッドを選ぶときには、男性用と女性用があるので気をつけましょう。女性が男性用を選んでしまうと、うまく尿が吸収されないこともあるので、注意が必要です。
ここからは、クリニックでの頻尿の治療方法をご紹介します。
抗コリン薬は、膀胱の収縮に関与している神経伝達物質のアセチルコリンの働きを阻害する働きがあります。
抗コリン薬の働きによって、膀胱の過剰な収縮を抑えられるので、過活動膀胱による頻尿を改善できます。
しかし、抗コリン薬には以下のような副作用があります。
効果があるとされている漢方薬は以下のようなものです。
抗コリン薬ではなく漢方の処方を希望するという方は、医師にその旨を伝え、漢方を処方してくれるクリニックを受診するようにしましょう。
尿道スリング手術には、テープを下腹部に留めるTVT(tension-free vaginal tape)と、足の付け根の膜に固定するTOT(transobturator tape)があり、日帰りで行える手術となっています。
骨盤底筋群の筋力が低下することによって、尿道が不安定な状態になっているところを、ポリプロピレン製のテープで固定して支えます。
体への負担も少なく、一度手術をすれば再発することはないのですが、以下のような合併症も懸念されています。
いずれも、手術を担当する医師の習熟度に問題があるケースが多いので、手術を検討する際には、経験のある医師が在籍する病院を選ぶことをおすすめします。
皮膚表面での刺激抵抗が少ない4000Hz帯の中周波を用いて、2つの異なる中周波電流を体内で交差させるように流します。
その位相差により生じる低周波で、神経、筋組織の刺激を行う治療で、膀胱周辺の排尿筋、骨盤底筋群に刺激を与えて頻尿の治療を行います。
副作用が少なく、粘着パッドを貼って電流を流すだけの簡単な治療なので、気軽に受けられます。
皮膚表面に痛みを与えることなく、効果的に筋収縮を行います。保険適応で行えるため、金額に不安がある方も安心です。
治療は服を着たまま可能で、1回20分と短い時間で終わるのも特徴です。合併症や副作用で薬による治療が難しいという方に向いている治療方法です。
レーザーには以下のような種類があります。
専用の器具を腟や尿道に挿入し、レーザーを照射することで血流がよくなりコラーゲンを産生させます。
萎縮していた組織がふっくら若返り、頻尿への効果が期待できる他にも、以下のような効果があります。
レーザー治療は1回の治療で2~3年効果が続くと言われています。効果を持続させるためには、適切な時期に通院する必要があります。
自費での治療となるため、1回の治療が10万円前後と高額になりますが、高い効果と手軽さから近年レーザー治療を選ぶ方が増加傾向にあります。
また、腟内にプローブを挿入してレーザー治療を行うものの他に、エムセラ、スターフォーマーといった非侵襲的治療も注目されています。
これらは、衣類を着たまま椅子に座るだけで骨盤底筋群の筋肉を鍛えられる装置として、自分で行う骨盤底筋トレーニングに比べて効果的なトレーニングを行えるというものです。
頻尿の原因が骨盤底筋群の筋力低下であるという方で、手術やデリケートゾーンを医師に見られたくない、腟内にプローブを挿入されることに抵抗があるという方に非常におすすめできる治療法です。
頻尿の原因はさまざまで、原因によって治療法も変わってきます。
頻尿に悩まされている方は、日本に約800万人もいるといわれていて、男女問わず人知れず悩んでいる方が多い症状です。
とくに、トイレに間に合わなくて失禁してしまったという経験がある方は、その後心因性頻尿になってしまうこともあり、早急にクリニックを受診して治療をはじめる必要があります。
治療や自分自身で行える頻尿対策を行うことで、生活の質を向上させ、長年の悩みを解決に導くことができます。
頻尿に悩んでいるという方は、ぜひ専門のクリニックに足を運んでみてください。
ある程度はしょうがないことですが、あまりにもトイレの回数が近く、外出先で困ったり、夜ぐっすり寝れなかったりすると生活に支障をきたしてしまいます。
トイレに関する悩みは生活するうえで大きなストレスとなり、そのことが原因で外出するのが億劫になったり、引きこもりがちになってしまったりする方もいます。
しかし、年齢のせいと諦めずに、クリニックで相談したり、自分でできる対策を行ったりすることで頻尿の症状を改善に導くこともできます。
この記事では、頻尿の原因と、自宅でできる頻尿対策、クリニックでの治療についてご紹介します。
頻尿にお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
頻尿とは
朝起きてから夜寝るまでの間に、8回以上トイレに行くこと、就寝中に2回以上トイレに起きることを頻尿といいます。一般的にこのような回数で判断されますが、本人が頻繁に尿意をもよおすと自覚しているケースも、回数にかかわらず頻尿と呼びます。
頻尿にはいくつか原因があり、原因によって治療法や対処法もさまざまです。
ひどくなると、映画の最中や長距離移動で車や電車に乗っているときなどに尿意をもよおすので、常にトイレの場所を確認しておかないと不安になってしまいます。
頻尿は加齢とともに増えてくる症状でもありますが、若い方でも頻尿に悩まされている方はいます。
原因がなんらかの病気であった場合は、自然に治ることはなく徐々に悪化することも考えられるため、早めの治療が重要となります。
頻尿の原因
頻尿にはいくつか種類があり、その種類によって原因もさまざまです。まずは、頻尿の原因をご紹介します。過活動膀胱
過活動膀胱は、40歳以上の男女の8人に1人はいるといわれ、日本では約800万人以上が苦しんでいるとされている疾患です。通常の膀胱だと、尿を500ml程度溜めることができ、およそ200~250ml程度溜まると尿意を感じると言われています。
しかし、過活動膀胱はそれよりも早く尿意を感じ、膀胱内に尿を溜めておくことができなくなってしまうのです。
過活動膀胱は以下のような原因が考えられます。
- 脳血管障害
- パーキンソン病
- 認知症
- 脊髄損傷
- 前立腺肥大
- 神経伝達の衰え
- 骨盤底筋群の筋力低下
骨盤臓器脱
骨盤内にある臓器は、骨盤の下にある筋肉や靭帯などによって守られていて、総称して骨盤底筋群と呼ばれています。
骨盤底筋群は妊娠や出産、加齢によってゆるみが発生し、ひどくなると骨盤内の子宮や膀胱、直腸などが腟から出てきてしまう骨盤臓器脱を引き起こすことがあります。
骨盤臓器脱の程度は人それぞれですが、症状が重く臓器が腟外へ大きく脱出していると、膀胱が下がり頻尿になりやすくなります。
膀胱炎や子宮筋腫などの疾患
女性は膀胱炎や子宮筋腫などの疾患によって頻尿になるケースが多いので注意が必要です。膀胱炎
女性がなりやすいといわれている身近な病気で、尿道から細菌が入り膀胱に達してしまうことで、膀胱内に炎症が起こります。症状としては、頻尿のほかにも排尿痛、残尿感、血尿などが挙げられますが、無症状の場合もあるため頻尿が気になって受診したら膀胱炎だったというケースもあります。
子宮筋腫
子宮筋腫は、子宮筋層にできる良性の腫瘍で、30歳以上の女性の20~30%にみられるほど、婦人科疾患のなかでも最も多い疾患です。症状は頻尿のほかにも、貧血、月経過多、月経困難症、腰痛などが挙げられます。
あきらかに良性であれば、3~6ヵ月ごとの定期健診によって経過観察をすることとなります。
残尿、尿量の増加
残尿とは、排尿したあとも尿が残っている状態で、女性の場合は子宮がんや直腸の手術後に発生するケースがあります。残尿によって膀胱内に尿が溜まっていると、頻尿につながります。
膀胱内に尿が残っていると、腎臓に尿が逆流して腎臓の機能が低下する恐れや、感染症の原因になる場合もあるため、残尿によって頻尿が引き起こされている場合は治療が必要となります。
また、水分を多くとりすぎている場合は多尿による頻尿が起こる場合もあります。
糖尿病によって血糖値が高い方も、のどが渇きやすくなり水分を多くとることによって多尿になるケースがあります。
心因性頻尿
心因性頻尿とは、心理的な緊張や不安によって起こる頻尿です。身体的な要因や膀胱、尿道に病気がないのに頻尿が起こっている場合は、心因性頻尿の可能性があります。ストレスによって起こることが多いとされていて「トイレに行けなくて漏らしてしまったらどうしよう」と考えることで膀胱が収縮しやすくなり、頻尿になってしまいます。
トイレに行けない場面で尿意が激しくなることがあるので、長時間トイレに行けないような状況を自ら避けるようになり、自分で行動に制限をかけてしまうこともあります。
心因性頻尿の場合は、集中しているときや寝ている間には症状が現れないのが特徴です。
緊張しやすい方や、自律神経が乱れている方、過去にトイレに間に合わなかった経験がある方などは、心因性頻尿になりやすいといわれています。
自分でできる頻尿対策
頻尿の症状が出ている場合は、クリニックでの治療を受けることが一番ですが、自分で対策をすることも可能です。ここからは、自分でできる頻尿対策についてご紹介します。
食生活の改善
利尿作用のある食品を好んでとっているという方は、食生活を見直す必要があります。以下のような食品は、利尿作用があるといわれています。
- コーヒー
- お茶
- シジミ
- イモ類
- ゴマ
- キャベツ
- 豆腐
- スイカ
- ほうれん草
- ハト麦 など
反対に、筋肉の収縮を整える役割のあるマグネシウムを含む山芋や銀杏、冷えを予防する生姜などを積極的にとることで、尿道括約筋などの収縮が促され血流の改善につながり、頻尿への効果が期待できます。
膀胱訓練を行う
膀胱訓練とは、尿意を感じてもすぐに排尿せず、一定期間我慢して膀胱に尿を溜め、排尿回数を減らすトレーニングです。まずは、自分の排尿パターンを知るために、排尿日誌を記録するようにしましょう。
排尿が多い時間帯や尿意の強さ、失禁の有無、排尿の量などを記録し、自分の排尿パターンを把握します。
膀胱訓練は、尿意を感じても少し我慢して膀胱に尿を溜めますが、最初から長時間我慢してしまうと、失禁してしまう可能性もあるため、最初は5~10分程度からはじめるようにしましょう。
そこから徐々に時間を伸ばしていき、1回の尿量を増やす訓練をします。その際も排尿日誌をつけることで、訓練開始からどのように変化しているかという客観的評価で効果を実感できます。
骨盤底筋トレーニング
頻尿が骨盤底筋群の筋力低下により起こっている場合は、骨盤底筋トレーニングによって骨盤底筋群を鍛えることで、効果を感じられる場合もあります。
骨盤底筋トレーニングは、以下のように行います。
- 仰向けに寝て足を肩幅に開き、両膝を軽く曲げて立てて、リラックスします
- 5秒程度、肛門、尿道、腟を引き締めます
- 一度力を抜いてリラックスします
- 引き締める、力を抜くのサイクルを1分間に10回繰り返し行います
座りながらでも立ちながらでも行えるので、日常生活に取り入れて訓練するとより効果的です。
骨盤底筋トレーニングを続けると、骨盤底筋群が鍛えられ排尿トラブルも改善できます。
しかし、骨盤底筋トレーニングは続けないと意味がありません。筋トレと同様に続けることで筋力がアップするので、効果がでないからとすぐやめてしまうのではなく、継続して行うようにしましょう。
尿漏れパッドの使用
どうしてもトイレに行けない場面や、緊張してしまうというときにあると安心なのが、尿漏れパッドです。尿漏れ用のおむつには抵抗があるという方も、生理用ナプキンのような感覚で使える尿漏れパッドなら利用しやすいのではないでしょうか。
実際に、尿漏れパッドは30代の方が使っているということも珍しくないので、お試し感覚で使ってみてもよいでしょう。
尿漏れパッドは、2cc~300ccまでの吸収量がラインナップされています。普段用、長時間用、夜間用などの場面による使い分けも可能で、大量に尿が漏れてしまっても安心できるので、精神的にも楽になります。
尿漏れパッドを選ぶときには、男性用と女性用があるので気をつけましょう。女性が男性用を選んでしまうと、うまく尿が吸収されないこともあるので、注意が必要です。
クリニックでの治療方法
頻尿の原因や自分でできる対策をご紹介してきましたが、頻尿にお悩みの方はまずはクリニックで相談してみることをおすすめします。ここからは、クリニックでの頻尿の治療方法をご紹介します。
投薬による治療
頻尿の原因として多い過活動膀胱には、抗コリン薬にて治療が行われます。抗コリン薬は、膀胱の収縮に関与している神経伝達物質のアセチルコリンの働きを阻害する働きがあります。
抗コリン薬の働きによって、膀胱の過剰な収縮を抑えられるので、過活動膀胱による頻尿を改善できます。
しかし、抗コリン薬には以下のような副作用があります。
- 口渇
- 便秘
- 吐き気
- 腹痛
- 目の調節障害
効果があるとされている漢方薬は以下のようなものです。
- 八味地黄丸
- 牛車腎気丸
- 猪苓湯
- 清心蓮子飲
- 小建中湯
抗コリン薬ではなく漢方の処方を希望するという方は、医師にその旨を伝え、漢方を処方してくれるクリニックを受診するようにしましょう。
尿道スリング手術
頻尿とともに尿失禁を併発している方や、症状が重い方には外科的手術である尿道スリング手術を行うケースもあります。尿道スリング手術には、テープを下腹部に留めるTVT(tension-free vaginal tape)と、足の付け根の膜に固定するTOT(transobturator tape)があり、日帰りで行える手術となっています。
骨盤底筋群の筋力が低下することによって、尿道が不安定な状態になっているところを、ポリプロピレン製のテープで固定して支えます。
体への負担も少なく、一度手術をすれば再発することはないのですが、以下のような合併症も懸念されています。
- メッシュが腟や膀胱に露出する
- 尿管のなかにメッシュがでてきて結石ができる
- 性交痛を引き起こす
いずれも、手術を担当する医師の習熟度に問題があるケースが多いので、手術を検討する際には、経験のある医師が在籍する病院を選ぶことをおすすめします。
ウロマスター
ウロマスターは、干渉低周波によって頻尿や尿失禁の治療を行う機能的電気刺激装置です。皮膚表面での刺激抵抗が少ない4000Hz帯の中周波を用いて、2つの異なる中周波電流を体内で交差させるように流します。
その位相差により生じる低周波で、神経、筋組織の刺激を行う治療で、膀胱周辺の排尿筋、骨盤底筋群に刺激を与えて頻尿の治療を行います。
副作用が少なく、粘着パッドを貼って電流を流すだけの簡単な治療なので、気軽に受けられます。
皮膚表面に痛みを与えることなく、効果的に筋収縮を行います。保険適応で行えるため、金額に不安がある方も安心です。
治療は服を着たまま可能で、1回20分と短い時間で終わるのも特徴です。合併症や副作用で薬による治療が難しいという方に向いている治療方法です。
レーザー治療
頻尿の原因が骨盤底筋群の筋力低下によるものの場合は、レーザーで腟や尿道を引き締める治療が効果的です。レーザーには以下のような種類があります。
- CO2レーザー(炭酸ガスレーザー)…モナリザタッチ、フェミリフト、インシェイプ
- YAGレーザー…インティマレーザー、ActionⅡ、ディーバ
- 高周波(RF)…サーミバー、EVA、ビビーブ、ヴィーナスフィオーレ、FORMA V、フラクトラV
- 超音波とHIFU…ウルトラヴェラ、ULTRA FEMME 360、モナハイフ
専用の器具を腟や尿道に挿入し、レーザーを照射することで血流がよくなりコラーゲンを産生させます。
萎縮していた組織がふっくら若返り、頻尿への効果が期待できる他にも、以下のような効果があります。
- 尿漏れの改善
- 萎縮性膣炎の改善
- 腟縮小
- お湯漏れの改善
- 性交時の感度アップ
レーザー治療は1回の治療で2~3年効果が続くと言われています。効果を持続させるためには、適切な時期に通院する必要があります。
自費での治療となるため、1回の治療が10万円前後と高額になりますが、高い効果と手軽さから近年レーザー治療を選ぶ方が増加傾向にあります。
また、腟内にプローブを挿入してレーザー治療を行うものの他に、エムセラ、スターフォーマーといった非侵襲的治療も注目されています。
これらは、衣類を着たまま椅子に座るだけで骨盤底筋群の筋肉を鍛えられる装置として、自分で行う骨盤底筋トレーニングに比べて効果的なトレーニングを行えるというものです。
頻尿の原因が骨盤底筋群の筋力低下であるという方で、手術やデリケートゾーンを医師に見られたくない、腟内にプローブを挿入されることに抵抗があるという方に非常におすすめできる治療法です。
まとめ
頻尿の原因と、自宅でできる頻尿対策、クリニックでの治療についてご紹介しましたが、参考になりましたか?頻尿の原因はさまざまで、原因によって治療法も変わってきます。
頻尿に悩まされている方は、日本に約800万人もいるといわれていて、男女問わず人知れず悩んでいる方が多い症状です。
とくに、トイレに間に合わなくて失禁してしまったという経験がある方は、その後心因性頻尿になってしまうこともあり、早急にクリニックを受診して治療をはじめる必要があります。
治療や自分自身で行える頻尿対策を行うことで、生活の質を向上させ、長年の悩みを解決に導くことができます。
頻尿に悩んでいるという方は、ぜひ専門のクリニックに足を運んでみてください。